【マッスルフェス参加作品】魔王を倒した伝説の女戦士はとても優しく僕の頭をなでてくれた
こちらは長岡更紗様主宰『肉マッスルフェス2』参加作品です。
といいつつ筋肉成分少なめです。
張り切り過ぎて規定の「5000字以内」をオーバーしてしまいましたので、イラストのみ楽しんでくださっても構いません(´▽`;)ゞ
イラスト提供:星影さき様
村がゴブリンの群れに襲われた──。
突然だった。
ラウリン山脈の麓にある僕らの村は、村の人たちでも対処できる比較的穏やかな魔物しかやってこない。
にも関わらず、この日は魔物ブックにも載ってるような凶悪なモンスターが一斉に襲い掛かってきたのだ。
わけがわからなかった。
僕らは殺されまいと必死に逃げ回った。
奴らはナイフの扱いに長けている。
普段、クワやスキしか持たない僕らには対抗する術がなかった。
助けを呼ぼうにも、軍が駐留している街まで何十キロも離れている。
万事休す。
そう思った時、一人の女戦士が現れた。
黒いマントを羽織り、身体にはプレストメイルを着込んでいる。
むき出しの上腕二頭筋(二の腕)は筋肉ムキムキで、腰当の下から露出した大腿四頭筋(太もも)は丸太のよう。
肩幅は広く、身長は軽く180cmは超えている。
そして巨大な戦斧を肩に担いでいた。
女戦士はたった一人でゴブリンの群れに立ち向かっていった。
筋骨隆々の大きな身体からは想像できない速さだった。
ギチギチに鍛え上げられた腕から放たれる戦斧に、多くのゴブリンたちが身構えることなく倒されていく。
その姿はまさに疾風。
風の神様というものがいたら、きっとこんな感じだったに違いない。
女戦士が腕を振るうたびにゴブリンの死骸は増えていった。
そうして、気がつくと僕らの村を襲ったゴブリンは全滅していた。
時間にして3分もかからなかったと思う。
それほどまでに、この女戦士は強かった。
「ありがとうごぜえますだ。あなたのおかげで、村の衆は一人も殺されずに済みましただ。きっと名のあるお方に違えねえ。お名前をうかがってもよろしいだか?」
村長の言葉に、女戦士は答えた。
「グリグラ・ソルト」と。
※
グリグラ・ソルトとは、かつて魔王から世界を救った六英雄の一人だ。
魔物殺しの狂戦士とも呼ばれ、彼女が通ったあとにはモンスターたちの血の雨が降っていたと言われている。
今は現役を退き、魔物ハンターとして世界各国を渡り歩いてるという。
そんな世界的にも有名な伝説の英雄が村を救ってくれたなんて、ゴブリンが襲ってきたことよりも衝撃だった。
村長は「村を救ってくれた礼に」と、固辞するグリグラさんを無理やり感謝の宴に招待した。
村のみんなも、死者が一人も出なかったものだから(けが人はいたけど大した傷ではないらしい)「ぜひに」と勧めた。
グリグラさんは感謝の宴には出てくれたけれど、食事をしている間ニコリともしなかった。
金色の綺麗な長い髪に端正な顔立ちをしているのに、もったいないなと思った。
村の人たちが話しかけても、その常人離れした体格と威圧感のある目で相手を黙らせてしまっている。
そんな光景を見て、僕は「魔物殺しの狂戦士」という名称には敬意や尊敬とは別の、畏怖の念を込めた蔑称も含まれているのではないかと思った。
現に、感謝の宴はグリグラさんへの感謝から自分たちが助かった喜びへと主旨が変わり、仲の良い村人同士で死ななかった喜びを分かち合っている。
グリグラさんの相手をしてるのはもっぱら村長だけになった。それも、ちょっとおっかなびっくりで。
僕は宴の給仕をしながら「みんな勝手だなあ」と思った。
彼女に助けてもらったのに、ちょっと怖いからって話しかけるのをやめるなんて。
でも、だからといって僕自身も話しかける勇気はなく、ちょっと離れたところからグリグラさんを眺めている。
