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第47話 結果発表!


10日前、北の大雪原黒竜王の住処


「ぐぉぉぉぉ!ぐぉぉぉぉ!」


瘴気の沼に半身を取られ苦しんでいる黒竜王がいた。瘴気溜りは魔物を作り出そうとしていた


ケズリファミリー大食堂


「オーディションの採点結果の集計は出たかい?」


「もう少しで集計できそうだよ」


「アスコット1人で大丈夫か?」


「もう終わるから大丈夫だよ」


「それよりさっきみんなのやつをチラッと見たけど、うちのみんなは比較的丸い体型が好きなようだな。ドドとトロンはめちゃ高得点だったじゃん」


「そうそうダントツで1位と2位」


「アスコットは5番のティファニーは0点だったけど、なんか理由でもあるのか?」


「ティファニーちゃんは、パーティに入れるには申し分ないけど、また増えそうで少し躊躇してたのよ」


「考えすぎだろ」


「あまい!梳李が考えるよりも、はるかに女はしたたかなんだからね!」


「はいはい、気をつけまーす」


「まったく…」


「ルイーダ!片手間で良いから三階をまたひとつにして寝室を広く大きいベットにしといて」


「わかりました」


「アリアナとミーティア、オリビアとアンとサラはその工事の進み具合を見て引っ越したら良いからね」


「私達も一緒に住んで良いんですかー?」


「お姉ちゃん!やったね!」


「私はメイドですが良いのですか?」


「3人とも奥さんになるのはあんなに主張したのに、一緒に住むのは遠慮するんだな。気にしなくていいよ、一緒に住むのが普通だしさ」


「ルイーダ!早く改造してね!」オリビア


「慌てなくてもそれまでは城に帰るから大丈夫だよ。シモンズと塩田を作る打ち合わせもあるし、何度か手伝う必要があると思うから」


「塩田てなんですか?」ミーティア


「今流通している塩は鉱物の中にあって、採掘してから削り出しているんだけど、販売価格が高く普通に暮らしていては、なかなか使えるものじゃない。その塩を深淵の大森林の南にある海の水から、大量に作れるようにする為の工房の事を塩田というんだよ」


「調味料自体が高級品が多いから、安価な物を流通させた方が、庶民の暮らしは豊かになると思ってさ」


「あの綺麗な眺めの海の水から、塩が取れるんだね。また商業組合が大騒ぎしそうだね」ミーティア


「まあ商業組合は仕方ないよね。望まれればどこの国もちゃんと納得できる取引をするよ」


「梳李少しいいか?」


「ヘカテーか?どうした?」


「いま、エンジェルと話をしていたのだが、黒竜王の様子が少しおかしい気配がするのだ」


「見に行くか?すぐには出発できないけど、明日オーディション結果を組合に貼り出して、組合長達と打ち合わせをしたら、出発できるよ」


「そうだな、そうしてくれるか」


「黒竜王はどこに居るの?」


「北の大雪原の最北にある。とても寒くて雪と氷に覆われた大地なんだ」


「危険だろうからみんなは連れて行けないけど、黒竜王の様子を見た後、ついでに他の竜の様子も見に行こうか。俺の居た世界には新婚旅行って言う習慣があるから旅行がてら環境の点検も兼ねて」


「それは素敵ですね」ヴィーナス


「みなさんだけずるいです」アン


「ははは!アンとサラとオリビアは実家に行こうか?事後報告になったけど、挨拶はちゃんとしたいし」


「アリアナの所にもミーティアの所にも行ったからさ」


「私達のお父さんは冒険者だったのですが、怪我で片足が不自由なので、落ち着いたら様子を見に行きたいと思っていましたから、お願いしてもいいですか?」サラ


「わかった、1度行っておけば、手紙のやり取りも簡単になるし、帰ってきたら早速行こうか」


「手紙のやり取りができるの便利だよね、私もお母さんとちょくちょく手紙のやり取りをしてるけど、手紙に梳李が置いて帰った、脱穀する道具を全国から取りに来て、それの対応に追われて大変だって書いてあったよ」ミーティア


「それはあるだろうな、でも良いじゃないか、集落同士が不作の度にいがみ合っていた事を考えたら平和な話だ」


「ほんとだね」


「そんなやり取りを、どうやってしてるんですか?」サラ


「ロドリゲスの国王の部屋にも置いてあるんだけど、俺の城に帰る時に使う転移門の小さい物を置いてるんだよ」


「転移門を置いたらダメなのですか」


「そこは勝手な俺の判断で、あんまり人が自由に行き来できるようになるのは、時期が早いと思っててさ。どんなに身内の為でも手紙だけにしてるんだ。便利になればそれと引き換えに、必要がなくなる物も出てきて、バランスを見ないと失業者が増えたり悪影響も出るから、それに転移門はある事も、まだ特別な人にしか教えてないから」


