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第84話 原点回帰


ガルーダが王城に飯を食べに来ていた、セブンスターズに補充した人員を報告に来たのだ


「ガルーダが良いと思うメンバーなら、それでいいんじゃないか?」


「わしは人を見る目がないのか、はじめに選んだメンバーは、調和が取れなかった為に選び直したのです」


「それがなにか問題があるのか?」


「辞めさせた者達が組合で辞めさせられたと、他の冒険者に触れて回ったのです」


「まあそういう人も居るかもしれないな」


「それで名に傷を付けてはいけないと思い、ひとまず相談に来たのです」


「こちらが最低限の配慮をきちんとしていたら、騒ぎたい人には好きにしてもらったらいいんじゃないかな。在籍期間の手当を払わないとか、話合いもしないで首にしたとか、そういう訳じゃないよな」


「もちろんその辺の事はちゃんとしています」


「それなら失敗を繰り返してもガルーダが思うようにした方がいいだろ?俺が選んでいたらいつまでもガルーダが自信を持って隊長をする事は出来ないと思うし」


「そうなんですが、すでに少し臆病になっておりまして」


「少し口を挟んでいいかな」アスコット


「久しぶりだな、思う事があれば言ってくれ」


「そもそも人を見る目がないとか考えないで、選んだ人を育てるしかないんじゃないかな。私達だってはじめから今みたいにしていた訳じゃないんだし、来た人が想像してたパーティと違うかったとしても、他のみんなと協力して育てるようにしないと、そのうち既存のメンバーも不平不満を言うようになると思うよ」アスコット


「私もアスコットの意見に賛成です、私が入った時も毎日鍛えられて成長しました、みんながセブンスターズに、どれほどの情熱を持っているかを知る事で頑張れました」サラ


「それにガルーダはガルーダだから、梳李と比べる事に無理があると思うよ」アスコット


「そうだな、確かに梳李と比べて至らない事に自信を無くしていたのかもしれないな、わしはわしらしくでいいんだな」ガルーダ


「次のギルド対抗戦にエントリーしたらいいんじゃないか?目標がしっかりあった方が団結もしやすいだろ」


「ですが今のままでは大した順位にはなれないと思うのですよ」ガルーダ


「いいんじゃないか?仮に最下位だったとしても…エンジェル達を加えて1位になる事よりも、最下位だったとしても新しいセブンスターズが団結する事の方が大事だろ」


「それになガルーダ…俺は努力している姿を人に見せないから、結果だけを見てきたガルーダには、俺が簡単に人を集めてファミリーを作ってきたように見えたかもしれないけど、誰も見ていない所で悩んで考えて挫折して、そういう事の繰り返しだったんだよ。フェアリーやヴィーナスは俺が必死でどうするのが最善かを、考えて考えて考えてきた事をよく知っているよ」


「梳李も悩んだり考えたりしたのですか」ガルーダ


「恵まれていた事は間違いないけどな、影響力があったらあったで、考えておかないと逆に思わない言葉が人を傷付けたりするんだよ」


「アスコットもサラもありがとう、梳李!なんか少しすっきりしました、失敗を恐れないでもう少し頑張ってみます」ガルーダ


「あと、俺からの報告なのだけど…内密になると思うんだけど、ダンジョンの深層と高層の探索に行く事になると思う。こっちの動きはあまり気にする必要はないけどな。探索というか調査と言った方が正確かもしれないけど」


「そうなんですね」ガルーダ


「ここらで冒険者として原点に戻りたい事もあるし、未開拓地域よりも先にダンジョンの調査をしたくてな、この前は海底に神殿を見つけたし、まだまだこの世界にはヘッカやフェアリーが認識していない事がありそうだからな」


「それに最高神ゼウスに言われたんだ、戦闘においても俺が越えられない壁がまだまだあるらしいから鍛える必要がある」


「まだ鍛えるのですか」ガルーダ


「まだまだこれからだよ」


「現セブンスターズはメンバーに悩むようなゆとりはないのに、隊長の私が強いパーティになった気になって、大きな勘違いをしていたような気がします。もどって全員と話しをしていちからやり直します」ガルーダ


「おお!頑張ってな」


「それではガルーダも帰ったので第2回奥様会議を開催する!」ヘッカ


「またやるんかーい!」


「ちゃんと議題があるんだ、ダンジョン探索と聞いたから、誰がついて行くかと言う事と、今は全員で寝ているが、二人づつ1週間おきのローテーションにしようかと言う意見もあってさ」ヘッカ


「それなら全部任せるから、俺は外して良いな」


「梳李の意見を聞きたい場面があるかもしれないから、いてくれた方が良いけど」ヘッカ


「なんか寝る時のローテーションは生々しいというかさ、俺は決まった事に従うから、参加するのはダンジョン探索だけにさせて」


「仕方ないな、それならそうするよ、だけどこれだけはわかって欲しい、私達は梳李を自由にするのも楽しいのだけど、たまには強く求められたいんだよ」ヘッカ


「わ、わかったよ、約束する」


「それではダンジョン探索についてだけど、当然みんな行きたがるんだよね」ヘッカ


「戦闘が出来ないミーティアとオリビアとピーシスをどうするか」ヘッカ


「休憩する時にお茶とか用意してくれたら快適だし、フェアリーが守りを固めるなら、連れて行ってもいいんじゃないか。それにミーティアは精霊術士だから魔道具を作れば、みんなで通信出来るようになるだろう、退却とか防御とか、前衛から指示が出せるようになると便利だと思うよ。それに目指すのは深層と高層だから、どの道戦闘自体は俺とエンジェルとヴィーナスとポセでやる事になる、あとのみんなは後方支援なるだろうからな」


「それならその問題は解決だね、引き続き夜の会議に入る!」


俺はその場で席を外して、自室にもどって色々作業をしていたのだが、奥様方が戻ってくる事はなかった…


どんだけ白熱しとんねん!



第85話に続く


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