第111話 第1回彫刻・芸術の祭典、表彰の部
第1回彫刻・芸術の祭典世界大会スタジアム
「皆様お待たせいたしました!いよいよ第1回彫刻・芸術の祭典結果発表と表彰の日がやってまいりました!本日の司会進行はセブンスターズオーディションの時と同じく、ロドリゲス冒険者組合副組合長のスミスが務めさせて頂きます!たくさんの皆様に審査の協力もして頂き、大変にありがとうございました!それに今回大会も世界中から注目をあびたために、チケットを購入できず本国にて街頭テレビをご覧の方々も、なるべく臨場感に溢れる進行を心がけますので、どうか楽しんで欲しいと思います!初めにスタジアムでは恒例と言えば恒例で、見る事が出来た人はラッキーと言えば超ラッキーな、神々とケズリファミリーによる大空の祭典で幕を明けたいと思います!よろしくお願いします!」
格段に弓の技術が増したマールとライチ、アリアナの連射による花火が大空を覆う中で開幕した、しばらく様々な光が空を染めた後、ヴィーナスとフェアリー合作の女神の慈愛が以前に増して広大で荘厳な金色の雨を振らせ、ヘッカが桜吹雪を撒きながら空を舞った、ポセとアンピは水芸を披露し、ゼウスは優しい雷を1本の柱とし、ガイヤはスタジアムの大地に穏やかな波をうたせた
その光景はまさに奇跡と言うような光景で、観客は大歓声を上げ、世界中の公園に設置された街頭テレビの前でも、いつかスタジアムでそれを見たいとあちらこちらに声が漏れた
「ヘッカちゃんだよ!」
「おーっと!お約束だ!お約束のヘッカちゃんが出ました!世界大会に必ずケズリファミリーとガーディアンズがいる訳ではありませんので、今日の参加者は幸運です!今一度説明しましょう!女神ヘカテーのお約束、ヘッカちゃんでした!どうですか?解説の梳李様、奥様の今日の調子は」
「俺…解説だったのか?太鼓を持ってカウベルを鳴らすというこのスタイルは初披露だけど…満点です!」
「おー!かなり手前味噌な評価な気がするのは私だけでしょうか!梳李様から満点が出ました!ところで梳李様も観覧席や街頭テレビの前の方に一言ご挨拶をお願いします」
「皆さんこんにちは!梳李です!本日は多くの皆様に見守られながら本大会を開催できた事を心から御礼申し上げます!世界中の皆様には私自身をはじめ、ファミリーも家族も大変にお世話になっている事を合わせて御礼申し上げます!本日はどうか彫刻・芸術の祭典を心から楽しんでください、また本日はスタジアムに来る事ができなかった皆様も、必ず次の機会を作りますので、どうか残念がらずに最後までお楽しみください、それでは結果発表と表彰に移りますが、その前に各国の制作者と作品を紹介していただきましょう!」
「突然のめちゃぶりに笑顔で応えてくれた梳李様にもう一度拍手をお願いします!それでは、審査に参加されなかった観客席の方と街頭テレビの方の為に採点方法からご説明させて頂きます、今回の祭典は本国の予選を勝ち抜いた2組の彫刻家や芸術家の皆様に、セントラルの神殿にある柱を利用して、既に作品を制作して頂いております。採点基準は3つ、作品のイメージや原案を評価する芸術点、作品の完成度を評価する技術点、神殿に設置された柱に施すという観点から見た景観点となっています、ご覧になった方々全員に各項目の持ち点を5点満点にて採点して頂きました、全作品を満点にしても良い採点方法だったので、どの作品も甲乙つけ難く大接戦が予想されます、現在集計中ですので、その間にスタジアムのビジョンと街頭テレビにて映像でご紹介させて頂きます」
「それでは現地を呼び出して見ましょう!実況のリビアさーん!」
「はーい!こちらリビアです!エルフ商業組合からサメハダ商会に執行中ですが、実況担当をさせて頂く事になりました!ご覧の皆様よろしくお願いします!」
