表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

最高のランチをありがとう

作者: たなか

 濃厚なミルクがふんだんに練り込まれたパンは、刷毛で塗られた溶き卵により艶々と太陽のように照り輝いており、絹のようにきめ細やかで、どんな高級羽毛布団よりもふかふか。口の中に放り込んだ途端、そのしっとりとした食感とほんのりとした上品な甘さの虜になってしまった。


 肉汁がとめどなく溢れ出るシューマイ。細かく刻まれた鶏肉、玉ねぎ、人参、ゴボウがそれぞれの持つ素材の味を互いに引き立てつつ、見事なハーモニーを奏でている。ひじきとショウガが味わいに奥行きをもたらしているのも見逃せない。


 豚肉とキャベツのオイスターソース炒めも絶品だった。ごま油とおろしにんにくの香りが脳を揺らし、こってりとした豚肉の旨味と新鮮でみずみずしいキャベツ、ピーマンは箸を捕えて離してくれなかった。欲を言えば大盛りのご飯とともに頬張ることができなかったことだけが残念でならない。


 デザートは春風のような爽やかさとともに食事に華を添える旬のみかん。控え目な酸味と高い糖度、深いコク。口の中の隅々まで幸せを届けるジューシーな果汁に舌も頭もとろけてしまいそうだった。


 更に味だけでなく、赤・黄色・緑の栄養バランスまで緻密に計算し尽くされており、我々の健康にも十分に配慮した完璧な献立といえるだろう。


 最高の給食(ランチ)をありがとう。



 今日の反省点:余ったミカンのじゃんけん争奪戦で敗北してしまった悔しさをバネに、次回こそはリベンジを果たしたいと思う。




 先生からの一言


 学級日誌は給食のレビューではありません。まさかとは思いますが、また授業中爆睡していたわけではありませんよね?


 ただ、調理師の方にお見せしたら涙を流して喜んでいらっしゃいました。良かったですね。今度からは直接お礼を伝えるようにしてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] コレ確かに素晴らしい食レポなんですが先生はお見通しと♪ [一言] 生徒の個性を把握し、給食のおばちゃんにレポを届ける先生の細やかさが輝いていますね! 私の小学生時代の教師に対する一番の思…
[一言] 細い説明ですね。 私は、文章を書くのは好きだけど食べ物に関しては上手くかけない…。 「本当に美味しかったです」という思いをぶつけるだけ。 どこが美味しかったかなんて詳しく語れる感触を持ち合わ…
[一言] 興奮して送ってしまい、誤字ばかりですみません! 脱法→脱帽、その他…… 丁寧な返信を頂けて嬉しかったです。 給食好き仲間と知って感激です! ソフト麺とミルメークが出た時は特に幸せでした!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