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第45話 オーディション第1部


セブンスターズオーディション開幕!


場所や企画等イベントの段取りは全て組合主導で準備してもらっていたが、観客も集め露店まで出て大騒ぎになっていた。公開オーディションになっていて、南側の草原に特設会場が設置され、セブンスターズのオーディションの前座では、演劇や合唱なども演目に準備されていた、娯楽の少ない世界なので、ギルド対抗戦や警備団大会と同様に、いまやセントラルでは、有名なギルドのセブンスターズのオーディションが、興行として成り立つだろうとの判断だったようだ


司会進行はロドリゲス王国副組合長のスミスが務め、各国の冒険者組合関係者は当然の事ながら、各国から来賓が招かれ、本国からの代表者も集っていた


俺たちの審査員席はステージに向かって最前列にあり、オーディション参加冒険者のアピールがよく見えるように設置されていた。セブンスターズはみんな緊張気味で、それ以外のファミリーはお祭り騒ぎに喜んでいた


「アリアナとマールは弓を用意して、エンジェルの魔法を乗せて大空向けて放とうか」


イベントを盛り上げる為、開幕数分前から花火代わりに上空に打ち上げ、爆発音と共に大空に咲く色とりどりの花を持って観客を出迎えた


「本日の司会進行役を進めます、人の国ロドリゲス王国の冒険者組合副組合長をしていますスミスと申します。つたない進行ではありますが、ご参加の皆様よろしくお願いいたします。本日の式次第を紹介します。第1部として初めにエルフの冒険者ギルドシンフォニーによる合唱、続いてドワーフの冒険者ギルドパワーズによる瓦割り、その次に魔人の冒険者ギルドマジシャンズによる幻想空感披露、続いて獣人の冒険者ギルドアニマルより格闘演舞演劇、最後に人族の冒険者ギルドフェローズによる大衆演劇となっています」


「その後、休憩を20分はさんで第2部セブンスターズ審査委員長の開幕の挨拶から、オーディションの開始となります」


「ちなみに先程の大空を彩った、魔法矢の数々はケズリファミリーによる打ち上げ花火でした」


観客がどよめくアンコールが響いた


「おっと!ここでアンコールです。ケズリファミリーの皆様、可能でしょうか?大丈夫そうです。私司会進行役ではありますが、必要なら実況もさせて頂きます。弓を構えますのは昨日梳李様の奥様になられたアリアナ様とセブンスターズの弓使いであるマール君です。矢に魔法を乗せる絶世の美女もまた梳李様の奥様のエンジェル様です!」


「景気良く乱れ打ちしようか!」


「なんと打ち上げ花火に合わせて、これはなんの光魔法でしょうか、同じく梳李様の奥様のフェアリー様とヴィーナス様による光の雨の共演です!これは美しい!本日参加された方々は、金色の大地に大輪の花を咲かせたような、この空を一生の思い出にすると言っても、過言ではないのじゃないでしょうか!」


「さすがのケズリファミリーのおもてなしです!女神のような奥様がどんどん出てくる梳李様は、そういった意味でも全冒険者の憧れではないでしょうか!手元の資料によりますと、ここ数日の間に皆様を奥様として迎えたご様子で、なんと!10人です!10人を1度に妻として迎えたようです!冒険者としての強さも私生活も非常識この上ない!それがケズリ・ヘカテーだ!」


「さらに、手元の資料によればロドリゲス王国では大賢者勲章という王族よりも上の立場として国家の事業に貢献され、先日はエルフの国からも国に大きな影響を残した功績を評価され、フェアリー様、ヴィーナス様、エンジェル様、ミーティア様4人の奥様と共に名誉族長となられたようです!これはやりすぎと言わざるを得ませんが、先程の空に免じてみんなでこの数々の偉業を讃えましょう!」


大歓声に少し恥ずかしそうに手を振った


「大騒ぎだなあ、私はここで挨拶をするのか?」


「女神でも緊張するのか?」


「いや逆だよ。楽しみでわくわくする」


「何をぶっこんでも良いけど、すべっても俺の責任じゃないからな」


「当たり前だよ。今の私は自信作しかもってないよ」


「大きく振りかぶるのは良いけど、どんな結果もあまんじて受け入れような」


「それより先程の女神の慈愛でおおよそわかりましたが、やはり10数名犯罪者が混ざって居ますね。ここで盗難を働こうとしている者もいるかもしれませんがどうしましょう」


「それらは現行犯じゃないとダメか…よしヴィーナス、1部の間に一緒に警備本部に行こう。服装の特徴と場所を教えてマークさせよう。闇ギルドのような犯罪組織の関係も居たか?」


