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第69話 海神ポセイドン


少し話は戻るのだがデイビスであった事は、アスコットをはじめ、ミーティアにもアンとサラにも奥様の間で報告がなされた為、不公平だと早速言ってきた。別に区別するつもりはなかったので、イザベラも加えた他の奥様方をヘカテー王国の南にある海に連れて来た。ちゃんと仮設でお風呂も設置して、平等に扱ったのだが、内容が重複するのでその事は割愛させてもらうのだが、海を眺めているうちに、以前に作った岩場を思い出して、魚がたくさん住み着いているはずだから捕ろうと考えたのだ


「フェアリー聞こえるか?」


「私達を放置してなかなか帰って来ないのですね」


「そういう冗談をちょくちょくぶっ込むようになって来たけど、それはヘカテーの影響か?」


「どうなんでしょうね、ところでどうしました?」


「みんなでこっちに合流してくれないかな」


みんなベットの中からそのままの格好で登場した


「いやいやいやいや、そうじゃないんだよ。ちゃんと服を着てきてくれるか、この前作った岩場に魚が群生してるはずだから、捕ってみようと思ってな。美味しそうなのが捕れたら夜食にしよう。そのまま刺身にして生で食べても美味しいし、焼いてもきっと美味しいと思うよ」


フェアリーにイメージを渡して地引き網のような物を作ってもらった。とりあえずはたくさん捕る必要も無いので小ぶりの網を作って、水上歩行で岩場に向かって歩いていた


突然海が盛り上がり数10mの人影があらわれた。その見た事も無い人影は巨大な三又になった槍を振り回し、あろう事か突如攻撃をしてきたのだ


得体の知れない攻撃に、反射的にその槍を掴んで持ち上げ砂浜に叩きつけた


「いててててて」ポセイドン


「なんだお前ポセイドンじゃないか」ヘカテー


「こんな所で何をしているんだ」ヘカテー


「なんじゃさっきのやつは、なぜわしを投げ飛ばせるんだ」ポセイドン


「おっさんは何者だ!突然巨大な槍で攻撃してくるとは無礼なやつだな。言葉使いに気をつけないと追い討ちをかけるぞ!」


「ま、まってくれ!わしが悪かった」


「ちっさ!おっさんは水から上がるとそんなに小さいおっさんになるのか?なんか…愛くるしいじゃないか」


「はははははっ!梳李それは言ったらだめなやつだよ、こいつはこう見えてほんとに神様なんだよ」ヘカテー


「それはヘカテーの星に仇なす敵と言う事でいいのか?それなら気持ちよく始末するが」


「だから待ってくださいよー。わしはポセイドンという神様なのじゃ」


「しらん!俺には関係無い!攻撃してきた事にくわえて、この星に邪魔な存在なら神様だろうが始末する!」


「わ、悪かったよ、攻撃した事は謝るから…申し訳ありませんでした!」


「そういえばお前がこの星に居るからゴルゴーンが執拗に嫌がらせしてくるんじゃないのか?」ヘカテー


「そんな事は知らないけど」ポセイドン


「だいたいお前のせいでゴルゴーンは醜い化け物にされたのだから、お前の事を恨んでいるんじゃないのか?」ヘカテー


「めんどうだな…やるか?」


「だからおぬしは、なんでそんなにわしを亡き者にしたがるのだ。一応わしも神様だから不死なのじゃが、痛みはあるのだよ」ポセイドン


「怒っているからな…俺だからあの攻撃を受け止めて反撃する事も出来たが、あれが砂浜に向けて振り下ろされていたら、問答無用で粉々になるまで斬っていたところだ」


「ほんとにまってくれ!理由を話す!話すから少し時間をくれ!」ポセイドン


「実はアンピトリテが、とても素敵な匂いのする殿方がいるって、目をハートマークにしたから、わしは嫉妬したんじゃよ」ポセイドン


