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お前、死んでんだろ

 どうやら俺は死んだらしい。


 享年27歳。世間的にはまだ若いのに云々言われるが、子供たちからみりゃおじさんの年齢である。

 しかも会社で死んだ。課長の定時帰りを手伝っている俺としては社畜らしいっちゃらしいが、やばいヤツにぶっ殺されたのが死因という甚だ意味わからん現実。そもそもあんなのホラー過ぎて思い出したくもないし……未だ残ってるその感覚は、下半身が千切れる感覚……うえ、気持ち悪い。

もうやだ。

お家帰る。


「ちょっ、ケイスケ大丈夫!?」


 と思った矢先。また女の声が聞こえた……え、え、え、まだヤツおるん!? うそおん! 俺死んだんじゃねえのかよ……。パニックになりながらもがばっと顔を上げると視界にあるものが映ったのが分かった。


 足だ。


 続いて、短い紺色のスクールソックス、暗い赤色のスカート、そこに吸い込まれるほっそい太ももの先に窺えるピンク色のぱんてぃ……


 あれ、俺ったらいつの間に大人向けのコスプレ店に来てたのかしら。


「きゃあー!!!」


「アァァァー!」


 とかアホな事を考えていたら、なんだか叫ばれたので、なんでか叫び返した。おい。本当になんなんだよ。そう言うよりも早く俺の腹にスカートから伸びた足が落ちてきてドォン! と一発。尽かさず、おえええ、とかニャンちゅうみたいな声が出た。てんめぇこのやろ何しやがる!


「こんなサービス頼んでねぇぞ!」


「な、なんの話してんのよ! ってかいきなり顔上げるなしっ! 確信犯だなこの変態変態変態っ」


「言葉責めオプションだと……!?」


 お金払わないと聞けないような言葉の連呼を全力でされ、ますます訳が分からなくなる。なんだこれ。状況がわからん。頭を抱えておろおほしてると、急にカラッとカーテンの開く音が聞こえ、視界が一気に明るくなった。明順応とともに理解する、自身の置かれた場所……


「きょ、教室?」


 木目の床。少しボロい机。黒板に時間割表。そしてなによりも、制服姿の少年少女の姿。


 学校だ。


 俺は、学校の教室のど真ん中。そこに横たわっていた。

 しかも、ご丁寧に自分も制服を着て。


「なんで、俺、こんなとこに」


「あーあー、もう知んない! ちょーと心配したらセクハラされるとか、到底、幼馴染みの所業には思えないんですけど」


 混乱。当惑。情報の濁流に完全に付いていけなくなっている俺に、"そいつ"はまるでいつものような――さっきまで俺と一緒に居たかのような口調で、悪態を吐いている。おかしい。だって、目の前に居るのが有り得ないハズの人間がそこに居たんだから。俺の目の前に立って居たんだから。


「ねえアンタ。マジで大丈夫? むっちゃボーッとしてるけど、もしや打ち所悪かった感じ?」


「………あ、あざみ」


「な、なによ」


 不満そうで、怒ってるようで、しかしどこか安堵したような表情を同居させた"そいつ"。俺の人生の中で唯一昔からの仲のだった人間で、もう会いたくても会えない世界に行っちまった、無茶苦茶でバカで、だけど真っ直ぐで、一応大切だった"ともだち"。


 美浜あざみ。


 俺の幼馴染み。


 もう死んでるハズの、女がそこにいた。

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