第116話 ツキジの海
かにの漁場を作る為にツキジに来ていた
「もう最近ガイヤもゴルゴもゼウスもずーっと着いてくるのね」
「神殿にいて祈りを捧げてもらうよりも、お前と遊んでる方が楽しいからの」ガイヤ
「いや参拝者を大事にしろよ!」
「長年宇宙を守ってきた褒美じゃ」ゼウス
「特にガイヤは一番いい所に像を建てて神殿広場に遊びに来た人でも参拝できるようにしてあるのに」
「そう固い事をいうでないわ!」ガイヤ
「まあな…そうなんだけどな」
「みんなは待っていていいぞー!少しフェアリーと岩場に行ってくる」
「海の上をお姫様抱っこですか?」フェアリー
「そうなるなあ」
「一瞬待ってくださいね」フェアリー
「あのさあ…セーラー服に着替える必要あった?」
「またまたー、嬉しいくせに」フェアリー
「そんな趣味ねぇよ!」
目的地に着くとフェアリーを岩場に乗せ、数匹のかにを捕獲した、解析した上で生態系を確認して一気に増殖し岩場に放った
「みんなで食べる分だけ確保しとくか」
「キングクラブよりも繊細で濃厚な味が予想されますよ」フェアリー
「キングクラブはでっかいもんな、焼いて食べるなら身が大きくて食べ応えがあるだろうけど、旨味を味わうならこっちだろうな、よし!砂浜に戻ったら両方楽しもう、こっちは生でも美味いぞー!」
「ひとつ気になっているのですけど」フェアリー
「どうした?」
「最近、特に目立った戦闘もなく、グルメと夫婦間のラブコメ要素が多い気がするのですけど大丈夫でしょうか?」フェアリー
「なんの心配かがわからんが、またそのうちに忙しくなるんじゃないか?」
「ワールドの商品も開発する必要があるだろうし、貧富の差をどうにかする必要も出てくるだろうし、ガイヤとゼウスが和平した事に納得出来ない神々が攻めてくる事も考えられるし、この穏やかで平和な日常もいつまで続くのかわからないよきっと」
「ずーっとこんな時間が続けば良いと思うのはわがままなのでしょうか」フェアリー
「俺もみんなと遊んでいるだけで時間が流れて行けば、どんなにいいかと思っているよ、ただ現実的じゃないだけさ」
「それなら1秒たりとも無駄にしないで梳李を堪能します」フェアリー
「なんか表現がエッチだよ」
「ふふふっ♡」フェアリー
「あとさ、夜来る時もセーラー服じゃなくて良いからね、それはノリで渡しただけで趣味な訳じゃないからな」
「この前はヘッカが太鼓持って寝に来たからあせったよ」
「ふふふっ!貰ったものだからじゃないですか?」フェアリー
「とはいえ寝る前にヘッカちゃんだよってされても空気が乱れるでしょ、だから勘違いしないでね、フェアリーはフェアリーのままがいい、無理に俺にあわそうとしないで自然体でいてくれる事が、一番美しく全てを欲しいと思うだろうから」
「梳李はいつもあまい言葉で私をとろけさせちゃいますね」フェアリー
「別に意識してないぞ、思った事だけを正直に言うだけさ」
「だからあまいのですよ、計算があると萎えます」フェアリー
「そんなものか、俺はセーラー服を来てこられると、俺の為に頑張ってくれてるんだなって思って、嬉しいのが半分とそんな事までさせて申し訳ないと思うのが半分なんだよ」
「梳李の為になんでもしてあげたいと思うのは私の意思ですからね」フェアリー
「ありがとうな」
「おーい!かにの増殖もしてきたし食べる分も確保してきたぞー!」
「どれどれ早速味見する者が必要だな、わしが務めよう」ガイヤ
「いや、成分分析も済んでいるから味見役の必要はないぞ」
「1番に食べたいと思うのはわがままなのか?」ガイヤ
「それはわがままだな」
「ガッデーム!」ガイヤ
「だからそういうのどこで知識を入れてくるんだよ!」
この日ツキジに来ているにも関わらずポセとアンピの姿はなかった