「確かに悪影響もあれば、家に転移門があったら、誰に狙われるかわかりませんね」アン


「だから転移門もこっそりしか使えないし、こことヘカテー国の行き来だから置けるけど、その手紙のやり取りも特別な事で、あくまで極秘なんだよ」


「手紙の方の転移口の設置個数も、各国に1ヶ所だけと決めて、情報収集の為に使う要素が大きくてさ。ロドリゲスは王城に置いたからアリアナの実家には設置してないんだ」


「それを私達の実家に置いて貰えるのですか?情報が得られるようには思えないですけど」


「ドワーフの国はサラとアンしか繋がりがないし、特別な情報が欲しいわけじゃないから…普段親子でやり取りするような事にも、その国の近況は書かれているものさ。気になった事を教えてくれたらいい」


「私達…幸せです」


「集計がまとまりましたー!」アスコット


「お疲れ様ー」


「合格者は3番ドド、5番ティファニー、8番ボルドー、15番ザビエル、17番ライチ、21番ルシス、27番エマ、33番ガッツ、43番トロン、46番プラムですねドワーフ1名、人1名、獣人1名、エルフ3名、魔人4名です」


「エルフは弓と回復か?」


「そうです」


「バランスよく配置できそうだな、ティファニーは結局入ったんだな」


「公正な集計の結果です…ちっ!」


「アスコットもやきもち妬く事もあるんだな」


「やきもちというか、今の他の奥さんに思う事はなにもないんですけど…この子はあざといと言うか…」


「梳李…私達にはアスコットが言いたい事は、とてもよくわかりますよ」ミーティア


「それならガルーダ、ドドチームに入れてそんな余裕が無くなるまで鍛えて貰えば良いじゃないか」


「どの道、中途半端では続かない。入隊早々、俺に近付くような計算があるのは問題だしな」


「そうですね」


「ガルーダはミイラ取りがミイラにならないように気をつけてな」


「わしはクロエ一筋です!」


「そういうのかっこいいよなあ、俺も憧れてたんだけど…俺には1人に決めるなんて事はできなかったよ」


「大丈夫です!わしには選択肢もありません」


「ははは!ティファニーもそこまで馬鹿じゃありませんよ!」


「どういう意味じゃ!」


「俺達は先に戻って族長と打ち合わせをしてくるよ。他の奥様方は俺の部屋に、城の俺の部屋に繋がる転移門が置いてあるから、仕事と食事が終われば移動して、自由にお風呂とか使ってて良いから」


「はーい!」


ヘカテー王国に戻ってフェアリーとシモンズと打ち合わせをして、海水をビニールハウスのような建物に引き込み、乾燥させて塩にするように手配した。塩の入れ物はビニールのような物に包んでサメハダ商会の倉庫に運ぶ手はずをとった。転移門でヘカテーからサメハダ商会の倉庫まで運ぶのだから、俺達はとても便利で効率も良いが、こんな技術は時期尚早だよなー


毎日夜中に目が覚めると、幸せそうに寝ているみんなの顔を見るのがとても幸せだけど、このままってわけにもいかないんだろうなあ


セブンスターズオーディション結果発表


盾 3番 ドド


剣士 5番 ティファニー 15番 ザビエル


支援系魔法士 8番 ボルドー 21番 ルシス


支援系回復術士 27番 エマ 46番 プラム


攻撃系魔法士 33番 ガッツ 43番 トロン


弓使い 17番 ライチ


以上の10名で決定いたしました。詳しくは冒険者組合にお問い合わせ頂き、隊長に引き継いでください


たくさんのご応募ありがとうございました


貼り紙をしたあと、ガルーダ、アスコットと共に組合長達と打ち合わせをした。平均的に各種族とも選ばれた事に、ひとまず安心していた。その後警報機を各国に配り、使用方法や性能を説明して俺達は北の大雪原へと向かった


北の大雪原は遠く、エンジェルが飛び続けても1日かかるらしく長時間の旅になった。夜になり視界が悪くなったので、フェアリーのプロテクションを張った状態で飛行すると、風も受けなくなりとても良い感じだったが、エンジェルは空気抵抗が大きいらしく、速度を半減させてゆっくり飛ぶようにした


「みんなオーディションの時は、色々手伝ってくれてありがとうな。ヘカテーはいつもの何万倍もかっこよかったよ」


「私も女神だからさあ」


「おやすい御用ですよ。礼など言わなくても、喜んでお手伝いしてるのですよ」ヴィーナス


「それはわかってるけど、親しき仲にも礼儀ありって言ってな。ありがとうって感謝する事はとても大事な事だから、俺は愛してるって言う事よりも大切だと思ってるんだよ」


「言われると嬉しいですけどね」ヴィーナス


「ところで最近私が浮かれていたせいもあって、黒竜王の異変に気がつくのが遅れたんだ。無事でいてくれたら良いのだけど…嫌な予感がするんだ、ゴルゴーンが何か仕掛けて来たのかもしれない」


「あわてなくても、行けばわかるさ」


黒竜王を心配しながら俺達は急いだ。だんだんと吹雪になり地上は氷で覆われていた。最北の黒竜王の住処へ急いだ



第48話に続く


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