表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/33

エピローグ

彼らを鼓舞するようなファンファーレと共に、正装に身を包んだ北方遠征隊が王都を出立しようとしていた。栄えある彼らの晴れ晴れしい姿を見ようと、路上にはたくさんの人が集まっている。

フィルと一緒にそれを見送っている私は、周りに気づかれないように、フィルの服の裾をそっと掴んだ。

「寂しい?」

「うん」

「…僕も」

見上げたフィルは泣きそうな目をしていて、でもそれをこらえるように口元には笑みが浮かんでいた。どちらからともなく密やかに手をつないだ。


王立学院に入学してから、何かあればいつも二人が支えてくれた。その一人に、いつも手を伸ばせば触れられる距離にいたその人に、会えなくなる。たった三年が私には想像もつかない長い時間のように感じられた。


私たちの前を進んで行く一行の中に見慣れた姿を見つける。アレスに騎乗したガルディウスはこれまでで一番誇らしげで、いつかの日に見た、喜びに沸き立つような眼をしていた。その姿に、私たちの選択は間違っていなかった、と確信した。

もっとちゃんと彼の姿を見たいのに、勝手にあふれ出てくる涙で視界がぼやける。

せわしなく涙をぬぐう私を見つけたらしいガルディウスが笑顔をこぼした。

「ルディ!」

彼は頷き、いってくる、と唇だけで言った。

「いってらっしゃい!」

泣きながら叫ぶ私に笑顔を向けると、彼は手綱を握っていた片方の手のひらを私だけに見せるようにそっと開く。

彼の手の中では、軍服を着たクマが誇らしげに胸を張っていた。

お付きあいいただいた皆様、本当にありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