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第24話 新メンバーと少女救出


「おはよう!」


朝ごはんの食卓についた。料理人のおかげで、一人一人の好みに合わせて、料理内容と量が、とても上手に整っている。ちょっとした事がプロの存在感を見せていた


「梳李おはよう!」


「あれ?ガブリエルは?」


「兄上は、朝から倉庫の温度管理を、どうするのが一番良いか研究中です」


「肉は冷凍したまま商店に運んだ方が良いとか…農産物は品物によっては常温で、温度設定が高めの冷蔵が良い物もあるとか…色々と研究しながら鮮度を保つ事に一生懸命です」


「お前達兄妹は生真面目なんだよな。疲れないか?ダンジョン探索も、休みはちゃんと取るんだぞ」


「ついついムキになってしまって」


「マールはまだ疲れるって事は無いだろうけど…苦手な勉強もしてるんだし、息抜きは大事だぞ」


「わかりました。曜日を決めて休みの日を作ります」


「頼んだぞ。あとな、アスコットは獣人族の知り合いは居ないのか?ミーティアの店は、弓矢専門店にする事になったから、店舗部分を専門家に頼んで、高級な作りにしたいんだよ」


「居ますよ。仲が良いわけでは無いですが、獣人族の警備隊にひとり…警備団大会で勝ったり負けたりしたライバルが…確か弟か?お兄さんが建設会社を経営していたと思います」


「それなら今日はダンジョン探索を休みにして、打ち合わせの段取りを付けてくれないか?」


「では、朝食が終わったら、早速会いに行ってきます」


その頃、街では俺とバルの事が噂されるようになっていた。とても目立つ、大きなユニコーンに乗り、あっという間に、Bランクに昇格した2人の冒険者の話だ。Aランクからは実力も必要だが、積み上げた実績により、組合が認定するシステムなので、あまりの速さで昇格した事が尾ひれはひれを付け、実力はSランク以上だと言う噂になっていた


そんな噂を聞きつけたある冒険者が、セブンスターズの場所を聞いてやって来た


「おはようございます!おはようございます!」


「はーい!どちら様でしょうか?」


メイドが対応している。初めて聞いたが元気があって、なかなか良い感じだ


「あの…私は冒険者のセペトと申します。こちらの冒険者様に1度助けて頂いた事があって」


「少しお待ちください」


来客者を見てみると、確かにジャイアントオーガから助けた魔人の冒険者君だった


「商会の会議室に通していいぞー!そちらに行く」


「オーナーがお会いになるそうですので、こちらへどうぞ」


冒険者君は自分で尋ねて来たのに、とても緊張しているようだ、手と足が同じになって歩いている。魔人族の歩き方という訳ではないと思うけど


「久しぶりだな、あれからどうだった?」


「私はセペトと申します。あの時は助けて頂きありがとうごさいました」


「名前がまだだったな、俺は梳李だ。今日はわざわざどうしたんだ」


「僕…わ、私をセブンスターズに入れて欲しいのです」


「そんなに緊張しなくていいぞ、言葉使いも冒険者らしくしていいし…理由は?」


「あの時、強さを目の当たりにして、すっかり憧れをもってしまいました」


「パーティはどうしたんだ?」


「梳李様も知っての通り、見捨てられて囮にされた者達を、仲間とは思えなくなりました」


「それはそうだろうけど…良いのか?セブンスターズには12歳のエルフも居るし、種族間の偏見や差別は持ち込めないぞ。偉そうにする事も許さない」


「はい!それは冒険者組合の方からもお聞きしました。それも梳李様を尊敬している、ひとつの理由なのです」


「わかった…訓練は厳しいぞ。セブンスターズは最終的に7人で構成する。7人揃えばセントラルで一番強いギルドにするつもりだ。一角を担うだけの根性と強さはあるのか?」


「誰にでも優しく、強い魔人になります」


「わかった、何歳だ?」


「17歳です」


「ちょうどいいな」


「入れて貰えるのですか?」


「いいだろう、その代わり俺が無理と判断したら、クビもあるぞ。そうならないように頑張るんだぞ」


「はい!くらいついて行きます!」


「梳李!梳李!」


「どうした?アスコット慌てて。あ、この子はセペト、魔人の冒険者だがセブンスターズの一員になった」


「セペト君!よろしくね!それより梳李!大変なのよ。獣人の警備隊に会いに行ったら、建設会社をやってる、弟さんの子供が行方不明らしいのよ」


「裏はないのか?」


「警備隊のガルーダの話では、ミーティアさんの様に弟の会社は、人族の消費者金融から多額の借金をしていたらしいのよ。だけど獣人族は戦闘能力が高いから、大きな金利を払うつもりは無いとつっぱねた事で、少し前からかなり揉めていたそうなのよ…もしかすると、人質に取られたかもしれないって」


