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「念入りに死ぬ話。」  作者: 猫SR
6/6

最終話。






一頻り、

激しく泣いたあと

奥さんはハンカチで鼻を押さえて



「罪悪感よりも

ほっとした気持ちでした、

解放された気分で、、



でも浴室から出て

洗面所の扉を開くと


そこに良太が立ってたんですっ、


全てを聞いていたのでしょうか

泣いていました。



そこで私は我に帰り、

あぁ、私はこの子の父親を

殺してしまったんだと。



二人で朝まで抱き合って寝て、」




再び奥さんがタバコを手にする、

今度は自分の電子ライターで

火を点ける、、


奥さんがテーブルに置いた

銀色のライターを

ぼんやり眺めてたのを覚えている。




「警察官の他に

刑事さんも二人来ました、

もう何を聞かれたか

あまり覚えていませんが

私は自分があの人を沈めた事以外は

全て洗いざらい話しました。


前にテレビか何かで

殺された人の指の爪に

犯人を引っ掻いた皮膚が残っていて

それが犯人逮捕の決め手になった、

そんな話を思い出して

かなり不安でしたが

普通に事故として処理されて

ほっとしたんです。


ですが…、


二人来た刑事さんの内、

若い方の人から

任意の事情徴集として

何回か呼び出されました。


その人は家にも来ました。


私は、、


その刑事さんの視線に

私を被疑者としてでは無く

女として見てるのを

何と無く感じ取って、、、



暫くしてから

夫を亡くした心細い女を演じて

その刑事に抱かれました。


再度、関係を迫られた時に

警察に相談しますって

言ってやったら

それっきり連絡は無くなりました。」




そう言うと、

微かに奥さんは笑う。







「あの人を沈めた時に

一瞬、猫さんを思い出しました、

私に力を下さいって。」




ドキリとした、、、

奥さんの視線から

なんとか逃れ様と

俺もタバコに火を点ける、、、





「…笑、、、


猫さん、夫を殺した女を抱ける?



安心して、

責任取れなんていいません、

私は結婚しますから。」



(…え?!)




「小さな会社をしてる社長のお客さんで

前から贔屓にしてくれてた人が

居るんです。


奥さんを随分前に亡くされて。


年がすごく離れてますが…、笑




…私は夫から、、


あの人から逃げる為に

してはいけない事をした、


この十字架は、、

一生背負って行く、

あの人に謝りながら

良太の為に生きて行かなきゃ、


そう決めたんです。


自分の気持ちより

良太が、、


良太が大切なんです。




良太が居なきゃ生きて行けない。」






なんて答えたら、、、





奥さんは俺の隣に来ると

俺のタバコを取り上げ

灰皿で揉み消した、、、


俺の手に

自分の手を重ねる。





「最後の

あ、、、

初めてのわがままを


…聞いて下さいますか?」





それから俺は

奥さんに手を引かれ

隣の部屋へ…



薄暗い部屋に布団は無かった。



引き戸の敷居で

躓きながら

もつれ会う様に

二人して 倒れ込む…





俺が下で




奥さんにkissされた…




髪を撫でられ

見詰め合い、、、


耳にkissされ

首にkissされ、、、







気持ち良くて、、、、

眠くて、、、








俺はそのまま


深い眠りに落ちたんだと思う…。










思い出した、

いや

既に思い出していたんだ。



わざと自分の気持ちを、記憶を、

自分自身で鍵を掛けて

封印して、、、、、




ああ、

俺は、、



あの夜を覚えている、

こんなにも鮮明に。




奥さんの表情も

髪の毛の匂いも




白い滑らかな肌も

温もりも。










「どうかしましたか?」



店主の奥さんみたいな人に

声を掛けられ、

咄嗟に、、



「あ、、、

豚カツ、、カラシを付け過ぎた、、、」



「あ、笑

お冷や、お持ちしますね。」




危うく定食屋で泣くとこだった。








金を払い、店を出る。



ちとさぶい。




見上げると

夜空に月は無かった。


対向車線の車のライトが眩しい。






あれ以来

何の音沙汰も無いが、、


と、思いつつ歩いてると



ふと、思い付く。





そうか、


俺、あの人の電話番号を登録してねーから。



ズボンのポケットから

ガラケーを引っ張りだして

メールを開く。



案の定、

迷惑メールフォルダに

奥さんの電話番号の

ショートメールが何件か入っていた。



そーいや、

メアドは交換しなかったな。


既にガラケー版のラインも

閉鎖になっちまって、

俺、今、ラインも出来ねーし。




…メールの細かい内容は、


まぁ、ここには書かない。




最後のメールでは

俺がHしないで爆睡した事を

軽く詰った内容だった。









もう

絶対に会わない。



そう書いて有った。








うん、それがいい、

そうしなきゃ。









生きて下さい。


貴女自身と良太の為に。








きっともう、

あのアパートには居ないだろう。








先輩、すいませんでした。




貴方の墓は

知らないまま、に、します。





ごめんなさい。










ホテルに帰って

エレベーターに乗り

部屋に入ろうとしたら

カードキーを

トラックに入れたままだったから


「ちっ、」


舌打ちして

また、駐車場に戻る。






もう遅い時間なのに

今時の中学生?はジャージのまま

まだ友達と街をうろついている。








…ふと。





何年もして、ある日突然、

どっかで良太と会ったら

俺は良太が解るだろうかと考えた。





子供の顔は変わる、

変わらない子もいるけど。








良太は俺に気付くに違いない。




もう、おじさんの俺は

そんなに変わらんだろ。










もし、


どこかで偶然、良太に出会ったら





俺は右手をピストルにして




バーンってあいつを撃ってやる。










…良太はきっと、




ニコッて笑って





ペコリと頭を下げるに


違いない。













































ガラケー版の

「小説家になろう」が

H31年1月29日の14時で終了と知り、

慌てて投稿した。




未だガラケーの俺は

あちこちのサイトから締め出され

中々に肩身の狭い思いだ。



まるであらゆる場所が

全面禁煙になってしまった

喫煙者の様である。

俺。



俺がガラケーに拘る理由は

過去作品、

「ガラケーゆえ。」に記載している。



と、宣伝しておく。



今暫くは

スマホに変えるつもりは無いので

暫くはここに来れない。





いつか、、からなず戻って来る。






俺の数少ない、、

極々僅かなファンの皆さんの為に。






平成31年1月29日 午前3時。




猫SR





てか、ねもい。


明日の仕事はキツそうだにゃー、、、








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