第132話 再会リュウグウノツカイ
「この海の深海に生息しています」ハデス
「んじゃ暴れて巻き込まれても大変だから、ガイヤとゼウスとハデスもポセもここで待っていてくれよ、ちょっと行ってくるよ、心配しなくてもなるべく優しく対応するからさ」
「すまんな我らの尻拭いまで度々させてしまって」ガイヤ
「遠慮するなよ!俺にできる事なら喜んで手伝うさ、力及ばない時は申し訳ないけど、無理な事は出来ないけどな」
「さすがに梳李でも危険じゃぞ」ゼウス
「大丈夫だよ、なるようになるさ」
「どうかご武運を!」ポセ、ハデス
とりあえず深海に向かって進み出した、しばらく行くと懐かしい者に出会った
「梳李ではありませんか!」リュウグウノツカイ
「おお!リュウグウノツカイか、アンデッドになっていたのに再び生を受けたのか?」
「そうです、あの時はトライデントを守護する為にアンデッドにまでなって使命を果たしていましたが、あの後しばらくして再び生を受け、いまはこの地の深海の女神の従者として、暮らしています」リュウグウノツカイ
「深海の女神ってもしかしてカリブディスか?」
「よくご存知ですね」リュウグウノツカイ
「そのカリブディスに用があって来たんだよ、なるべく穏便に話し合いをしたいのだが、リュウグウノツカイなら上手く繋げるか?」
「われはあの時に手の平から伝わった梳李の温もりを一時も忘れた事はありません、カリブディス様は気性も荒くひと筋縄でいく方ではありませんが、梳李の願いとあらばわれもなんとか努力してみましょう」リュウグウノツカイ
「リュウグウノツカイが怒られて危険な目にあったりはしないよな?」
「気性は荒いですがそこまで馬鹿な女神ではありません、従者筆頭の我を粗末に扱えば、眷族達の忠誠を失います、心配しなくても話は聞いてもらえますよ」リュウグウノツカイ
「それならいいけど無理しないでね」
「相変わらずお優しいのですね、自分の用件よりも我を心配してくださるのですか」リュウグウノツカイ
「そらそうだよ、幸せに暮らしている友達が、俺のせいで窮地に立たされたら、俺自身が後悔するよ」
「それよりもリュウグウノツカイの元気な姿を見れただけでもここに来た甲斐もあるよ」
「嬉しい事をいってくれる」リュウグウノツカイ
「カリブディスとの交渉がどうなるかわからないから、少し気の早い話だけど、上手く話し合いがまとまれば、俺の住んでいる星にカリブディスを女神の姿に戻してから連れて帰ろうと思っているんだよ、そうなるとリュウグウノツカイは主を失うだろ?あまりいい思い出はないかもしれないけど、あの海に一緒に行くか?こんどは自由にのびのびと暮らせばいい」
「それはとても魅力的なお話ですが、我がなんの使命も持たずに生存して、存在価値があるのでしょうか」リュウグウノツカイ
「リュウグウノツカイがのんびり穏やかに暮らしてくれたら俺が嬉しいって理由じゃだめなのか?誰かに使えていなければ生きていけないなら、ガイヤやゼウスに頼んで人の形を取れるようにしてもらって、俺達と暮らしても良いけど」
「ガイヤとゼウスって…カリブディス様の父上と母上もご存知なのですか?」リュウグウノツカイ
「ご存知というか、あいつらに頼まれたんだよ、それにこの星のコレーという女神に惚れているハデスというのが、カリブディスを排除したいらしくてな、真の冥界の王となる為にコレーを嫁にして冥界の女王ペルセポネにするらしいんだよ」
「ポセイドン様は今はどうなされているのですか?」リュウグウノツカイ
「あのあとトライデントを獲たポセイドンと戦ったのだけど、俺もリュウグウノツカイからもらった称号とスキルがあったから勝ったんだよ、そのあとあまりに乱暴者だから俺の元で従者として、振る舞いや考え方を学べと、ゼウスからポセに命令が下ってな、いまは俺の元でパーティの一員として活躍している、あの海の海岸沿いには海人族の街もできて、その街もポセが不器用ながらしっかり治めているよ」