不思議には思ったが何か急用でも出来たのだろうと思っていたのだが、クロノスに捕まっていた
「まずいな、早くばば様や梳李に知らせなくては」ポセ
「せめてアンピだけでも逃がす事が出来たら…」ポセ
クロノスは元々ゼウスに打たれる予定だった、ガイヤに借りたキュクロプスとヘカトンケイルを引き連れたゼウスによって…それがこの和平の流れの中でキュクロプス達は俺によって助け出されてしまった為に、クロノスはまだ王位に就いているのだ
しかもクロノスは子供に討たれるという予言を頑なに信じていて、出来た子供を全員飲み込んでいたのだが、ゼウスの母だけはゼウスと石を交換して飲ませなかった、飲まれていたポセイドンはゼウスによって助け出されていたのだが、ゼウスの事もポセイドンの事もクロノスにバレたようだ
予言を回避する為にゼウスを攻撃に来る事も、ガイヤの怒りに触れている為に先手必勝と攻撃に来る事も、クロノスからすると当然の処置と言えた、ましてやゼウスとガイヤも最近は遊んでいる事も多く危機意識が著しく欠落していたために、2人が仲良くしている事がクロノスまで届いてしまっていたのだ
最終的な情報確認の為に息子であるポセイドンを拘束し情報を聞き出していたのだ
「クロノスに捕まっていてはアルカーヌムで状況を発信する事も出来ない、アンピはなんとか拘束を解けないか?」ポセ
「多分…間もなく解ける、解けたら大至急クロノスのティターンの大軍勢が押し寄せてくると伝えに梳李達の所へ行くよ」アンピ
「やはり兄上の手で王位を奪っておく必要があったんだ」ポセ
「いまさらいっても仕方ないよ、クロノスが王としてヘッカの星に向けて進軍した事実は何もかわらない、あとは情報を伝えたらきっと梳李がなんとかしてくれる」アンピ
「解けた!行くよ!」アンピ
「わしの事は良い、自分でなんとかすると伝えてくれ!気をつけてなアンピトリテ、わしはお前が大好きだったぞ!」ポセ
アンピトリテは、とにかくクロノスの支配権から急いで脱出するべく移動した、今生の別れのようなポセの言葉もあながち可能性が無いわけではなかったが、あえてその事には触れなかった、言葉にすると二度とポセに会えない気がしたからだ
そんな事が起こっていることを何も知らない俺達は、能天気にかにを食べて飲んで遊んでいた
「かにの生も絶妙に甘くて美味いのお」ガイヤ
「焼いて肉厚を楽しむならキングクラブ、生や鍋で旨味を楽しむならかにじゃな、梳李!わしの最後の晩餐にするからな!」ガイヤ
「お前達に最後はないだろうが!」
「そうじゃったわい、えへっ!」ガイヤ
「ポセイドンのツキジの街もツキジの海も良いな、海に浮かぶ神殿も味があってよい」ゼウス
「少し梳李は従者に甘すぎるんじゃないか?」ゼウス
「あの神殿はもともと海底に眠っていたんだよ、街を使ったのはポセの為と言うより海人族の為だし、ここはヘカテー王国の一部だからな」
「そうなのか、じゃがポセイドンも喜んでおるよ、わしからも礼を言うよありがとう」ガイヤ
「梳李!大変!クロノスがティターンの軍を率いてゼウスとガイヤ様を亡き者にしようと進軍したみたい、間もなくアンピが報告に来ると思う」ヘッカ
「ゼウスとガイヤは不死なんだろ?」
「そうじゃが、我らがこの星で仲良く楽しそうにしているのが気に入らんのじゃろ、それにキュクロプスとヘカトンケイルも救出した、ゼウスに討たれるという恐怖心が限界に達したのだろう、結局臆病風に吹かれたクロノスのせいでティタノマキアは避けられなかったか」ガイヤ
「この星が戦場になれば、街も森も草原も焼け野原になり、いかなる生命も全滅するじゃないか!こっちも決戦場を宇宙にするべく出撃するぞ!」
クロノスの進軍は早く刻一刻とこちらへ近付いていた、いつも晴れわたる空も何気に暗雲が立ち込め、不吉な様相を呈していた
第117話に続く




