第71話 梳李VSポセイドン
「くだらない事でやきもちを妬くは、眷族に無理をさせるわ、神様だかなんだかしらないが、人の営みをなめるんじゃない!」
「だまれ!勝負だ!」
「本気で行くぞ…怒らせたのはお前だからな」
「海でわしに勝てると思っているのか!」
「ごたくは良いからさっさと来い!」
ポセイドンは荒れ狂っていた、大地を揺らし雷雲を呼び寄せ、落雷を攻撃にかえて何10何100という落雷を放ち、素早く避ける俺を追撃し続けた。スピードで捉える事は出来ないと悟ったポセイドンはさらに逆上し、直径10mにもなるような落雷を爆音と共に落下させた
さすがに避けきれず、その落雷を青竜王と赤竜王で吸収した、しびれる腕をなんとか抑え、ポセイドン目掛けて投げ返す、自分目掛けて飛んできた雷に、一瞬ひるむが海水で出来たポセイドンの身体は何事もなかったように吸収した
さらに攻撃は続く今度は槍を振り回し確実に俺の身体を狙ってくる、なぎ払い、突きをいれ連続攻撃を繰り返す。それでも捉えきれないポセイドンはさらに逆上し、大波を起こしさらに巨大化する。一瞬の隙をついて二刀流狂喜乱舞でお返しするが、ポセイドンの身体はやはり吸収し切断してもすぐに再生する
「ヴィーナス!弱点はわかるか!」
「場所はわかりませんが、本体がどこかにあると思います!」
荒れ狂うポセイドンと海を相手に、さらに空中殺法とテレポートを駆使しながら、頭から順に閃光を走らせ斬撃を飛ばし、ポセイドンを輪切りにしていく
弱点を悟られそうになったポセイドンは、俺に向かって四方八方から、海水の柱を突き立て動きを封じてくる、ポセイドンも焦っているようだ、都合がいい事に怒りがMAXに達して冷静さにはかけている
頭上にテレポートされている事に気が付かず、数千の落雷をあやつり、槍術で強烈な連撃を繰り出したがら、海水に捕らえたと思っている俺に対して数万の連打をもって無差別に攻撃している。頭上から眺めていてもその攻撃力は凄まじく、あそこに捕らえられて居たら一溜りもなかっただろう
頭上からタイミングを見計らい、きりもみしながらの二刀流一刀両断、30mにはなっているであろうポセイドンの身体が、一瞬縦半分に切り離されて本体があらわになる、小さいおっさんだ。その隙を見逃さずヴィーナスの最大火力のライジングライトニングとエンジェルのブレスがポセイドンの本体に炸裂する
ぷすぷすと黒焦げになったポセイドンの本体は絶命した
雷雲が晴れ海は静寂を取り戻した
黒焦げのおっさんを回収して砂浜に戻った
「梳李が戦ってるのを見てたら、ひやひやしちゃう。勝つと思っていたけど心配になるんだよ」ヘッカ
「悪い悪い、ポセイドンが強かったんだよ」
「見てたけど怒り狂っていたね」ヘッカ
「ほんとに…どんだけやきもち妬きやねん!」
「どうせアンピトリテが梳李に魔力をもらった事を、誤解されるように報告をしたんだよ」ヘッカ
「ヴィーナス、おっさんは癒さなくていいぞ、自然回復するまで黒焦げにしておこう」
「とりあえず族長の家まで運ぼうかな。アンピトリテは海から離れて平気か?」
「三叉戟を持っていれば聖獣のイルカを海に放っていますので平気です」アンピトリテ
「それなら一緒に来てくれ、もしも海から離れて体調が悪くなるようなら、魔力はあげるから言ってくれ」
「体調が悪くならないとダメですか?」
「誰のせいで大騒ぎになったと思っている!自覚してしっかり自粛しろ!」
海人族シャチの家
「すみません…我ら海人族は貧しく、せっかく来ていただきましたが、おもてなしも出来なくて」シャチ
「族長さん!気にしなくていいですよ。食料も飲み物も俺のストレージには豊富にあります。本気を出せばここの住人を何ヶ月も支える事もできると思いますよ」
黒焦げのポセイドンの回復を待ちながら、表の広場で宴会をした、肉も魚も野菜も果物もいくらでもある。酒も振舞った美味しいお茶も振舞った、海人族の娘達は妖艶に舞い、独特な歌声で歌を歌った。若い男達はその舞いに誘われるように、槍を地面に打ち付けて自らを鼓舞していく
「シャチ!この舞いは一族の伝統なのか?」
「はい!せめてものお返しにと披露しています。他種族の人に披露するのは何100年振りでしょうか…」
「久しぶりに披露できて良かったな。海人族の文化はわからないが、この舞いや歌声と力強い男達の姿には、俺達に対する敬意が込められているな、良い伝統じゃないか」
「梳李様に頂いた物に比べると、些細なお返しでお恥ずかしいですが、喜んでいただけたのなら良かったです」