グリグラさんはお酒は一切飲まず、出された料理を黙々と食べ続けていた。
村の料理が口に合わない、というわけではないらしい。
そこに僕は安堵した。
もしも口に合わない料理だったら目も当てられない。
「して、グリグラ殿。今夜はどこに?」
宴もたけなわになってきたところで(と言っても、時刻は夜の7時くらいだけど)村長がグリグラさんに尋ねた。
ワイワイ騒いでいた村のみんなもシュンと黙りこくる。
村長の問いは「今夜、どこに泊まるのか」という質問だ。
村には宿屋がない。
かといって、村を救った英雄に野宿しろとも言えない。
セオリーなら村長が泊めてあげるべきなんだけど、不幸なことに(いや、幸いにと言うべきか)村長の家には生まれたばかりのひ孫がいて泊めてあげられるスペースがないのだ。
となると、必然的に誰かの家となる。
威圧感たっぷりのグリグラさんを泊めてあげようという気骨のある村人は誰もおらず、みんな押し黙ったままだった。
にしても、村長も困った人だ。
「今夜はどこに?」と聞かれてもグリグラさんが答えられるはずないのに。
「どこかに泊めてください」とでも言えないだろうし。
ちょっと長い沈黙が続いたので、僕はそっと手を挙げた。
「あ、あの……。僕の家なら泊めてあげられますけど」
「サリムの?」
僕の家は父一人子一人の二人家族だ。けれど今、父は街に出稼ぎに行ってるので家にいない。
つまり、一人分の部屋が空いてるのだ。
「おお、そいつぁいい! サリムはキレイ好きだしな! うちは汚ねえ上にガキが3人もいるから泊めてあげられねえ」
「ああ、オレんちもだ」
「うちも」
僕が手を挙げたことで、村のみんなは精気を取り戻したかのように活気づいてしゃべりだした。ほんと、現金な人たちだ。
「よいのか?」
村長が申し訳なさそうな顔で聞いて来る。僕はコクンと頷いた。
「サリムがこう申しておりますがグリグラ殿、いかがですかな? 今夜はあの者の家に」
村長の言葉に、グリグラさんが初めて僕に目を向けた。
ドクン、と胸が高鳴る。
こうして見ると、すごく優しい目をしている。ゴブリンと戦っていた時は鬼のような形相をしていたのに。
グリグラさんはしばらく僕を見つめた後、ゆっくりと口を開いた。
「……迷惑でなければ」
その一言に、村長も村の人たちもホッと胸をなでおろしていた。
※
「グリグラさん、どうぞこの部屋を使ってください」
自分の家に案内した僕は、父の部屋をグリグラさんに勧めた。
父のベッドだけど、毎日きちんと干してあるし掃除もしている。いつ帰ってきてもいいようにだ。逆に今帰って来られると困るんだけども。
グリグラさんは不満な顔ひとつ見せず「ありがとう」と言った。
世界を救った英雄なのに偉ぶらない人だなと思った。
「水を使いたかったら外に井戸がありますし、トイレは出て左です」
「わかった」
言いながらグリグラさんはガチャガチャと着ているプレストメイルを脱ぎ始めた。
「ちょちょちょ、グリグラさん!」
「なんだ?」
見事なまでのシックスパックがあらわになり、さらにその上の胸下までしかないシャツまで脱ごうとしている。
「何をしてるんですか!」
「何って、装備を外してるんだ」
見ればわかる。
「そうじゃなくて! 僕、こう見えても13ですよ⁉ この村じゃ14歳で成人なんですから!」
「そうか。私は28だ」
「歳を聞いてるんじゃありません! 仮にも男の前で脱がないでください!」
「でも未成年なんだろう?」
「そうですけど、そういう意味じゃ……」
最後まで言い切る前に、グリグラさんは胸のシャツまで脱いでしまった。
「ぶふっ!」
あらわになった上半身の肉体美に鼻血が出そうになり、慌てて口と鼻を両手でおさえる。
グリグラさんの肉体はすさまじかった。