スミスとリビアの掛け合いはとても歯切れが良く心地よかった、スタジアムの観客も街頭テレビの前の観衆も釘付けにしながら、ポセイドンの神殿前の柱から説明が始まった
初めに紹介されたのはズーダンの予選で2位になった芸術家の作品で曲線美を活かした螺旋状の模様を柱に施してあった、次に紹介されたのはクラフトで1位の制作チームでポセイドンの荒々しいイメージに合わせて三叉戟をデザインして彫刻してあった、ヘカテーの神殿の前にはロドリゲスの作品で女神をイメージした美しい女体の彫刻が施されてあった、ヘカテー族の作品は月と大地、稲などの恵みが下地に彫刻されてあり、それを守るようにヘカテーが彫刻されていた、ゼウスの神殿の入口にはエルフの作品で稲と世界樹のような大木をイメージした彫刻が刻まれていた、ギガントの代表は幻想的な錯覚を利用したデザインで見た人を不思議な世界に連れていった
確かにどの作品も甲乙付け難く、全12作品のどれが映しだされても、観衆は歓声をあげながら作品に見入った
ちなみにゼウスはギガントの幻想的なデザインを一番気に入ったと言い、ガイヤは大地のイメージにピッタリだとエルフの作品を推した、ヘッカは贔屓目なしにヘカテー族の自分をデザインした作品が一番良いと喜んでいた
ポセとアンピは芸術はわからないけど、とても嬉しいと喜んだ_(┐「ε:)_ズコー
「それでは会場にお返ししますー!」
「リビアさん!ありがとうございました!ここで解説の梳李様にも聞いて見ましょう!どうでしたか?」
「どれも素晴らしい作品でした、実際に私は全作品を全項目満点で投票したので、採点できなかったような物なのですよ、どの作品も作品の前に立つとオーラを感じると言うか、制作者の情熱を感じてしまって、私が採点するのはおこがましいと思ってしまったのです」
「そんな優柔不断な所もある、おちゃめな梳李様のコメントでした」
スミスも司会進行には自信があるらしく、ちょっとしたやり取りを利用して、笑わせたり感動させたりしていた、制作者の事も下調べしてあって、生い立ちや制作にともなって苦労した点なども上手く伝えていた
そうして世界中の注目の中発表の瞬間が来た
「それでは発表いたします!第1回彫刻・芸術の祭典!第1位は!」
「と…お待ちください!第1位は同点で2組になりました!」
「まずひと組目はエルフ族代表ウッドファミリーのみなさんです!そしてもうひと組はヘカテー族代表大森林の女神のみなさんです!ウッドファミリーと大森林の女神のみなさんに盛大な拍手をお願いいたします!梳李様からも一言お願いいたします」
「皆様お疲れ様でした、今回はたまたまウッドファミリーと大森林の女神の方々が優勝されましたが、先程も言ったように私はどの作品にも心を奪われました、今回の作品には全てにグループ名と個人名を残して、後世にまで残る歴史的建造物にする予定ですので、たまたま優勝できなかったみなさんも、栄誉と誇りを胸に更なる研鑽を期待しています、全彫刻家芸術家のみなさん本当にご苦労様でした、ウッドファミリーと大森林の女神のみなさん本当におめでとうございました」
「最後に女神ヘカテーより閉会のご挨拶があります」
「梳李が話をした後で私が何を言う事も無いのですが、司会進行から指名もありましたので一言だけ…ヘッカちゃんだよ!」
スタジアムがコケていた
「美しい作品を神殿にありがとう!」ヘッカ
その一言に制作者達は泣いていた、苦労も想いも結果も…色んな物が一気に込み上げたようだ
「ヘッカは色々上手くなったよね」
「私から梳李に能力が伝わるように、私も梳李からたくさん貰うからね」ヘッカ
「俺はそんなに上手くないけどな、化学反応って事か…ヘッカもお疲れ様でした」
「今回も良い大会になったね」ヘッカ
第112話に続く