「ここには一緒に来ているのですか?」リュウグウノツカイ
「上に待たせているけど、ポセだけじゃなくて、ガイヤもゼウスもハデスも来ているよ」
「状況は理解しました、それでは私にお乗り下さい、現在の主の元へお連れします、未来の主様!」リュウグウノツカイ
「梳李でいいぞ!主君とか主様と呼ばれるのは苦手なんだよ」
「梳李らしい…ふふふっ!それでは参りますよ」リュウグウノツカイ
「なあ…リュウグウノツカイはオスだよな?」
「リュウグウノツカイには性別はありません、ですから梳李の従者となってお傍にお使えするなら、当然メスとして使えます」リュウグウノツカイ
「そ、そうか…」
「はい♡」リュウグウノツカイ
「間もなく到着しますよ!なにもないと思いますが、念のため警戒だけしてください」リュウグウノツカイ
「あらいい男ね!」カリブディス
「それにあなたからは父上や母上の匂いがするわ」カリブディス
「こんにちは!カリブディスさん!梳李といいます!」
「こんな醜い怪物になった女神に会いに来るなんて何の用かしら?」カリブディス
「牛を盗んで食った事は反省したかい?」
「あんなに父上が怒ると思って無かったもの、こんな姿にされてはそれほどいけないことだったと思うしかないわ」カリブディス
「はははっ!確かに牛を食ったくらいの事でとは思うよな、それは俺もカリブディスの方を支持するよ」
「あなたは私が怖くわないの?」カリブディス
「ん?怖くないぞ、元々は少しぽっちゃりとした女神だったんだろ?」
「食べる事が楽しくてどんどん食べてたから、そらぶくぶく太ったわよ」カリブディス
「はははっ!可愛いじゃないか」
「あら可愛いなんて♡」カリブディス
「ところでさ、俺はガイヤとゼウスに頼まれてここに来た、あとコレーの為にこの深海の覇権をハデスが返して欲しいらしいんだよ、実は俺は絶対神の神託というスキルを所持していて、そのアルカーヌムのようなスキルを発動すれば、カリブディスが逆らう事のできない命令を告げる事も出来るのかもしれない」
「だけどな…クロノスがティターン軍を引き連れて攻めて来た時も行使しなかったんだけど、神界の真理なんていう堅苦しい理の中で不自由に生きて来た者には、なるべく選択の自由をあげたいと思っているんだよ」
「ここを明け渡してくれるならゼウスに言って元の女神の姿に戻してやるし、一緒に来るなら食べ物に不自由させる事もない、女神として下界で暮らしながら、ガイヤやゼウス、デメテルやヘスティア、あとヘカテーとゴルゴーンもアンピトリテもヘラも一緒に暮らせるぞ」
「それはとても魅力的なお話です、梳李様の誠意もしっかり受け止めました、その上で申し上げます、私もこの姿になり長年この深海の覇者として君臨してきました、この地を返上するにしても、統べる者としては私と戦ってもらい、倒す事ができたなら私の生命をあなたに捧げましょう」カリブディス
「梳李!どうされますか?カリブディス様は強いですよ。それに大したお役に立てず申し訳ありませんでした」リュウグウノツカイ
「心配ないよ、こうなるだろうとは思っていたし、事前に話が出来ただけでもリュウグウノツカイの大手柄だよ」
「カリブディスさん!ちなみに言っておくけど俺はポセイドンよりもゼウスよりも強いぞ、それでも良いんだな」
「それはますます戦って欲しくなりました、私の主となる方がどれほどの物か知るには良い機会です」カリブディス
まったく神々は不便にできてやがる、人間なら元の姿に戻れるならと、あっさり交渉成立するのだろうけど、神は何をするにも理由が必要ならしい
「本気で行きますよ!」カリブディス
いっちょもんでやるか!って勝てるんかな
第133話に続く




