第123話 神々
ひとまずヘカテー王国の整備は終わったが評判が気になった
「ヘッカ!上下水道について国民の評判はどうだ?」
「評判はもちろん気にするまでもなく喜んでいるけど、なによりも衛生的だね」ヘッカ
「これを世界に施工するとなると、俺はどれくらい寝なきゃいけないのかな?」
「各国の王都辺りからのんびりやればいいんじゃないの?」ヘッカ
「それに全土に施工しなくても、テストパターンを見せてあげたら、あとは各国がどこまで充実させるかは、国によって考えも違うだろうし」ヘッカ
「それもそうだな、全土にボランティアするのは甘やかしすぎか」
「久しぶりにみんなを招待して、まずはここの設備を見せようか」
「そうだね、それにどの国の王都も人が多く住み建物も多いから、私やガイヤの力を必要とするだろうけど、他の都市はそこまで発展している訳ではないから、自分達でも工事ができるだろうし、公共事業として業者を使う方が、国の為にも良いのじゃないかな」ヘッカ
「確かにそれもそうだね、雇用対策にもなるだろうしな」
「あの程度はいつでも手伝うぞ」ガイヤ
「おはようガイヤ!神殿と城の自室の住み心地はどうだ?」
「とても良い、出されるお茶や菓子、飯も酒も全てが美味い、それに就寝という習慣もとても気に入っている、幸せという感情を数万年の時を経て、はじめてあじわっているよ」ガイヤ
「神様も大変だな」
「真理に拘束される事が、こんなにつまらない物だとわからなかったからな」ガイヤ
「これから楽しめばいいじゃないか、どの道ガイヤ達は永遠の時を生きるのだから」
「そう思うとヘカテーじゃないが、お前には寿命がある事が今から悲しいと思えてしまうんじゃよ」ガイヤ
「そうか…神様の500年は一瞬か」
「すぐに考えても仕方の無い事だと思えるようになりますよ」ヘッカ
「梳李を神にして永遠の時を与える事はできないのですか?」フェアリー
「それは我らにもわからん!前例がない」ガイヤ
「ただ梳李は神よりも神の領域に生存している気はするのだがな」ガイヤ
「ばば様もそう思われますか?わしも梳李と行動を共にしているといつも思うのですよ、それに我らの思考をもってしても、梳李はその上を行くだけの愛情や平等なバランス感覚を持っているので、どうしても従ってしまうのですよ」ゼウス
「そうじゃな役割に縛られて、おのが立場を全うしようと必死な我らと比較するのも違うのかもしれんが、梳李はとにかく無欲だ、なんともそれが心地良い」ガイヤ
「梳李様!おはようございます」デメテル
「おはよう!」ヘスティア
「おはようございます!」ハデス
「みんなお揃いだな、俺に気を使う必要はないから常識豊かにのんびりしてくれ」
「クロノスより助け出された恩義は返さなくては神の名がすたります」ハデス
「助けたのはゼウスだし、俺に恩を感じる必要はないよ、気が向いたらヘッカとのんびり話でもして、この星の民の為になるような事をしてあげてくれたら、それで俺は満足だからさ」
「それではデメテルは豊穣の女神として穀物や農作物を、ヘスティアは炉の女神として篝火による温もりを、ハデスは地下の冥界の王として、地下の採掘資源の管理を役割としましょう」ゼウス
「それが元々の仕事ならそれで構わないけど、別にのんびりしてたら良いからな、与えられた恩恵には当たり前に感謝するけど、理の中に暮らさなくても、俺は気にもしないし、それよりも眺めの良い所でみんなで美味い酒でも呑むほうが良いじゃないか」
「ばば様が絶賛するわけですね、では梳李様…こう言ってはなんですが、退屈な時だけ穀物や農作物といった大地の恵に力を行使しておきますね」デメテル
「はははっ!それでいい!」
「それではわしからもひとつだけ、この星は武器精製の為のミスリルやアダマンタイトといった珍しい鉱石は採掘されていますが、ダイヤモンドやルビー、サファイアというような宝石類は採掘されていません、特にこのヘカテーの東のダンジョンの最深部のさらに地下には、ダイヤモンドの鉱脈がありますよ」ハデス
「それを採掘するのは良いかもしれないけど、世に出すと採掘権を巡って争いが起きそうだな、世界中にはないのか?」
「あとは北の大雪原の中央付近に大きな鉱脈がありますね、点在はしますが他の所はすぐに取り尽くす程度でしょう」ハデス
「大雪原の真ん中ならそこを世界の共有の鉱脈として解放しようか、好景気のおかげで個人資産は余り気味だしな、貧困層を一気に富裕層に格上げする為にダイヤモンドには一役買ってもらおうか」
「ヘスティアの篝火で鉱脈を掘る時に温もりを与える事はできるの?」
「もちろん可能ですよ」ヘスティア
「お願いしたら嫌な顔しない?」
「梳李の願い事なら喜んでアルカーヌムを行使しますよ、いいよねヘカテー!」ヘスティア
「まったく梳李はどこまで魅力があるの、ヘスティアは唯一他者との交わりを免除された処女女神なのに、そんなヘスティアまでが梳李を求めるとは」ヘッカ
「恥ずかしい事をいわないでよ」ヘスティア
「いいじゃありませんか、楽しく暮らすという事を知ったのですから」デメテル
「ほんとにそうだよね、私は孤独な暗い闇から梳李に助け出されて、好きにならない方が不自然です」ゴルゴ
「ヘカテーも大変じゃな」ガイヤ
「梳李にとっては私達のような神も、アスコット達のような人も、フェアリー達のような特別な存在も全員平等だから仕方がない事と諦めていますし、そこがまた良い所なんです」ヘッカ
「だけどヘッカ!ばば様が履いているような可愛い下着を我らも欲しいのですよ」デメテル
「デメテル!ヘスティア!私が案内しましょう!」ゴルゴ
「はははっ!またかよ!」
「まあ女子のたしなみじゃな」ガイヤ
「サメハダ商会の大ヒット商品だから、毎度ご贔屓にして頂きありがとうございます、と言うところだけどな」
「はははっ!面白いのー!」ガイヤ
「梳李に恋の手解きをお願いしたいのですが」ハデス
「ん?なんの為に?」
「少し未来の話なのですが、ペルセポネという女神に恋をするのですよ」ハデス
「その時にモテる梳李から是非真髄を賜りたく」ハデス
「相談には乗るけど、そんな奥義のような物はないからね」
なんにしても神々も楽しく暮らしているようだ、それはとても光栄な事だし、神々の恩恵なのか、星を温かい空気が包み人々がより穏やかに暮らしているような気がする
第124話に続く