「あと、ついでに総帥も帰って来てて会いたいって」


「どっちもは無理だな…いや、無理じゃないか…セペトはアスコットについて行け。アスコット、最後に子供を見た場所を知っている母親なり父親なりを呼んで来い。俺は総帥の所で待つ」


「わかりました!では後ほど」


「アスコットさん、よろしくお願いします」


騎士団詰所


「こんにちは!ロドリゲス総帥はいらっしゃいますか?梳李と申しますが」


「どうぞ!こちらへ、お通しするように言われております」


「梳李殿!久しぶりですな、良い報告を持ち帰って来ましたぞ!」


「それは後で聞くよ。それより人族の消費者金融会社が、色々とろくでもない事をしてるようなんだよ。一緒に動いて貰えないか?」


「わかった!何人連れていく?」


「とりあえず逮捕は落ち着いた後で良いから…それに戦闘は、俺に任せてくれて良いから、証人として総帥と、あと1人連絡係が居ればいいよ」


「わかった!準備する」


しばらくすると、アスコットが合流した。居なくなった子供の母親と建設会社の父親、警備隊のガルーダも居る


「梳李殿!行けるぞ!」


「最後に一緒に居たのはお母さんですか?その場所へ案内してください」


屋台の市場が並ぶ通りの一角だった


「ほんの少しだけ目を離した隙に…」


「落ち着いてください。責任を追及する為にここに来たのでは有りません!私の持つスキルを使って追いかけます。具体的な身長や体重とその時の服装と、なるべくたくさんの情報をください!」


興奮して息は荒くなって居たが…具体的な特徴を話し始めた。子供はまだ5歳の女の子で髪の長さから履いていた靴の色まで教わった


「多分…この子だな。足取りを追います」


ひたすら路地裏を繋ぐ様に進んでいる、肩に担がれているようだ、暴れている形跡はない


レストラン通りの奥深く、魔人の夜の店が並ぶ所に1件のBARがあった


「ここだな。とりあえず入って見るか…他の皆さんはどうする?危険かもしれない。冷静に判断して欲しい」


「梳李殿の作戦で行きましょう」


「それなら、アスコットとセペトとお母さんとお父さんの4人は、2階から逃げられた時の為に外で待機。もし飛び降りて逃げる賊がいたら、アスコットが始末しろ。連絡係は応援を呼びに行ってください、俺と総帥とガルーダさんで踏み込みましょう」


入店すると柄の悪そうなのが数人テーブルで酒を飲んでいる。連れ去られた子供は2階にいるようだ


「おいおい…なんだ?お前達は?」


「おい!バーテン!この店は客が来ると他の客が喧嘩を売ってくるのか?相手して良いなら相手をするぞ」


「お兄さん、随分と自信があるようだが…俺たちにハッタリは聞かないぞ。大層な鎧を来たおじさん達も覚悟した方がいいかもなぁ」


総帥とガルーダさんに耳打ちした、俺がこのチンピラを、蹴り飛ばすのを合図に、俺は2階に救出に行くから、下の雑魚は2人で頼むと


「あ!どうすんだ!あんちゃん!」


「雑魚は大人しく、引っ込んでろ!」


壁をぶち抜く程に蹴り飛ばした。2階のホールに飛び移り、渡り廊下を視界にいれる。見張り役は3人…気がついた見張りがナイフを投げて来た。飛んで来るナイフを指で止め、太ももに投げ返す。1人目…残り2人、殴りかかって来た賊の拳を握り1階目掛けて投げ飛ばす。2人目…最後に短剣を振る賊の腕を捕まえ脇に挟んで折った


「子供は返して貰うぞ!」


鍵のかかったドアを蹴破ると、腕を縛られ猿ぐつわをはめられた、小さな女の子が目の前で震えていた。廊下で伸びている2人を1階に落とした時には下も片づいていた


「お嬢さん!怖かったね…もう大丈夫だからね」


助けに来た安堵感で俺にしがみついて号泣した。抱っこして部屋を後にした


「応援部隊も着く頃かな、とりあえずこの子は両親に渡してくるよ」


「この子で間違いないですね?」


「ライリー!無事だったのね!ごめんね!ごめんね!」


顔から血の気が無くなっていた両親は、安堵の笑みを浮かべ、再会に涙していた


「総帥!うちの社員もこいつらに、だいぶいじめられたようなんですよ。これを気に掃除しちゃって下さい!」


「わかった!任せてくだされ梳李殿!」


「ガルーダさんもお疲れ様でした」


「挨拶が遅くなりましたが、お初にお目にかかります、梳李殿!この度はありがとうございました」


「私はガルーダの弟でルイーダともうします。本当にありがとうございました」


「総帥は話があるし、ルイーダさんには頼みたい仕事があるし…俺は本拠地に居るようにするから、落ち着いたら2人とも来てくださいね」


何にしても子供が無事で良かった。ロドリゲス総帥の事だから、金融会社の悪事もここまでだろう


「アスコット!セペト!帰るぞー」



第25話に続く


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