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【完結】愛猫ともふもふ異世界で愛玩される  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


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28.拗ねている間に引っ越し決定

 結局、アイカは窓際で不貞寝を決め込み、夕食だと起こされた。拗ねた彼女にブレンダは、レイモンドと話した結論を突きつける。


「というわけで、街に住むよ」


「……なんで?」


 ここでいいじゃない。立派なお家と広すぎて境目のわからない庭もある。ドラゴンが通ってくるのに問題ないよね。そんなアイカの疑問へ、もう一度理由を繰り返した。


「アイカは虫に耐性がないだろ? それに今日はオレンジがバッタを捕まえてきたけど、一歩間違えば猫が狩られる危険性があるんだよ」


「そっか」


 愛猫達に危険が及ぶとあれば、すぐにでも引っ越す。幸い生活費は大量に支給されるようだし、家を借りるくらいは出来るはず。頷いたアイカは、さらなる支援の報告に驚いた。


「役所が管理する家を貸してもらえるそうだ。明日荷物をまとめて、明後日はカーティス達に運んでもらおうかね」


 忙しい引っ越しだけど、危険があるなら早い方がいい。ん? アイカは一つの単語に引っかかった。


「カーティス、達?」


 複数形に眉を寄せて聞き返すと、ブレンダは大きく頷いた。


「カーティスだけじゃ、荷馬車を一つしか引っ張れないだろ。ご両親に手伝ってもらうのさ」


 そういう意味ね。アイカは納得した。以前に、両親も配達関係の仕事だと聞いた覚えがある。


「カーティスの両親って、大きいんだろうね」


「そうでもないさ、馬と牛だから」


「馬、と……牛?」


 頭の中で家系図を描くと、何やらおかしなことになった。馬と牛が子どもを生んだら、どうして鹿になったの? あの巨体がどうやって生まれ……いや、生まれた時は小さかったと思うけど。


 混乱しながら、尋ねようとして止まる。常識リストを確認しよう。いつも聞いてばかりでは悪いし、自分で辞書を引くと字を覚えるって聞くから。アイカは「ggrks」を覚えていた。何でも調べる癖をつけるのは大事だ。


「街なら虫が出ないの?」


「出るけど、小さいのばかりだね。あのカナブンの大きさは、森だからさ」


 話を聞きながら、目の前のシチューを食べる。コオロギ肉のブラウンシチューの残りだった。単純に美味しいので、中身の正体を意識しなければ問題ない。


「荷物は何を持って行く? 荷造り手伝うね」


「ああ、そうだね。日用品だけあればいいさ。アイカの荷物がまだ届いてないのが幸いしたよ」


 お陰で荷物が少ない。そう言われ、アイカも「確かに」と頷いた。こないだの買い物の服や道具の大半は、配達先変更になりそうだ。明日は忙しいと言われ、慌ててお風呂に入った。


 そういえば、湯船がちゃんとあるお風呂は外の人が伝えたのかな? 日本人だったりして。ふふっと笑いながら、たっぷりのお湯を堪能した。

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