第4話 その1
「……晴れましたね」
「いいお出かけ日和ですね」
昨夜、沖田さんのスマホで調べた時は降水確率70%だったのに、今朝窓の外を見てみると、雲ひとつない晴天が広がっていた。
「正直不安だったんですけど、幸運でしたね」
「あ、でも念のため傘は用意しておきましょう。私は大丈夫ですけど、栞は濡れるとまずいでしょう?」
「沖田さんが濡れるのだってまずいですよ」
当たり前だ。お互いに風邪を引くような結末は見たくない。
「でも、私の傘って家ごと吹っ飛んじゃったんですよね、あはは」
さもジョークのように軽く笑い飛ばしているけど、やはりとんでもない事態ですよね、それ。
「小さい傘ですけど、その時は沖田さんも入ってくださいよ」
「……それもそうですね」
沖田さんはふにゃりと笑い返した。
今日の朝食は、朝から歩いて移動するので少し遅めに、少し多めに。そんなつもりで作っていたのだが、沖田さんは軽く平らげてしまった。
そんな姿を見ていると、やはりどこか嬉しくなる。誰かに気持ち良くご飯を食べてもらうのは、僕にとっても気持ちが良い。
特に威勢の良い「おかわり!」という声には、快感を覚えてしまいそうなほどだ。自分の作ったご飯で他人が幸せになることが、こんなにも心を安らがせてくれるなんて考えたこともなかった。
……また、誰かに振る舞えたらいいなぁ。





