第118話 新たな国民
「梳李♡よく眠れたか?」ガイヤ
「なにかしたか?」
「野暮な事を聞くでない」ガイヤ
「梳李様♡」ゴルゴ
「ヘッカが許可したのか?」
「もういいかなと思って、クロノスまで追い返した日には私達も梳李の正式な従者のようなものだから、それにそうしなければ危険なくらい梳李の魔力も体力も枯渇していたのよ」ヘッカ
「ヘッカがいいならいいけどさ、クロノスはこの世界の貴族のようだったな、やつはやつなりに使命を果たそうと必死なんだよ」
「俺からしたらとてもくだらないけどな、時に王や政治家というのは勘違いをして、自分で国を動かしているような気になって、任期中に何をしたかを残したがるものだ、それが民の為になるのなら良い事もあるのだろうけど、歴史に名を刻むなど小さい事だよ。俺はそんな事よりも、美味い酒を飲んで美味しいねってみんなで笑いあったり、大好きな人が一日でも長生きして欲しいと願う事の方が重要なんだよ」
「わしもそう思えるようになりました」ゼウス
「なんだ!ゼウスまでそんなに丁寧に話すのか?」
「梳李は神よりも神ですからな」ゼウス
「なんじゃそら」
「そんな事より今日は何を食べて飲もうか」
「ふふふっ♡私達は梳李を食べたいです」フェアリー
「フェアリーは最近直球だね」
「そういえばハデスもデメテルもヘスティアも梳李に会いたがっているぞ」ゼウス
「拒否はしないけど適当にやっといてくれよ」
「適当か」ガイヤ
「それ以上の答えがないよな」
「普通は神様と聞けば崇めるものなのじゃが、梳李は良いな…何も求めて来ぬ」ガイヤ
「欲しいものは自分の手で掴み取るものだと育てられたからな」
「子供の頃さ、貧乏な家の俺は小遣いがないから母の日にプレゼントをあげられなかったんだよ、学校ではみんなが何をあげるのか話しをしてたんだけど、どうしても母の日のプレゼントがあげたくて、母さんにバイトをさせてくれって頼んだら、家の隅々まで掃除させられて洗濯をしてやっと100円もらったんだよ」
「母さんの喜ぶ顔が見たくて100円で花を1本買いたかったんだけど、100円では買えなくてさ、半べそかきながら眺めていたら店の人が少しだけしおれてしまっているけど、その花で良かったら100円にしてあげるって言ってくれて、その花を持って母さんに渡したらさ、喜ぶどころか泣いていたよ」
「その時に思ったんだよ、当たり前と思って貰えるように強くならなければとさ、与えられる物には限界がある、自分で得たものならそれは力だからな、それに今の俺はガイヤやヘッカにも色々と与えて貰っているからもう充分だろ」
「確かにクロノスも与えられた王位にしがみつくがゆえに、猜疑心に飲まれ臆病風に吹かれておったな、それが今回の襲撃に繋がった」ガイヤ
「育て方の問題か…わしは今後、梳李の母親を神と崇めよう」ガイヤ
「そういうのいいから」
「ガッデーム!」ガイヤ
「もう突っ込まないよ」
「とほほ…」ガイヤ
「そんな事よりもまたみんなに助けられたようだな、いつもありがとうな」
「梳李!目覚めたか!心配したぞ」ライオネル
「みんなも居たのか」
「世界の一大事じゃ、わしらがおらんでどうする!」ウィリアム
「遙か空のさらに上で大きな戦闘が起こっている事は地上にいても理解できた、なんせ見た事もないような色に染まった空は、全ての終わりを告げているようだったからな」ルシフェル
「そうだったのか、開戦早々に何万という集中砲火を浴びたからな、弾き返したり交わしたりしたのが散らばったんだ」
「ご無事で何よりでした主君!」バッシュ
「俺は主君じゃねぇし」
「その事じゃが梳李は神々に愛されている、宇宙大戦まで征した程に人知を超えた力もある、いっそセントラルだけでなく世界を統一するのも悪くないと言う話になっているのだ」ホーガン
「もしかしたら俺が生きている間は良い事なのかもしれない、だがそれも終わりを告げる時が来る、そんな事よりも王家は民を守る事を徹底し、権力者は私欲を捨て常に民の為にあるべきだ、その事を各国が徹底的に模範を示す事で平和は継続されて行くだろう」
「俺達は世界の守護者になり、自分の人生と言う観点から物事を見たら、どう考えても割に合わない理不尽な立場に立ち、報われる事のない労苦に生涯を捧げようじゃないか、たまに自分に対するご褒美として美味い物を食べて、美味い酒を飲んで笑い話にでも花を咲かせようよ」
「そうじゃな、王家と貴族に形式ではなく徹底しよう」ウィリアム
「まずは身体検査を徹底的にな、ずる賢いやつは必ず存在するからな」
「がっはっはっ!ズーダンは民の声が中央に上がるように、どんな小さな村にも役人を派遣して、民の声を吸い上げているぞ」ライオネル
「既に取り組んでいたか」
「クラフトはボーデン鍛冶師長という失敗がありましたからな、こちらも既に対策済みですよ」ホーガン
そうして宇宙大戦に危機感を感じた各国も各国の民も団結は強まったそうだ
ガイヤ、ゼウス、ヘラ、ポセ、アンピ、ゴルゴ、キュクロプス、ヘカトンケイル、テューポーン、ギガースは自由に身体の大きさを変えられるようになり、正式にヘカテー王国の住民となった
「俺の跡取りはヘッカで決まっていたけど、ガイヤやゼウスまで名を連ねてはそうもいかんな…時が来たらヘッカが判断してくれな」
「私に判断を委ねてくれるんだ、それだけで心が満たされるよありがとう」ヘッカ
「しかし大所帯になったもんだな、また神殿も考えなきゃな」
「人の社会も神の社会も結局は楽しい所にみんな集まって来るんだよ」ヘッカ
「楽しいは正義だな」
「美味しいも正義です」エンジェル
「エンジェル!その通りじゃ!」ガイヤ
「美しいも正義ですよ」ゴルゴ
「そして梳李のピュアな魂はなによりも美しく、美味しく、楽しいです」フェアリー
「最近フェアリーの独特の表現が少し卑猥なのよね」
「ふふふっ♡」フェアリー
「奥さんなら何人増えてもドンと来いですよ」サラ
「私達は歳を取ってしわしわになって行くから、順次若い人を補充するのもありね」オリビア
「はははっ!そういう配慮は気持ちだけでいいよ、俺はみんなと共に歳をとる事は出来ないらしいけど、しわしわになってもみんなだけを愛し続けるよ」
「しわしわになっても可愛がってくれるの」アスコット
「みんなの体力がもたなくなったら、素直に申告して欲しいけど俺は求め続けるよ」
「なんと素敵な宣言なのでしょう!」イザベラ
「俺は500年くらい生きるらしいし、体力もみんなの寿命のあるうちは変わらないだろうから、受け止めるみんなの方が大変かもしれないよ」
「だ、大丈夫ですよ、あれですから」アン
「あれか…はははっ!」
「よし!わしらも身体から鍛えなおさねばならんな!またな!梳李!」ライオネル
新たな決意を胸に王達は帰って行った
なんの話やねん!
第119話に続く