「そのアンピトリテってのは、さっきから俺の身体にまとわりつく様に泳いでいるこの女の子の事か?」


「アンピトリテ!わしという旦那がありながら、他の男に色目をつかいおって」


「俺はあんたらの痴話喧嘩に巻き込まれて、さっきの強烈な一撃を放たれたと、そういう事で良いのかな?」


「申し訳ありませんでした!」ポセイドン


「ヘカテー!やっぱこのおっさんは始末しよう」


「待て待て梳李、ほんとにそのおっさんは神様だし、序列で言えば私よりも上の存在なんだよ。宇宙を司る全知全能の神ゼウスの許可を得て、そやつだけは水のある所なら自由に行き来して良いルールなんだよ。ゴルゴーンとの浮気がバレてアンピトリテには冷たくされているみたいだけどね」


「んでその奥さんはなぜに俺にまとわりついているのだ?」


「梳李を気に入ったみたいだね」ヘカテー


「俺は痴話喧嘩に巻き込まれるのは迷惑だぞ!おっさんもしっかりしろよ!」


俺にしがみついて離れないアンピトリテをなんとか引き剥がし、後日改めて挨拶に来ると言って去っていった


「そういえばポセイドンは聞いた事があるな神話の中でだけど」


「そうだよそのポセイドンだよ」ヘカテー


「あんなに愛くるしいおっさんだったんだな」


「はははっ!だからその話は勘弁してやってよ」ヘカテー


「だけどポセイドンが居たって事は海人族がどこかに集落を作っているかもしれませんね」フェアリー


「海人族ってのも居るのか?」


「ゴルゴーンにギガースが居るように、ポセイドンには海人族が居るのです」フェアリー


「ポセイドンのおっさんも海ではギガースよりも大きかったけど、海人族もでっかいのか?」


「いえいえ普通の種族ですよ、今まではこの星には存在しませんでしたが、ポセイドンが居たと言う事は新しく生存していると思います」フェアリー


「探しに行くか…普通にセントラルの種族と同じような種族なら生活環境によっては保護する事も考えなきゃダメだろ」


「そうなんだよね、神と言うやつは元来眷族には厳しいんだよね。ヘカテー族は梳李とフェアリーが生み出した事もあって私も大切に扱っているし、女神を崇拝する気持ちが深いから良好な関係を築けているけど、ゴルゴーンがギガースを兵器として扱うように、神の眷族は都合よく使われている事が多いんだよね」


後日集落を見つけに行く事を予定するとして、とりあえず俺達は海の幸を堪能した


魚の知識はあまりないのだが、鯛のような白身の魚やアジやサバのような光り物もたくさんいた。とりあえず毒が無いかを確認して、まな板の上で食べ頃の状態まで時間を進めた刺身を中心に、焼き魚や干物も作って堪能した


シーズニングで刺身にしょうゆとわさびを用意し、懐かしい味を思い出すことができた、わさびは鼻にツンと来るからって説明したのに、俺の真似をした奥様方は半泣きになっていた。エンジェルは特に苦手だったらしく、空へ向けてブレスを放っていた


「だからツンと来るっていったじゃん。俺は慣れているから少し効かせた方が美味しいと思えるんだけどさ」


「鼻にツンと来るけど、クセになるのよ」アスコット


「美味しいねー」ミーティア


「私達もクセになりそうです」アン、サラ


「この調味料は売れますね」イザベラ


「美味しい」アリアナ


「最高ですね」オリビア


まあ楽しそうでなによりだね。アンピトリテって神様やポセイドンみたいに嫉妬するような奥様方ならこの集団は存在しないなあと思った


というか…これは間違いなくハーレムだな、みんなかなりの美人だし、スタイルも抜群だし、冷静に考えたら贅沢過ぎるな


その夜は星空を眺めて流れ星に「バチが当たりませんように」とお願いしていた


バカだねぇー



第70話に続く


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