すさまじかったと言うとちょっと語弊があるけど、とにかくすさまじかった。筋肉がすごいのだ。
鍛え抜かれた腹筋にムキムキの上腕二頭筋、丸みをおびた三角筋。
そして綺麗で大きなバスト。
ところどころ戦いでついたであろう傷がついているけれど、見惚れてしまうような美しさだった。
グリグラさんはさらに腰当てを外し始めたので、僕は「失礼しましたー!」と言って部屋を出た。
世界を救った英雄の半裸姿。
僕は良いものを見たというよりも、見てはいけないものを見てしまったという後悔の念に襲われた。
※
翌朝。
僕は日の出とともに起床し、家を掃除して回り、朝食を作ってグリグラさんが寝ている部屋をノックした。
けれども、何度ノックしても返事がない。
「グリグラさーん」
寝起きが悪いのかな? と思ってそっとドアを開ける。
そこには空のベッドがあった。
「え⁉ え⁉ グリグラさん⁉」
慌てて部屋に入るももぬけの殻だ。
昨夜脱いだアーマー一式もない。
もしかして、何も言わずに出てった⁉
焦って家を飛び出すと、グリグラさんは裏庭にいた。
ホッと胸をなでおろすも、その光景にビックリした。
グリグラさんは庭の柵に腰掛けて野生の小鳥を指に止めて何やら話しかけていたのだ。
足元にはリスやウサギといった小動物までいる。
小鳥に話しかけるグリグラさんは女神のように優しい表情をしていた。
魔物殺しの狂戦士。
そんなイメージなどものの見事に吹き飛ばす美しい光景だった。
「グリグラさん」
声をかけると、グリグラさんはハッとして僕を見た。
その反応に、指に止まっていた小鳥や小動物たちが一斉に逃げていく。
僕は余計なことをしてしまったかな? とちょっと後悔した。
けれどもグリグラさんは少しも怒ることなく「なんだ、少年か」と言った。
「サリムといったか。昨夜は寝床をありがとう」
「い、いえ……」
僕は何て答えていいかわからず、そう返事した。
そして両手の指をくるくる回しながら尋ねる。
「えーと……。朝食作ったんですけど……食べます?」
グリグラさんは僕の申し出に一瞬きょとんとしたものの、すぐに口元に笑みを浮かべた。
「ああ、いただこうか」
それはこの村に来て初めて見る笑顔だった。
それから数日、グリグラさんは僕らの村に滞在した。
寝泊りはもちろん僕の家で、ときおり村長や村のみんなのところに話をしに行っている。
そして、午後になると村の裏にあるラウリン山脈に出かけていった。
何をしてるのかまったくわからなかったけれど、ある晩、夕食を食べている時に教えてもらった。
「グリグラさんはラウリン山脈に何しに行ってるんですか?」
「ん?」
「毎日あの山に出かけてるようですけど……」
「ああ、先日のゴブリン騒ぎの調査だ」
「ゴブリン騒ぎの?」
「この辺りは凶暴なモンスターはいないはずなのに、サリムの村はゴブリンの群れに襲われたろう? なぜかと思ってな」
そうなのだ。
あの時はグリグラさんの助けがあったから無事でいられたけど、本来ならば村ごと全滅していてもおかしくなかった事件なのだ。
とりあえず村長が王都に使いを出して報告してくれているものの、その原因はわからず仕舞い。
もしかしたら、なにかよからぬ兆候でも出てるのかもしれない。
それこそ、数年前にグリグラさんたち六英雄が倒した魔王が復活したとか。
魔王の復活、と自分で想像してブルっと震えた。
グリグラさんはそんな僕を見て苦笑いを浮かべた。
「心配するな、魔王は復活しない。少なくとも数百年先までな」
「……僕、声に出してました?」
「言わなくても表情でわかる」
すごいな、さすがは六英雄。
まあ、魔王という単語自体禁句だから、魔王の存在を想像しただけで身体が強張ったのかもしれないけど。
「……でもそうなると、じゃあなんでゴブリンの群れがいきなり襲ってきたんでしょう?」
