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第7話 経験という名の自身のスキル


大森林をさまよう事で大きな収穫があった。ライカゼが進化した事、図鑑の進捗率が上がった事、目に見える収穫も然る事ながら、戦闘にあっては環境や気候が大きく影響する事を教えられた


小雨が降りしきる中、沼地に捕まりリザードの群れに囲まれた。魔物は知能こそ低い物の、生存競争に勝つ為に、大体の魔物が住処を持っている様だ


通電性の高い沼地を利用してライカゼと共にライジングライトニングを水中に放つ。感電させて群れを全滅させるつもりだったのだが、減らせたのは2割程度だった…長い年月の中で、弱点を克服しながら子孫を残している為、同一個体でも耐性が強くなっているのだ


リザードは強くない…しかし沼地という相手のホームグラウンドでは、こちらの動きは制限される。そこに、数の有利と場所の有利を巧みに利用して、同時攻撃を仕掛けてくるのだ


そんな中で、離れたライカゼを守るために防御魔法プロテクションを覚えた、走るという移動手段が使えず、跳躍というスキルを覚えた、敵のいる場所にピンポイントに跳躍し、着地しながら斬り伏せる、木の葉舞いという剣術スキルを覚えた


常にこちらも成長しなければ、撃破できないという現実を思いしらされたのだ


「梳李様!お気をつけください!この集団の統率者が来ますよ!」


魔物は狡猾で命の奪い合いでは、こちらの予想を上回ってくる。リザードの群れを木の葉舞いで殲滅しているうちに、さらに深い沼地へと進んでいた。リザードを捨て石に使い、誘い込まれたのだ


深い沼地でキングリザードと対峙する


キングリザードは深い沼地でも、足がそのように出来ていて、水に浮いたような状態で、素早く移動し、槍術を繰り出してくる


俺は膝まで足を取られ防戦一方になる。槍術は巧みで、高速回転させながら確実に顔面付近を狙ってきて、仰け反って回避すると、そこにすかさず突きを入れてくる。跳躍力も高く頭上からの攻撃でもスピードも切れもある


ライカゼが離れた場所から戦況を見ていて、キングリザードへ向け魔法を発射するが、怯ませる事すらできない


キングリザードのラッシュは続く…軽々と槍を回転させ突きも二連…三連と技の制度も増していく


身動きの取れない下半身に、回避は困難を極め、思わずオーバーロードでガードする…そんな、長いやり取りが続いた。長い長い防戦に集中力も限界を迎えた。わずかだがガードがズレてバランスを崩した…勝利を確信したのか、すかさずキングリザードが大きく跳躍した、全力で身体を仰け反らせて、槍を振りかぶる。ガードするオーバーロードごと、頭蓋を叩きわろうとする勝負の一撃である


この時を待っていた…わざとバランスを崩した訳ではない。ひたすらに耐えながら、反撃の瞬間を待っていたのだ。キングリザードが大きく跳躍し大きく振りかぶった、そこに隙ができた。わずかな一瞬を見逃さず、跳躍を使い空中に飛び上がる…反撃を察知したキングリザードだが、着地体制に入っていて動線を変えることはできない…回避不能、足首を持ち沼地に叩きつけた!うつ伏せに這いつくばったキングリザードに対し、不可避の一刀両断をおみまいした


駆け引き…技…状況判断…スキル…


ギリギリの戦いだった。魔物は魔物で生存する事に必死である。基本的に楽な戦いなどないのだ


そう思うと、深淵の大森林が育ててくれているような、そんな気さえするのだった


「ライカゼー!大丈夫か?」


「はい!我は問題なく」


「ところで梳李様…なぜ、回避とガードに専念したのですか?シールドを張れば、もっと楽にしのげたのではないですか?」


「それは…魔物との戦いも戦闘訓練だと思っている事と…こちらがシールドを張って完全に防御すれば、負けないかもしれないけど、勝てないと思ったんだよ。ガードしていたら、最後の隙は作れなかったよ」


「確かにそうでしょうが…冒険が好きなのですね梳李様は!」


「未開拓の地を目指してるんだから、目に入る景色も…魔物との死闘も…全部が冒険じゃないか!」


まだまだ深淵の大森林の奥地にいた。途中から冒険者としての、人としてのスキル向上がどれだけ重要であるかを思い知らされ、少しでも高みに手を伸ばしたくなったからである


魔物に対峙する度に、一撃では仕留めずに剣を交えた。自らに向けて放たれた魔法攻撃もオーバーロードで斬った。魔物の魔法は詠唱もなければ、技名を発する事もない。腹が減れば獲物を食い、敵と見れば襲いかかる。本能とおなじように行使してくるからだ


魔物の魔法攻撃を、何度も見ていて気がついた。詠唱は無くとも、準備~行使の間のタイムラグは必ず存在する


自分にもそれがある事を認識して、タイムラグを短くする訓練や、オーバーロードを振り回す事でタイムラグを埋め、剣撃~魔法という連続攻撃も訓練した


発射される魔法を待って、タイミングよく突進し、魔法を斬ってから一刀両断するなど、回避なしの連撃も練習した


あらゆる可能性を考え…それを、魔物を前に実践していく。中央の大草原に出る頃には想像以上の時間を使っていた


時を同じくして、セントラルから来た斥候部隊は大森林から300mという距離に陣を張り、手前100m付近にバリケードを築いて後続を待っていた


異変に気がついた魔物側も、サイクロプスに誘導されたアリゲーターの群れが、平野に向けて移動しようとしていた


追加スキル 跳躍 剣術木の葉舞い


追加魔法 ウォーター インクリースウォーター ウォーターウォール ウォーターカッター ライトニングサンダー ライジングライトニング サンシャインレーザー プロテクション 進捗率16%


第8話に続く


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