表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合帝国  作者: 旅籠文楽
1章 -

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

212/370

210. 国内の異国(前)

寝坊のため本日投稿分は非常に短く、また無推敲です。

最近こんなのばっかりでホント申し訳ない……。夏の暑さがみんな悪いのよ!(転嫁)

 


     [2]



「―――ごきげんよう、百合帝国臣民の皆様、並びに同盟国臣民の皆様。百合帝国の女帝を務めさせて頂いております、ユリと申します」


 いつも通りの挨拶からその日の夜の『放送』を開始したユリは、視聴者に向けて神域都市『蓬莱』のことを紹介し、実際に都市内を歩き回ってその様子を伝えた。


 百合帝国や同盟国の人達へ向けて、公式に『蓬莱』の情報を出すのは、これが初めての機会となる。

 ユリタニアやユリシス、ユリーカの都市のいずれとも異なる、ユリにとってはどこか懐古的で、この世界の人達にとっては『異国情緒』に溢れる蓬莱の街並みは、きっと『放送』を目にした多くの人達の関心を惹いたことだろう。


「この『蓬莱』の都市へは、年明けと同時にユリシスから『転移門』を利用して移動できるようになります。既に『探索者ギルド』での登録を済ませている方なら、年始初日から自由に移動できますので、いつでも来てみて下さいね」


 また、ユリは『放送』の中で『転移門』による神域都市へのアクセスを、来年の年始から一般解放することを視聴者へ通達する。

 蓬莱の都市には『迷宮地(ダンジョン)』こそ無いけれど、他の都市に住まう人達にとっても魅力的な場所が沢山ある。きっと足を運んでくれる人は少なくない筈だ。


 例えば、日本語や計算などを誰でも無償で学ぶことができる『八意塾』がある。

 百合帝国と同盟国は、それぞれ公用語として現在の共通語に加えて『日本語』を採用することを既に決定しているため、これを学ぼうとする人は今後徐々に増えていくことだろう。

 また、その近所には日本語の修得を完了した人に限り、自由に無償で利用できる『図書館』も建設されている。

 蔵書数はまだ少ないけれど、この世界では本はそれなりに高価なものなので、それが無償で読める施設には興味を持つ人も居る筈だ。


 『八意塾』から少し離れた位置には『道場』がある。これは最近スサノオから要請を受けて、慌てて『桔梗』の子達が急造した施設だ。

 どうやらスサノオは24時間いつでも視聴することが可能な、『迷宮地(ダンジョン)』を探索する人達の『放送』を見て、それを支援することを生業にしたいと考えたらしい。

 探索者の強化は国に利することなので、ユリもこれを後援することにした。


 この道場ではスサノオを筆頭に、武勇に秀でている神々から直接、武器の扱い方や戦闘技術などの初歩を教えて貰うことができる。

 運営資金は国庫から出すことになったので、こちらも百合帝国や同盟国の民なら誰でも無償で利用することが可能だ。

 既に探索者として活動している人達であっても、案外武器の扱い方というものは誰からも教わらず、独学だったりすることが多いらしいから。道場を利用しようと考える人は、きっと少なくないだろう。


 『蓬莱』の都市の中央商店街では、神々が経営する飲食店で独自の食文化を堪能することができる。

 寿司や天麩羅といった、いかにも日本らしい食事を振る舞う店ももちろん用意されているし、他にはお弁当やおにぎりのような、持ち帰って食べられるものを商うお店なども用意されている。

 個人的にユリは―――丼物を出す店などは、この世界の人達にも受けるんじゃないかと思っている。ユリが『蓬莱寺百合』として日本で暮らしていた頃に、同じ造園会社に勤めていた外国人の同僚が、毎日のように牛丼や親子丼を好んで食べていたのを覚えているからだ。

 この世界では『米』は一般的な食材ではないらしいけれど。神域都市に米料理を振る舞うお店が沢山ある以上、その食文化が百合帝国や同盟国の人達に浸透するのは、時間の問題だと見て良いだろう。


 飲料に関しては、スクナビコナが醸造した『日本酒』を始めとした酒の数々が、蓬莱の酒店では販売されている。

 この世界で一般的に飲まれている酒とはどれも全く異なるものばかりなので、酒を愛する好事家の目に留まればすぐに広まることだろう。


 またユーロの主導により、年始までには蓬莱産の果物を材料に用いたジュースや果実酒の開発も進んでいるはずだ。

 材料が潤沢に収穫できることもあり、蓬莱で販売されるジュースはかなり安価に抑えることができる筈だ。今まで『食文化』ばかりを楽しんできた百合帝国や同盟国の人達に、また新たな楽しみを齎すことだろう。


 もちろん『甘味』のことも忘れてはいけない。まだ砂糖自体が高価であるため、どうしても高級嗜好品になってしまうのだけれど……『和菓子』などの甘味文化もまた、この世界の人達の関心を惹くことだろう。

 サトウキビやテンサイは蓬莱の都市内で量産体制を確立するつもりでいるので、潤沢な生産が行われるようになるまでに、それほど時間は掛からない筈だ。

 そうなれば砂糖の市場価格が一気に下がる筈なので、砂糖を利用して作る甘味の価格も同様に下がる筈だ。

 甘味が誰でも気軽に買える価格になるよう、早急に手配しておきたい。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 甘くないサトウキビにならないといいね……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