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W 002話 全艦発進!

 時を進める事数年……



 194◯年◯月◯日  『フランス ビスケー湾 同盟艦隊』


 ビスケー湾に無数とも言えるほどの艦船が集結していた。

 同盟を構成する国々のうち海軍を擁する九ヵ国から派遣されて来た艦艇の群れだった。


 今や海戦の主力となったと言える空母をはじめとして、戦艦、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、敷設艦、給油船、輸送船など、あらゆる艦種がひしめき合っている。

 

 その中でも遥々太平洋から派遣され来た「大日本帝国海軍欧遣艦隊」の存在は際立っていた。

 

 太平洋とインド洋で数々の戦いを繰り広げアメリカ海軍とイギリス海軍に幾度もの敗北を味あわせ勝利して来た日本艦隊の存在は、他の多くの同盟軍将兵に頼もしく見られ感嘆されている。

 

 今や世界的にも日本海軍は「無敵日本海軍」との呼び声も高い。

 日露戦争においてロシア艦隊を破った強さは健在だったと、「アドミラル東郷」の薫陶は受け継がれていると、惜しみない賛辞をおくる識者は多い。


 その日本艦隊の活躍故に同盟国への参加国も増えたのだ。同盟が勝利するのものと見なして。

 

「大日本帝国海軍欧遣艦隊」の中でも世界最大級の戦艦「武蔵」の威容は他の多くの同盟軍将兵を驚かせる共に勇気づけ奮い立たせている。


 今や確かに空母が海戦の主力となった。しかし、それを理解しているのは指揮官クラスや士官達であり兵達にはまだまだ戦艦が海戦の主役だという考えが一般的だ。

 だからこそ類を見ない巨大な戦艦「武蔵」の存在は大きかった。


 これから大西洋を越えて最後の戦いが始まる。日本以外の同盟軍艦隊の将兵は一部の者を除いて日本が味方である事を嬉しく思い、同盟が勝利する事を疑っていなかったのである。

 

 そして遂に作戦が始まる時が来た。


 同盟艦隊総旗艦「武蔵」より伏見宮司令長官による訓示が行われる。


 既に各国には訓示の内容は伝えられており、通訳から翻訳が告げられる体制になっている。

 そして訓示が始まった。


「全ての同盟艦隊将兵に告げる。

これより戦いが始まる。

それも大きな戦いだ。

多くの血が流れるだろう。

だが、それを恐れてはならない。

既にこれまでにも多くの我らが同胞の血が流された。

彼ら同胞の死に報いるためにも、祖国で我らの帰りを待つ人々のためにも、我々は必ずや勝利しなければならない!

自由主義の名のもとに全世界の支配を企む連合軍の野望を今こそ打ち砕くのだ!

これから起きるであろう大海戦の日を我ら同盟、ドイツ、イタリア、ルーマニア、フィンランド、フランス、クロアチア、スペイン、トルコ、日本の同盟九ヵ国艦隊の勝利の日として歴史に刻み込むのだ!

同盟艦隊に勝利を!

全艦発進!!」


 今、世界に新たな未来を切り開くため同盟艦隊が動き出した。

 彼らを待ち受けるのは栄光の勝利か、苦い敗北か。

 いずれにしろ彼らを待ち受けるのが熾烈な戦闘であるのは間違いなかった……


【続く】

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