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第40話 新隊員募集


セペトが抜けた次の次の日ノアが来た。ノアは魔人の国の冒険者組合の代表者だ


「セペト君の件ではご迷惑をお掛けしました。状況を聞いて謝罪に来ました」


「同郷だからってノアさんが謝る事じゃないですよ。パーティに入れたのも辞めさせたのもこちらの判断ですから」


「それはそうなのですが、報告もお願いもありまして」


「うかがいますよ」


「はじめにセペト君ですが、ここを辞めたあと頼られていたパーティに行ったのですが、リーダーはセペト君には興味がなく、セペト君を通じてセブンスターズに入れてもらいたかっただけのようでして、それを聞いたセペト君はセントラルで冒険者を続ける事は諦めまして、本国の冒険者の街に移動しました。それでそんなリーダーを放置してきた組合も責任を感じまして、そのパーティも処分してセントラルからは追放しました」


「うちに気を使ったなら、そんな事はしなくて大丈夫ですよ。人の出入りも仲間の選別も、全て自己責任だと思っていますし、パーティに魔人が居ないからといって、他の4カ国と区別して付き合うつもりもないですよ」


「それはわかっていますが、ここからがお願いでして、魔人の冒険者達はその一部始終をみんな知っていまして、セペト君の抜けた所に入りたいと人が殺到しているのです」


「セペト君が抜ける事になった経緯も理解した上で希望しています。検討していただけませんか」


「ガルーダはどう思う?マールもサラも意見があれば言ったらいいぞ」


「わしは梳李に一任でいいかな。セペトの件で少し反省中だし、今はちゃんと判断できる自信がない」


「殊勝な態度だなあ、気にしても仕方ないし、考え方の違いだけど…あのままセペトがいた所で、ものにならなかったんだと思うよ。それに田舎に引っ込んだなら、無謀なアタックをして大怪我をした訳ではないし、俺は元セブンスターズだって言って、変な冒険者になった訳でもないし、良かったじゃないか」


「そうなのだが、わしも梳李には一生かかっても返せない恩がある。ヴィーナスやエンジェル同様、梳李がつらい顔をするのは見たくないんだ」


「マールとサラは?」


「私はドンと来いです!」サラ


「俺はわからないよー」マール


「ははは!そうか確かにそうだな。だけど誰が入ったとしてもメンバーには相性もあると思うから、有能な人でも一から探索する事になる。それはみんなに負担も迷惑もかけるが頼むな」


「ドンと来いです!」サラ


「俺はなにも気にしないよ」マール


「それは気兼ねなく任せてくれたら引き受ける」ガルーダ


「欲しいのは支援職だよな。俺とエンジェルが前衛、ヴィーナスとフェアリーが後衛の4人パーティと、ガルーダとアスコットが率いるセブンスターズが、互角に戦えるくらいには成長して欲しいと思っているのだが」


「無茶言うなよ。それは1000年かかっても厳しいだろ」ガルーダ


「あのお綺麗な御三方は、そんなに優秀なのですか?梳李様も能力は保証すると確かに言っていましたが」


「強いなんてもんじゃないですよ。その4人対セントラルの全冒険者で戦っても、5分と持たずに負けますよ」ガルーダ


「1度ギルド対抗戦の前座でやらせてもらおうか」


「無理無理無理無理!やるだけ無駄だ」


「なんにしても組合長もわざわざ来てくれてるんだし、どうしたものかね。人選するなら俺達が選んで決めないとダメだよな」


「それに俺達4人は常に行動を共にするから、ダンジョン探索はこれまで通り、ガルーダとアスコットにお願いしたいんだけどそれだと、確かに補充する必要があるもんな」


「確かにセペトが抜けた所は欲しいですね」


「んじゃ、執事もメイドも料理長もルイーダやミーティア達と、家族まで…ケズリファミリー全員総出で、審査員をするオーディションでもするか」


「そこまで全員総出でやるのか?」


「その方が面白いじゃないか、点数制にして俺の持ち点もみんなと一緒にするよ。どの仕事も役割が違うだけで、ファミリーを思う気持ちはみんな同じだからな」


「面白そうだなあ」ヘカテー


「あらあら梳李らしいイベントですね」フェアリー


「ふふふっ!」ヴィーナス


「私は肉をたくさん食べる人を選んでしまうかもしれないよ」エンジェル


「はははっ!面白そうだからって高得点をつけるヘカテーがいたり、とりあえず女の人は省こうとするミーティアやアリアナがいたり、肉を食べるからって高得点をつけるエンジェルがいたり、部屋を綺麗に使ってくれそうだからって高得点をつけるメイドさんが居て、色んな角度で採点すればいいじゃないか。採点するという行為自体は、来てくれる人に対して申し訳ないが…冒険者が人権だなんだと、細かい事を気にしていては、なにもはじまらないだろう」


「ルイーダの娘も審査員か?5歳だぞ」


「もちろんさ、5歳には5歳にしか見えない事もある!」


「誰も反対がなければそうするけどどうだ?そのかわりどんな理由でも決まったら誰も文句は無しだ」


「賛成ー!!!」


「それではノアさん、出張中の者が2人いるし、俺はエルフの国のダンジョンを改造しに出かけるから、みんなが揃う10日後に開催しましょう!場所は草原でもどこでも任せます。選ばれる人もそれだけ平等なら、自分が落ちた時に諦めもつくでしょう」


「わ、わかりました」


「いっそ冒険者組合全部に告知してあと3人募集しようか、それで俺達を抜いたパーティが7人になるじゃん。セブンスターズの誕生だ、もっと言えば、深層のボスを討伐しに行く時の事まで考えて、セブンスターズガルーダとセブンスターズアスコットとふたつにしても良い。休みや私用も色々あるだろうから、柔軟に対応できる人数はいた方が良いからな」


「俺達は対抗戦にも出られないから、つまらなかったんだが、セブンスターズが14人なら対抗戦も狙えるじゃん、お互いが良きライバルとして高めあったり協力しあったりして、全員で一丸となって努力すれば、とても良いギルドになるんじゃないかな」


「あのー、私が決まったポジションでいいのですか?もっと強い盾使いはいくらでも居ると思うのですが」サラ


「良いんだよ。それも時という物がもつ不思議な縁なのだから、それに有能な人を集めて強いギルドを作りたいわけじゃない。相手に条件が整っていれば、他人の為にも一生懸命に泣いたり笑ったりできる、温かいギルドを作って、それが強くなる事が大事なんだよ」


「私が盾使いです!ドンと来いです!」


「本国に出張中にそんなに環境が変化していたら、アスコットが帰って来た時に、ひっくり返りそうだな」


「女神ヘカテーは言っていた、人が産まれ成長して人の営みを全うして朽ちていくように、星自体もまた同じように長い年月をかけてそうなっていくと…ファミリーもそうなんだよ」


「はいはい、わかったわかった」全員


最後は呆れたような声が聞こえたが、俺はナイスなアイデアだと思ったんだけど、まあこのまま進もう


セブンスターズ新隊員募集!盾使い1名、剣士2名、弓使い1名、攻撃系魔法使い2名、支援系魔法使い4名、人選職は参考、計10名10日後オーディション 詳しくは各国の冒険者組合まで



第41話に続く



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