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第134話 帰還


「ただいまー!行く時がハデスの案内だったから時間がかかってしまってさ、遅くなってごめんね」


「おかえりなさい!」一同


「先に2人を紹介しておくよ、女神カリブディスのカリブだ、ついさっきまで深海の覇者として君臨していたのだが、役割を解除して連れてきた、ヘッカ達と同じように妻として迎えてくれ、あともう1人はリュウグウノツカイのリュウだ、元々性別はないらしいのだけど、俺の従者になるならと女の子になった、ポセイドンの神殿でトライデントを守っていた時にアンデッドとなっていたのだが、たまたまカリブの深海でカリブの従者として再び生を受けていた、やっぱりエンジェルやヴィーナスと同じ括りで妻にするから仲良く頼む」


「だけど準備万端だな、最近フェアリーは前にもまして、瞬時に俺の思考を読めるようになったみたいだね」


「それだけ絆が深くなったのですよ」フェアリー


「私はアスコット!カリブは牛肉がそんなに好きなの?牛を盗んだってきいて笑っちゃった」アスコット


「私はエンジェル!白竜よ!どっちがたくさん食べるか勝負しましょう」エンジェル


アスコットとエンジェルが仲良くなった時もそうだったけど、肉好きに言葉は必要ないのだろうか


「ヴィーナスといいます、ユニコーンなのですよ、リュウさんに質問しても良いですか?」ヴィーナス


「リュウです、よろしくお願いします、なんでしょうか?」リュウ


「リュウは梳李を乗せましたか?」ヴィーナス


「はい、深海を案内するのに乗って頂きましたよ」リュウ


「どうでしたか?」ヴィーナス


「梳李は温かく、ずーっと泳ぎ続けていたかったです」リュウ


「ふふふっ!それなら我らは同じですね、陸と空は私が乗せますね」ヴィーナス


「水の中は任せてください」リュウ


すっかりリュウとヴィーナスも打ち解けていた、なんとなく共通の仲間という意識でも芽生えたようだ


「そういえば仕事風景は見れるのか?」


「用意してありますよ、早速見ますか?」フェアリー


「見よう!見よう!」


「みんな凄いな本職顔負けじゃないか!人気も凄いな」


「恥ずかしいから黙って見てよー!」ミーティア


「だけどこうして見ると、みんな可愛いし綺麗だ、この集団がみんな俺の奥さんなんだから、なんて贅沢なのかと実感しちゃうな」


「そういいながらまた2人も連れてきたじゃん」アリアナ


「ん?嫌だったか?」


「全然」アリアナ


「いまさら何人増えようと気にする事でもありませんよ」オリビア


「増やすつもりはないのだけど成り行きでさ、それに女神とか神の使いとは不自由でさ、従者にする方が自由を与えてあげられるからさ」


「そんな事は理解していますよ、今回はフェアリーから報告を受けて事前に奥様会議も開きました」アン


「みんな順番が回ってくるのが少し遅くなるからそれが寂しいだけです」サラ


「それなら一日を分割してもいいし、今は夜だけなのを、朝から晩まで割り振ってもいいぞ、しばらくのんびりしようと思っているから」


「ほんと!そんなに長い時間のんびりできるの?」ヘッカ


「それが許されるのかどうかはわからないけど…そのつもりだよ」


「確かにまた何が起こるかわかりませんね、ふふふっ」フェアリー


「世界もひとつになった、情勢も安定している、貧困層も姿を消して、教育も行き届くようになった、俺ものんびりしてもいいと思うんだけど」


「梳李がのんびりできる事が一番平和という事ですね」ファニー


「ズーダンだけを見ても、私が嫁入りする前に比べて、驚く程に発展しています」レオット


「少しでも梳李がのんびりしながら私達を横に置いてくれるなら、そんなに幸せな時間はありませんね」ピーシス


「みんなに気を使っている訳じゃなくて、俺が少しでも長く一緒にいたいのだけどな」


「ふふっ、素敵な言葉ですね」デメテル


「毎日宴会でもいいけどな」


「それは名案じゃな」ガイヤ


「この桜の広場みたいな場所を他にも作ろうか、スピリットのオアシスにある湖もヘカテーの海岸もいいけどな、ギガースの近くの峡谷もいいし、作るというよりも大自然を宴会場にするか」


「ほっほっほっ!わしはどこでもお伴するぞ」ゼウス


「じゃが改めて礼を言う、此度のカリブディスの件は本当にありがとう」ゼウス


「まあその…なんだ…神様というのは秩序の中で生きているのだから仕方ないのかもしれないけど、愛する娘が牛を盗んだくらいの事で怪物にするのはどうかと思うぞ、ゴルゴだってこんなに美しい女神なのにあんな化け物にされては、黒い心になるだろうよ」


「俺が父親なら娘が牛を一頭盗んだら、百頭もって行って頭を下げて、今度盗みに行く時は父さんも誘ってねって言うだろうな」


「ここに居るみんなも同じさ、完璧な者など居ない、だからこそ他人にクレームを言われても、俺はそれがなに?としか答えないさ」


「なるほど…そうやって私達は守られていたのですね、私に対しても凄いのですよ、フォレストから定期的に様子を伺いに来て、ミーティア様!ミーティア様って、梳李のそういう態度をどの国も悟っているのですね」ミーティア


「それで納得が行きました、私に対しても最近父上がとても気を使って様子を聞いてくるのですよ、そういう理由でしたか」レオット


ある日の奥様会議


「みんなに問いたい事がある」ガイヤ


「もうその話をするのですか」ヘッカ


「今しかないじゃろ、梳李は実質引退した、この星に多くの功績を残した、やつが言うようにこれ以上の事をしては、返って毒となるだろう、引き際も良く理解しておるよ」ガイヤ


「梳李は神となれる資質を持っているが、それを望んでいない、長い寿命の中でここに居るみんなを見送り、そして自分も時が来たらその生命に終わりを告げる事を望んでいる、それを受けてお前達はどうする、梳李を支えてきた功績がある、全員を女神にする事もできる、わしとゼウスをはじめ神界の全てのアルカーヌムを集結して、お主達全員に今の姿のまま永遠の時を与えようじゃないか」ガイヤ


「みんな私と共に梳李が愛したこの星を、永遠に守護する為に女神になってくれないかな」ヘッカ


「それで少しでも長い間、梳李と共に居られるのなら、その提案を受け入れます」ミーティア


「私達も覚悟を決めます」一同


「ならばそうしよう」ガイヤ


500年後


梳李はここで引退したが、何代もの国王を見送り、生命ある限りこの星に尽くした、文明は数千年分の進化をとげ、街には高層ビルが立ち並び、地下鉄が走り飛行機が飛び、車が街の中を走っている、梳李が地球から持ち込んだ知識は世の中に浸透し、自由で平等な社会が続いていた





第135話に続く


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