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第38話 冒険者組合


「凄い城だなー!」


初の登城だったので、族長のシモンズが案内してくれた、必要はないのだが守備兵がしっかり警備をして、メイドさん達が維持に努めてくれていた。大賢者勲章の記念品を全員に渡し、ささやかな感謝を伝えた


狩猟隊の活躍もあり様々な素材を、新たに発見したらしく、床も壁もロドリゲス城と比べても、段違いに豪華な作りだ


謁見の間は5000人収容できる広さがあり、貴賓室や晩餐会場も、いつでも世界のトップを呼べる作りになっていた


エンジェルの部屋は野外の中層に、巨大な空中庭園のように作ってあり、本人もとても喜んでいた。最後に国王の間に案内されて中を見ると、6畳はあるような巨大なベットにふかふかの布団が敷いてあり、執務もできる豪華な机や10人がけの応接セットも用意されていた。大浴場もあるのだが、この部屋にも楽に10人は入れるお風呂も完備されていた


「シモンズ、こんなに立派な城を作ってくれたんだね。いつもありがとうな」


「いえ、我らは常にヘカテー様と王の為にあります。礼などもったいなく」


「まあ、そういうなよ。王国の維持管理から、生産物までいつも任せっきりで申し訳ないと思っている。せめて労をねぎらうくらいの事は言わせてくれ」


「ありがたく」


「シモンズには、剣を贈呈する。戦いに使えという意味じゃない、これからもヘカテー王国の守護者としてよろしく頼む」


「は!感謝いたします」


シモンズを帰し俺たち4人は国王の間で落ち着いた


「エンジェルはどうする?自分の部屋で寝るか?」


「みんなとここで寝るよ」


「私は主の隣をキープです。主じゃなかった、梳李の隣をキープです」ヴィーナス


「大きなベットだし問題ないか、というかこんなに大きいと逆に落ち着かんな」


「おおー!これが梳李の温もりかあ」


「ヘカテーさあ、あなた一応神様なんだよね」


「細かい事は良いんだよ」


「みんなおやすみー」


絶世の美女に囲まれて床に就き、立派な城の主になった事を実感すると、地球でみた成功者達は、こんな気持ちだったのかなとふと思い、俗っぽい自分を実感した。自分らしく自由でありたい気持ちと、寄せられる期待には応えたいという気持ちは、必ずしもイコールではないが…ヘカテーがちょくちょく見せる、俗っぽさの理由はわかるような気がした


ヘカテーとフェアリーは寝たらどっちなのかわからないけど、ヴィーナスとエンジェルと3人の寝顔をながめているとサメハダ商会の仲間の事もやけに愛おしく感じた


そして、何をしてあげられる訳でもないから、少しでもみんなの力になれるような人であろうと新たな決意をした


3人を連れて朝食に間に合うようにサメハダ商会に戻った


「梳李おはよう」アリアナ


「おはよう」


「昨日は外泊だったけど、連れてる美女はなに!」アリアナ


「いまから説明するから、あとミーティアも聞き耳を立てないでこっちにおいで」


「私はエルフですから耳はいつもこの形ですよ」ミーティア


「いやそういう意味じゃないから(汗)」


「名前も変えたから順に紹介するね」


「まず面影はあると思うけど、大人に進化したエンジェル!もとのバルだ。名付けと新たな神の恩恵でアルティメットドラゴンに進化した事でこの身体になった」


「そして銀髪の女神のような女性はヴィーナス!もとの雷風だ。同じく進化した」


「もう1人はフェアリー!俺がいつもひとりごとのように相談していた管理者だ。ヘカテーが仲間になりたくて、こうなった」


「え?女神様って事?」ミーティア


「感覚共有はできて、人格的には半分半分らしいよ。用事がある時は入れ替わるらしい」


「オリビアー!食事が終わったら3人の服を一緒に買いに行ってきて欲しい、コーディネートも街で浮かないような感じにお願いします」


「かしこまりました」


「ほんとにみんな、女神や天使や妖精みたいだね」アリアナ


「それで昨日はどこに?」ミーティア


「ああ、ヘカテー王国の城に初めて泊まってみたんだよ」


「4人で?」ミーティア


「どうした?今日は追求するねえ。4人でだし、いつも通りだよ」


「今日は私が隣で寝る」ミーティア


「いいけど、マールが聞いてるぞ」


「大丈夫!母がどれだけ梳李を好きか、よく知ってるから」ミーティア


「そしたら明日は私ね」アリアナ


「わかったアスコットが帰ってきても順番だなんだとめんどくさいし、城にはでっかいお風呂もあるし、ベットも広いからみんなで城に帰るようにしよう。3人は必ず一緒に居るから、ここの寝室は狭いから」


