隣の家の家族とピアノの話
私は寒がりだった。
夏でもクーラーはつけないタイプだった。
クーラーつけたら寒いんだよね。
だから、窓を開け放っていた。
そしたら、なにかの音が仄かに聴こえてきた。
私は耳鼻科の先生に褒められるくらいには耳がよかったから、仄かに鳴るそれがピアノの音だとすぐに気づいた。
何かの曲を弾いているわけではなく、
ポロポロと子供が鍵盤を適当に押しているような音だった。
音からして多分アップライトピアノだと思う。――まずまず家の広さからしてグランドピアノは入らないだろうし、電子ピアノの音はもっとテキパキと忙しそうにしているから。
そして、ここまでは一週間くらい前の話だった。
ついさっきというかこの小説の序盤を書いていた時にまたピアノが鳴り出した。
クラシックの有名な曲だった――あまりクラシックは聴かないから曲名は分からなかったけど――私でも知っているような。
すると、この曲を弾いているのが2人、つまり連弾で弾かれていることに気づいた。
上手さからして高い方を家族の方が、低い方を子供さんがやっているのだろうと思った。
場面を想像していると、少しほっこりした。
さらに今、この小説の締めくくりを考えていたら隣の家族の子供さん(たぶん女の子)の声がした。
「ママーアニメー!」
とのこと。
ママはアニメではないぞ、なんて言ったら怒られそうだ。
その後某がんばるますさんの名前を連呼していたので、そのアニメを見るんだろうと思う。
少し楽しい気分にしてくれた子供さんに拍手をあげたい。
まぁピーナッツの方が喜びそうだが。
追記。
この小説は予約公開の機能を使っており、ちょっと放置していたら隣の家から
ズンチャズンチャッ♪ズンチャズンチャッ♪
と聴こえてきた。
いやこの家族クセ強くね?
さっきまでピアノ弾いてたやん。
あ、曲変わった。
ズンチャチャシャーン♪ズンチャチャシャーン☆♪
草。
曲戻ったし。
ズンチャズンチャッに戻ったし。
なんか面白い家族だなと思いましたまる