「海人族は布を巻き付けたような服に背中の鱗を見せる姿なのが普通なのか?」
「これは貧しい事が原因ですが、海に潜る時にも楽だからですよ。海人族は本気になれば30分は潜って居られますから」
「農作業はしないのか?」
「いま梳李様の酌をさせている娘は、潜りは苦手なのですが農作業は得意ですよ、我らには土地がないだけです」
「ヘッカは楽しんでるか?」
「海人族の儀式のようなこの催しは良いねぇ味がある」
「エンジェルの肉の爆食いも久しぶりにのんびり見るな」
「むぐっ!美味しい!最大火力のブレスはお腹が空くみたい。魔力の補充に食べたくなる」
「ヴィーナスは相変わらず甘えん坊だな」
「私はユニコーンの時からずーっと甘えん坊ですよ。どこか触れていたいのです」
「みんなも楽しいなら良いさ!アンピトリテも自分の眷族の姿に何かを感じる事だ!神様がわがままを言って自分を優先させたのでは、神様と名乗る資格がないと思うぞ」
「確かに永劫の時間を眷族と共に暮らして来ましたが、この高揚感は初めて感じます。それに魔力も満たされていきます。多くの供物をもらうよりも、眷族のこの姿がわれらを豊かにしてくれるのだと実感しています」
「ところでポセイドンはなかなか生き返らないな」
「あ!私が三叉戟を持つように、ここでは三叉槍を抱かせておかないと復活しません。もうこのまま寝かせておきましょうか」
「まてまてまてまて、めんどくさい旦那かもしれないが、それをいっちゃあ可哀想だよ」
「ふふふっ!冗談です、いま持ってきます」
「シャチ!まだまだ食え!まだまだ飲め!」
「はい!」
宴会は続いた、途中でフェアリーが合流した
「海人族はヘカテーの住人にするのですよね?思考は読んでいましたが一応確認です」
「この流れで行くとポセイドンとアンピトリテもそうなるだろうな」
「シモンズには集落の準備をするように伝えて起きました」
「さすがだねフェアリーは…よしよし」
「ふふふっ!」
「ところで海で戦ってる時に、海水に飲まれても苦しくなかったけど、ヘッカの恩恵なのかな」
「そうだよー!ヘッカも褒めてー!」
「よしよし、ヴィーナスもなよしよし」
「私は!もぐっ」
「エンジェルは食ってんじゃねぇかよ!」
海人族のお祭りにみんなの笑い声がこだました、訪ねて来た時は空気が淀んでいた集落だったが、いまはとても陽気に騒いでいる
「がはーっ!」ポセイドン
「お、生き返ったか?」
「わしの完敗です、度重なる御無礼失礼いたしました。死んでいる時に兄上のゼウスに説教されました。あの人間が正しい事を言っている、間違えているのはお前だと、兄上も会いたがっておりました。そしてこれを」
「これは防具か?」
「はい鍛治神ヘファイストスが作った防具アイギスです。兄上と同じ物です」
「そんな凄い物をもらっていいのか?俺は人間だけど」
「良いのです兄上いわく、全知全能である自分から見ても、梳李様の行動原理や思考回路は賞賛に値すると申しておりました」
「その話はよくわからんがありがたく使わせてもらうよ」
「はい!プロテクションやシールドを貼らずともいかなる攻撃からも守られましょう。あともうひとつ兄上からの伝言で、短気でどうしようもないやつだが、弟ポセイドンの事を頼むと」
「はははははっ!ポセイドンも梳李の配下になるのか!はははははっ!実に面白い」ヘッカ
「それ久しぶりだね、ヘッカはどうすれば良いと思う」
「そうだなあ、梳李、私、フェアリー、エンジェル、ヴィーナス、ポセイドン、アンピトリテ…セブンスターズだな!」
「我らにも名を与えてください、さすれば人と同じ姿を取りいつでも付き従えます」
「ポセイドンはゼウスからの命令だとしてもアンピトリテもそれでいいのか?」
「私もまた海の女王、ポセイドンとつがいの身なれば、同じ扱いにして頂きたく」
「わかった!それならポセとアンピな!」
「海人族も俺の配下に置くぞ、シャチ!お前も新たにシャチと名付ける!」
「ありがとうございます!よろしくお願い致します!」
そして飽きるまで宴会を堪能した俺達は海人族をヘカテー王国の住人にして、農作業と塩田の管理、漁師を任せる事になった。特にヘカテーの舞踊部隊とは意気投合して文化交流はスムーズだった
第3のセブンスターズも人数が揃い、名実共に人知を超えたパーティが完成した。ポセもアンピも人の身体になれてくると、めちゃくちゃ強かった
まあ…そらそうよね( ̄▽ ̄;)
第72話に続く




