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碧眼の怪物  作者: 曼珠沙華
第一章.その女、沖田総司曰く。
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第4話 その4

 今回、僕が沖田さんに薦める本は大きく分けて二種類。

 自分が読んだことのあるものや、ネット上の信用できそうな口コミを頼りに、各3タイトル程度を予定している。このくらいピックアップしておけば、沖田さんの琴線に触れるものがいくつか見つかってくれるだろう。


 まずは歴史関係の書籍。その中でも明治〜戦前あたりのものをいくつか選んできた。

 沖田総司が死亡したのが明治に入る直前。もし沖田さんが本人で、この時代に蘇ったのだとしたら、その時期の知識が欠落している可能性はあるだろう。その足しになればいいかな……なんて。

 図書館で読んだ渋沢栄一のやつと、日露戦争を題材にしていたやつはすぐに見つかった。それと……あった、北里柴三郎の伝記物。ネット上では予約が殺到しているらしいが、そんなに面白いのだろうか。

 しかしこうして並べると、三冊とも執筆されたのが30年以上前だ。最近の著書をいくつか足しておこう。


 そしてもう一種類はライトノベルだ。家では興味津々に読んでいたし、おそらく喜んでくれることだろう。

 ただこいつは当たり外れが激しい。長続きしているものは、沖田さんがハマれば自然に読んでいくことだろう。そう考えて僕が選んだのは、3〜4巻程度刊行されている、これからの展望が見えている作品だ。


 これで9冊。

 ……なんだか当初の予定からいくつか増えているが、僕が優柔不断なだけだ。

 まぁ下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、なんて言葉があるのだ。沖田さんのことをよく知りもしない僕は、下手な作品を手渡すくらいしかない。

 携帯電話を開くと、約束の一時間が迫ろうとしていた。遅れないようにそろそろ向かおうか。


 そう思った矢先に、ライトノベルコーナーの一角が目に入る。

 それは沖田さんが続刊の有無を僕に質問した、あの作品だった。書店員が気合を入れて作成したであろうポップには、オッドアイのヒロインと『⑧巻』という文字が大きく描かれている。

 ……早く戻ろう。

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