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碧眼の怪物  作者: 曼珠沙華
第一章.その女、沖田総司曰く。
19/91

第4話 その3

 さて、今日の予定を整理しよう。

「まずは本屋――一番近いところにそこそこの大きさの書店があります。午前中はそこで時間をつぶして、そのあとお昼にしましょう」

「あれ、今朝の栞って、お昼ご飯なんて用意してましたか?」

「してません。なのでどこか適当な場所で食べる予定です」

 具体的な場所は、そこそこ人の多い喫茶店か、安くてたくさん食べられる中華料理屋か、真っ先に思いうかんだのはこの二つ。どちらも近場だから労力は変わらない。後できちんと考えるか。

「う~ん、残念です。また最後に栞のご飯が食べられるのかと思っていたので」

「弁当箱は、一人分しか持ってないんですよね」

「では仕方ありませんね……」

 物悲しげなジェスチャーをしているけど、半分以上フリなのが見ていてわかってしまう。昨日もそうだが、沖田さんは演技はあまり得意じゃないのだろうか。


 話を戻そう。

「とりあえずどこかでお昼を食べたら、今度は古書店に行きます。取扱量はなかなかのものなので、こちらに多く時間を回そうかと」

「合点承知です。いやぁ、楽しみですね」

「えぇ、そうですね」

 この青い空と同じく、気分も晴れやかになっていくようだった。




「そこそこ、なんて言った割には……かなり大きくありません?」

「まぁここ、都会ですからね」

 沖田さんはどうやら絶句しているらしい。僕はこれより大きいお店をいくつか見たことがあるので、あまり驚く要素はない。

「でも午前中で終わりますよ。僕は大体の目星をつけてますし、沖田さんもそうじゃないですか?」

「……まぁそうではあるんですけど」


 とりあえずは昨日の打ち合わせ通り行こう。

「入り口で解散して、お互いに相手に薦める本を持ってくる。一時間後に集合して見せあったら終わり、って感じで大丈夫ですね?」

「えぇ、大丈夫です。では行ってきます」

 広さに驚いていたけど、沖田さんの足取りには迷いがないようだった。あっという間に本棚の山の中に姿を隠してしまう。

 自分で締め切ったけど、一時間は案外短いものだ。僕も早く探しに行かなくては。

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