「はいそれも数名、それらは広範囲に配置されていましたね」


「それならそれらを捕まえるのはヘカテーの挨拶の時のデモンストレーションにしよう。合わせて警備本部で配置するように提案するよ」


ヴィーナスを引き連れ警備本部へ行った。前回のギルド対抗戦までは、5カ国が別々に警備体制を敷いていたらしいが、このイベントから共同で警備体制を敷くようになり、本部内も仲良く休憩していた。声をかけるとアレクサンドを先頭に他国の責任者も来たので、状況を説明して定点配置の人員を確保してもらった


俺達はすぐに自分の席に戻ったが、1部の合唱が始まり観客の視線がステージに集中し始めると、面白いように現行犯で検挙していた


「ミーティアはこのギルド知っているのか?」


「何度か店には来てると思うけど、個人的に親しい人はいませんよ。歌は上手だね」


「こういう事が冒険者ギルドでも出来るなら、サメハダ領の演劇場の出演依頼は、クエストとしても出せそうだな」


「本国から常駐するようにしても、来ると思いますよ梳李の依頼なら。それに小さい集落から出たくても出る事をゆるされない若い子達は、集落を出る口実が欲しいから、ちょうどいいかもしれないね」


ドワーフの演目が始まると、アンとサラがそばに来たので2人を膝に抱えて見た。俺の設定年齢よりも年上なのだけど、どうみても小さいんだよな


「ステージの上に同じパーティになった人は居ないのかい?」


「1人だけ居ますね。あのたまごみたいな体型のおじさんは何度かダンジョンに行った事があります。私に盾を教えてくれた師匠的な人ですけど、もしかするとセブンスターズのオーディションにも出てくるかもしれませんよ」サラ


「ドドさんはいい人ですよ。私は大半の人に文句ばかり言われてましたけど、ドドさんは慌てなくていいって、いつも優しく声をかけてくれましたし、ギルドの事は気に入らないって良く言ってましたね」アン


「なるほどなあ」


魔人のギルドの幻想空間というのは、幻惑の魔法らしいが、俺には耐性があってわからなかった、警備が心配になって観客席をみると、警備隊員は対策して着任してるようだった


「アンとサラには何が見えてるの?」


「煙の中で光が幾重にも屈折して、確かに幻想的な不思議な景色をみていますよ。梳李にはみえないの?」アン


「そうなんだよ、残念ながらこの手の魔法には耐性があるらしく、ステージの上に魔人が立ってるだけなんだよ」


獣人の演目が始まるとライリーが俺の膝の上に来た、アンとサラを見ていて自分の番だとおもったらしい、少し離れた所でルイーダが悲しい顔をしていて、その顔を見て奥さんのレイラは爆笑していた


人族になるとまた狙っていたアリアナとオリビア、さらにアスコットまでが椅子取りゲームのように取り合ったから、両隣に座らせて幕間で入れ替わるようにした


「第1部の演目に参加して頂いた冒険者にもう一度拍手をお願いします。ここから20分間の休憩をはさみセブンスターズのオーディションを開始いたします。オーディションの参加者は138名と聞いています。ひとつなら質問も許されていますので、参加者も質問があれば質問の用意と自由なアピールポイントを用意して準備してください。それではのちほどもう一度お会いしましょう。司会はロドリゲス王国のスミスでした!」


大きな拍手が鳴り響いた。少しして第2部が始まった


「只今より第2部セブンスターズオーディションを開催いたします!審査委員長よりご挨拶があります」


ステージにはヴィーナスとエンジェルの2人が立っていた。ヘカテーを探すと女神ヘカテーの姿そのままに純白の翼を広げ、金色の雨を振らせながら観客席の上や役員席、来賓席の上を舞いながらステージに降りたった


「なんと!手元の資料ではフェアリー様は知識の泉と女神ヘカテーの共用マテリアルボディのようです。いまステージに降りたったのは、まさに本物の女神様が具現化した姿のようです。まさに奇跡!まさに女神の奇跡であります!我々が子供の頃から伝え聞き、学んで来た姿そのものです!」


やりすぎじゃないのかな、大丈夫なのかな。女神の思考回路など、俺が計り知れるわけが無いが、インパクトを重きにおいた奇跡の登場を果たした。ヴィーナスとエンジェルはさも当たり前のように立っているけど…まあそれは普通の話か、2人も正体をあかせば、ここにいる参加者全員がぶっ飛ぶだろうしな。ヘカテーの挨拶がはじまる


「私が審査委員長の·····へっかちゃんだよ!」


「おっと!女神自らこれはギャグなのでしょうか!爆笑しているのは梳李様おひとりだけだ!神の奇跡の前に他の参加者は呆然としている!」


間違いなくDVDでみた〇ンタの神様に出てた〇ッカちゃんじゃん…あの太鼓のバチを持ったようにした手に前後に動かした腕…


ツボった俺は笑いが止まらなくなったが、やっぱり大きく振りかぶってすべっていた


だけど俺は100点満点に500点をつけるほど笑い続けた



第46話に続く


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