「問題はそこだ。私はゴブリンを引き連れたヤツがいるとにらんでいる」
「引き連れたヤツ?」
「ボスと言ってもいいかな。ゴブリンを手足のように使う上級種だ」
「上級種……」
「村長や村の連中にも話を聞いたが、どうやらラウリン山脈の獲物がここ最近、激減してるらしい」
「ラウリン山脈の?」
「村の狩人が山脈で巨大な人影を見たとも言っている」
「ラバロおじさんが?」
知らなかった。
もしかしたら村のみんなを怖がらせないよう、村長たちに口止めされてるのかもしれない。
そういえば最近、肉の販売量が減った気がする。
「たぶんオーガロードだろう」
「オーガロード⁉」
僕はその名前に度肝を抜いた。
オーガロードといったら、魔物ブックの中でも最上級にヤバいモンスターと紹介されてるヤツじゃないか。
巨人亜種型のモンスターで、歴戦の戦士100人に匹敵する怪力の持ち主。
まるまる太った巨体にも関わらず、動きが素早く、一晩で一つの軍隊を叩き潰した伝説は有名だ。
それがこの村の近くにいるなんて……。
「ヤツはゴブリンを支配して意のままに操るからな」
「グリグラさんはオーガロードと戦ったことはあるんですか?」
「まあな」
何食わぬ顔で平然と言い放つグリグラさん。
ほんと、この人はどれだけの戦闘を潜り抜けてきたのだろう。
「その時は……?」
「倒したよ。仲間と一緒に」
仲間と聞いてドクンと心臓がはねる。
今は……一人じゃないか。
「ど、どうしよう。この村を襲ってきたら」
「心配するな。今の私はあの時と違う」
グリグラさんはニッと不敵な笑みを浮かべて夕食のシチューを口にした。
※
翌朝。
グリグラさんはいつものように裏庭の柵に座って小鳥と話していた。
さすがにこの光景が毎日続くと僕も驚かなくなっていた。
それよりも気になるのが……。
「グリグラさん」
「なんだ?」
グリグラさんは小鳥と目を合わせながら返事をした。
「グリグラさんって鳥としゃべれるんですか?」
「いや?」
「え⁉ しゃべれないんですか⁉」
「しゃべれるわけないだろう。鳥と人間だぞ」
てっきりしゃべれるものだと思っていた。グリグラさんならやれそうだし。
でもしゃべれないんだったら、なんで毎朝話しかけてるんだろう。野生の小鳥を指に止めるのも難しいのに。
僕が不思議に見つめていると、グリグラさんはバツが悪そうに言った。
「まあ、これは一種の特殊能力だな。私は昔から動物や鳥を操れるんだ」
「動物を?」
「大型の動物は無理だが、鳥やウサギといった小さい動物たちなら意のままに操れる」
「それは……すごいというか、なんというか」
伝説の女戦士の特殊能力としては意外過ぎる。
「こう見えて役に立つんだぞ。鳥に手紙を届けてもらったり、ウサギやリスに森の中を偵察してもらったり。今も、ラウリン山脈の情報を聞き出していた」
「聞き出してって……しゃべれないのに?」
「………」
グリグラさんは何も答えず、空に鳥を放った。
と、次の瞬間。
大きな咆哮とともに、1体の巨大な魔物が裏庭に姿を現した。
「ひいっ!」
あまりの大きさに腰を抜かした。
でかい……。
でかいなんてもんじゃない。
グリグラさんよりも2倍も3倍も大きい人型のモンスターだった。
イノシシのような顔に、これでもかというほどの筋肉質な身体。そして手には凶悪なこん棒が握られている。
魔物ブックに載っていたオーガロードそのものだった。
「こ、これが……一晩で一つの軍隊を全滅させた……」
腰を抜かして身動きが取れない僕をかばうように、グリグラさんが前に出た。
「来たな」
それはまるでオーガロードが現れるのを待っていたかのような口ぶりだった。
「サリムは下がっていろ。こいつは見た目よりも素早い」
言われなくても、と思ったものの、腰が抜けてうまく動けない。