「というかアリアナとは1度ゆっくり話をしたけど、俺は誰とも結婚しないから、進展はないよ」


「それでもいいの!」ミーティア


「です!」アリアナ


「私もそう思います!」オリビア


「なんでメイド長まで」


「多分…梳李様の魔力です。仕事を言われるだけでも、言葉にうっとりしてしまいます」オリビア


「俺は冒険者組合に行ってくるから、ダンジョンチームは安全第一で頼むな。あと買い物が終わって、着替えたらみんな組合に連れてきてください」


「逃げたー!」全員


朝から気まずくて、だんだん返す言葉も無くなったから、とっとと冒険者組合に来た


「おはようございます!僕の事を探してたと聞いて…話でもありました?」


「梳李様おはようございます!大賢者勲章おめでとうございます」


「ウィリアムが大袈裟なだけですよ」


「デイビスのダンジョンブレイクの活躍も、すでに国内はおろか、各国の組合にも伝わってますよ」


「一応頑張りましたけど、そんなに言われると恥ずかしいです」


「それで話なのですが、各国の関係する事でもあるので少しお待ちくださいね。声をかけてきますから」


ホールで待っていたら、色んな種族の冒険者が声をかけてきた


「ダンジョンブレイクの魔物討伐は凄かったらしいですね。話を聞いて感動しました。握手って言うのをしてもらってもいいですか?」


「どうぞ、どうぞ」


みんなならんでるやん(冷汗)


「自分もいいですか?最近ここの酒場でも流行ってるんですよ」


「そうなんだね。なんかありがとう」


「他の種族の冒険者でも、相席して意気投合する事も増えて、別れ際には握手するんですよ」


「いいねえ」


「セブンスターズはいまやセントラルではめちゃ有名ですし、白虎のガルーダさんは強くて優しいし、他の冒険者を見かけると、必ず様子を聞いてくれるんですよ。この前も回復薬を貰っちゃいました」


「どうぞどうぞ、遠慮なく」


「セブンスターズはオーディションとかないのですか?種族を問わないし混合パーティなのに、ほんとにみなさん仲がいいですよね」


「一緒に暮らして、朝から夜までずーっと一緒だからかな(笑)」


「入隊したい時はどうすればいいんですか?」


「今はまだ増やす予定は無いから、増員する時はここに告知しますね」


逃げて来たせいもあり、まだクエストを探してるパーティが、たくさんいる時間でここでも捕まった。ガルーダを初め、みんながセブンスターズの趣旨を理解して、ちゃんと対応してくれてる事が嬉しかった


「梳李様ー!梳李様ー!」


「あと少しだけ待ってくださいね」


ならんでくれた冒険者とは全員と握手を交わした。冒険者同士も種族を超えて、意気投合したり、握手で解散するってのは、良い傾向だな


「すみません!お待たせしました」


「いえ、問題ないですよ。それではみんな集まったので、こちらへどうぞ」


奥の会議室へ通された。会議室には5カ国の組合の代表者が集まっていて、他国の冒険者も含んだセブンスターズのアイテム類の窓口を人族だけでしている事に対する話し合いのようだ


「結論から言うとどうすればいいですか?共通窓口をひとつ作ってもらって、5等分してくれて良いですよ。ロドリゲスはそれに意義はないですよね?」


「はい、はじめましてロドリゲス王国の組合代表をしています、ジャクソンと申します。国王陛下から玉璽が押された、王命が届き、パーティメンバーのランクの事も、他国との折り合いも、全て梳李様の指示に従うように、言われています」


「各国の組合の代表者様は、どうですか?5等分はだめですか?」


「獣人の国のジョセフです。ドロップや魔石の件はそれでよいのですが、出来れば梳李様個人は、世界共通の冒険者となって、SSSランクと位置付けさせて貰えませんか?」


「それは他国も同意見ですか?デイビスの街で起こったような、ダンジョンブレイクが発生した時に助力が欲しい、と言う事なら共通の冒険者にならずとも、いつでも行きますよ」


「ドワーフの国のアレキサンダーです。頼んで良いと言われても何かしらの関係がないと頼みづらいのと、梳李様はセントラルの全冒険者の憧れでもあります。国の為というよりも、我が国の冒険者の為にもお願いしたいのです」


「魔人の国もエルフの国も同じ意見という事でよいのですか?」


「はじめましてエルフの国の代表のジェイコブです。もちろん同じ意見です」


「ご挨拶が遅れました。魔人の国の代表のノアです。同じです」


「そういう事なら喜んで引き受けますが、間もなく来ると思いますが、常に3人の従者を連れておりまして、戦闘力や人格は私が責任を持ちますので、その者達もSランクとして各国で登録させて貰えますか?移動も戦闘もその者達がいなければスピードに欠けます。怪我人が居る場合の手当もその者がいた方が心強いですよ」


「あ!ちょうどお見えになったようですね」


「それなら呼んでください」


どうやら他の国でも、デイビスの街のような大規模な物ではないが、ダンジョンの魔物が少しあれているらしく、条件をのんでもらって俺はSSSランク、他の3人はSランクとして共通の冒険者になった。デイビスの教訓で大型の魔物が万が一街に来ると、数分で壊滅するような状況を話して、入口の改造を大至急お願いした。エルフの国だけは大木が入口になっているらしく、見に来て欲しいと相談があったので、ついでにミーティアの家に行くのも良いと思い快諾した。街にはジェイコブも行くので、1週間後という事で決まった


SSSランクの初の誕生と3人の従者の噂は、瞬く間にセントラルを駆け巡った。エンジェルの為にステーキを食べに来たが、フェアリーとヘカテーは大喜びして、ヴィーナスはまだ野菜しか食べられなかった


まあ…そらそうだよな



第39話に続く


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