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第103話 第2回世界大会打ち合わせ


「梳李!久しぶりにセントラル議会から招集です。相談があるそうですよ」フェアリー


「ゼウスにも会いに行かなきゃいけないから、ついでに寄ったらいいかな」


セントラル議会大会議室


「国王もみんな集まっていたのかい?どうしたんだみんなで難しい顔をして」


「そんな事より梳李は大丈夫なのか?我らの知らない所でかなり無理な戦闘があったと聞いている」ルシフェル


「漆黒に聞いたのか?まあ確かに強敵だったが問題ないぞ、そんな事を確認する為にみんな集まっていたのか?」


「わしらが集まっていたのは定期的な懇親会のようなもんじゃ、ワールドがヒット商品を世に出してくれるおかげで国は潤っている、そんな時はトップは城にいても邪魔になるじゃろ」ホーガン


「それより梳李、次の世界大会は何が良いかのう、案は色々出ているんだがどうも今ひとつしっくり来ないんだよ」バッシュ


「がははははっ!梳李の意見が聞きたくてな、レオットも大事にして貰っているようだし、娘婿の顔も見たかったしな」ライオネル


「ゼウスの神殿に行きたいから、のんびりしていられないのだが、ホーガンには頼みもあったんだ、1gの金を1m四方に叩いて伸ばせないか?金箔というのだけど、神殿の飾り付けに使おうと思っていてさ」


「確かにその仕事はわしらの出番じゃな」ホーガン


「世界中から彫刻家を集めてな、神殿の柱の装飾をしようと思ってるだが、そこに金箔を貼れば美しいと思ってな、神殿の円柱を美術品にしたら、幻想的で神の品格もあがりそうだろ」


「それは良いな、それならいっそ世界大会で彫刻家を集めてはどうだ」ウィリアム


「世界大会の参加者は何名だ?」


「逆に神殿の柱は何本あるんだ、いっそそのまま柱に彫刻と装飾を施し、それを採点すれば良いではないか、投票や表彰はスタジアムに観客を入れて開催して、作品は神殿に見に行くようにすれば、神殿も参拝者だけじゃなく観光客でも賑わうのではないか?」ウィリアム


「それは良いな、その方向で進めてくれるか、個人と団体は問わないが、柱は13本だから各国の代表は2組で、優勝者チームには真ん中の一番大きい柱の彫刻を頼む事を副賞にしようか、それぞれの彫刻家の作品には(めい)を入れて数百年先にも残してあげよう」


「それは良いな世界大会に参加するだけでも、大層な栄誉なのに神殿の柱に(めい)を残せるとなれば、彫刻家や芸術家達も喜ぶだろ」ウィリアム


「だがギガントで黒竜の彫刻を作ったのを見ていたが、梳李と妻の合作で良い作品が出来るのじゃないのか?」ルシフェル


「セントラルの神殿は未来永劫まで、開かれた場所であって欲しいからな、たくさんの人の手を入れたいんだよ。それに俺は歴史に名を残すつもりは無いしな」


「いまさら何を言っておるのじゃ、各国はお前に名誉称号を与えている、梳李の足跡(そくせき)を記録している係も各国にあるのじゃぞ」ホーガン


「そうなのかい?」


「当然でしょ!私達の梳李なんだから」アスコット


「ふふふっ!当然ですね」フェアリー


「確かに国の栄誉ある称号を持つ者が、どういう人物であったかと言う事は、残す必要があるかもしれないけど、なんか恥ずかしいな」


「梳李はそれだけの事をしてきたんだ、堂々としていればいいのだ!だからわしらの知らん戦闘は娘から詳しく聞いて残しておくぞ」ライオネル


「わかった、そういうのは俺が意見する事じゃないと思うから、みなさんの思うようにしてください、それでは世界大会の件はよろしくお願いしとくね」


セントラル議会をあとにしてゼウスに会いに神殿に向かった、ゼウス、ポセ、ヘカテーの神殿の入口に各4本、真正面に飾りの為に立てた巨大な円柱をメインにして彫刻を施したら、さらに立派な神殿になりそうだな


「梳李は私達をどうしてそんなに大切にしてくれるの?神と接するのはめんどくさいと思ってるんじゃないの?」ヘッカ


「融通が効かない所があるから、接するのは疲れるけど、敬う対象である事に変わりはないだろ」


「いつかポセにも話をしたけど、妻として甘えたり甘えられたり、いちゃいちゃしながら過ごす事と、女神ヘカテーとして敬愛する事は同じであって別なんだよ、だからわがままを言われたらめんどくさいと思っても、基本的には星々や生命を慈しみ、守護を司って来た事には違いないから、存在や役割については大切にするさ」


「そういう柔軟な思考が私達よりも上をいくんだよね、話をしていると私が納得しちゃうもんね」ヘッカ


「俺は基本的に絶対に正しい不変の法則などないと思っているからだよ、同じ出来事のように見えても、どの人がその事に携わって、どういう時にその事があったのかという事によって、最善策は変わるのが普通だと思っているからさ、逆に言えば神様の言う事が当てはまらないケースがある事も当たり前の事だと思っている。聖職者と呼ばれる者を神殿に置かないのもそれが理由なんだよ。人がその職につけば必ず自分の感情を成就させる為に神の考えや行動を都合よく人々に説くようになる、その事によって長い時間をかけて信仰心は薄れていく、仮に盲信の者が居たとしても、それもその人に都合の良い解釈になって行くからさ」


「たまに梳李と話をしていると、女神の私が浅はかだなぁと思っちゃうのよね」ヘッカ


「それは守るべき立場があって、そこから物事を見て考える必要があるヘッカと、そういう制約が無い中で、自由に物事を見て考える俺との立場の違いだよ」


「逆に言うとそういう不変の立場の人もまた必要なんだよ、人には明るい人が居て、静かな人が居て、怒りっぽい人が居て、誰とでも仲良く出来る人が居て、他にも十人十色で色んな人がいる、人は成長する時には必ず色んな人と関わるものだし、色んな人と接した方がより深く大きな人格を形成して行くものさ、同じような考えの気の合う人とだけ居ても成長なんてしないのさ」


「なるほどね、それで梳李は私達にも寛大なんだね」ヘッカ


「神様に寛大と言うのは少し立場が違うと思うけど、そういう意味においては頼るべき相手ではないと思っている。人生も自分自身も自らで磨いて作って行くものだと思うからな」


「自分に厳しく人に優しいという事か、梳李は良いね、普通は人は自分を甘やかして自分自身にもいい訳をして、他人を蹴落とし自分は楽をしようとする、信仰の対象も自分に何かを与えてくれる物だと思っている」ヘッカ


「生き方は人それぞれ自由だから、それはそれでいいのじゃないかな、俺はそういう人を否定するような心も持ってないよ、ただひとつだけ言える事はどう生きるかによって、豊かな人生になったり、薄い何も無い人生になったりする事は事実だから、自分の好きな道を選べば良いんじゃないかな」


「ほっほっほっ!相変わらずの梳李節じゃな」ゼウス


「人をかつお節みたいに言うなよ」


「ちょうど良い所に来た、準備ができたから声をかけようとしていたんだ、みんなも連れて行くのか?」ゼウス


「地の底は危険なのか?」


「危険ではない、暗い何もないただ真っ暗な闇だ」ゼウス


「それならそういう場所があって、そういう場所に囚われの身となった者が居たと言う事を見せておくのも良いと思うな。それにみんなは行きたいと言うだろうし」


「それなら移動するぞ」ゼウス


「みんなフェアリーから離れるなよ、一応守備は頼んだ」


「おまかせください」フェアリー



第104話に続く


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