そうこうするうちに戦いが始まった。
最初に攻撃を繰り出したのはグリグラさんだった。
巨大な戦斧をオーガロードに向かって斬りつける。
しかしオーガロードはそれを難なくかわして、逆に巨大なこん棒をグリグラさんに叩きつけた。
「ひいいっ!」
グリグラさんも素早い動きでそれをかわした。
彼女が立っていた場所がこん棒の衝撃で粉々に崩れている。
あんなのを一発でも受けたら人間の身体なんてひとたまりもない。
すかさずグリグラさんがオーガロードに戦斧を振るう。それをオーガロードはこん棒で防いだ。
まさに熾烈な争いだった。
傍目で見ていても、動きが速すぎて追い付けない。
化け物同士が戦っているとしか思えなかった。
けれども、勝敗の行方はグリグラさんのほうに傾いていた。
オーガロードが防戦一方になっていったのだ。
『倒したよ、仲間と一緒に』
昨晩の言葉を思い出す。
仲間と一緒に。
それはいつのことだったのだろう。
やがて、オーガロードは勝てないと見込んだのか逃走を始めた。
どこにそんな力があるのかというくらいの素早さだった。
「逃がすか」
対するグリグラさんも猛ダッシュでオーガロードに追いつくと、逃げに転じたオーガロードの首を戦斧ではねた。
まさに一瞬。
オーガロードもいつ首をはねられたかわからなかったと思う。
首をなくしたオーガロードの身体は、そのまま大きな音を立てて地面に倒れ込んだ。
「す、すごい……」
僕はすぐさまグリグラさんのもとに駆け寄りたかったけれど、腰が抜けて動けなかった。
逆にグリグラさんがそばに寄ってきて、僕に手を差し伸べて起き上がらせてくれた。
「ケガはないか、サリム」
「は、はい……。すいません、身動きがとれなくて……」
「間近で初めてオーガロードを見たんだ。仕方ない」
それでも、足手まといになっていたことには違いない。
グリグラさんはあきらかにオーガロードを僕に近づけないように戦っていた。
危険度マックスの魔物を、ハンデを背負いながら一人で倒すなんて。
まさに伝説の英雄だ。
「気を失わなかっただけでも偉いぞ、サリム」
グリグラさんはそう言って僕の頭をポンポンと叩いてくれた。
お世辞であっても、褒められると嬉しい。
「さて、オーガロードも倒したことだし、この村はもう安全だな」
「行っちゃうんですか?」
僕の問いかけに、グリグラさんは眩しい笑顔を向ける。
「ああ。隣の街の近くに危険度の高い魔物が現れたらしいからな」
「らしいって?」
「鳥が言ってた」
「鳥が?」
そう言って空を見上げたグリグラさんの視線の先には、あの小鳥がチチチチと鳴きながら飛んでいた。
「なんだ、やっぱりしゃべれるんじゃないですか」
「さてな」
そう言いながら戦斧を肩に担ぐグリグラさん。
たくましい身体つきはカッコよさを通り越して美しく見える。
僕はグリグラさんに言った。
「グリグラさん! 僕、大きくなったら魔物ハンターになります! そして、いつかグリグラさんと一緒に世界中を旅したいです!」
きっと村のみんなが聞いたら「バカこくでね」と笑うだろう。
「無理に決まってる」と言われるかもしれない。
けれどもグリグラさんは優しく僕の頭をなでながら「そうか、頑張れ」と言ってくれた。
僕はその言葉を生涯忘れることはないだろう。
彼女の手の大きさとムキムキの筋肉、そして溢れんばかりの優しさ。
この瞬間、グリグラさんは僕にとって初めての憧れの女性となったのだから。
お読みいただきありがとうございました!
上部は無表情で怖いグリグラさん。
ラストのイラストは優しそうな表情を浮かべるグリグラさんです。
どちらも素敵なイラストでしたので、2枚とも載せさせていただきました♪
改めて企画を立案しました長岡様、イラストを提供してくださった星影様に感謝を。