36話 ローブ姿の男たち
「!? そこにいるのは誰だ! 出てこい」
やっぱりそうなるよね…こんな場面でクシャミしちゃうなんて…オルを後ろの隙間にグイっと押し込み両手を上にあげて出ていく。
「何だ貴様は。グロルとホズンを何処へやった」
私は首をふりながら
「わかりません。洞穴を見つけたから入ってみただけなんです。声が聞こえて人が来たから慌てて隠れただけなんです。私が来た時には誰も居ませんでしたよ」
「フム確かに貴様の様な小娘にヤられる奴らではないと思うが…」
「レビン様、このような夕刻に小娘がこんな所に居るのはおかしいです」
「だな。おい貴様この森で何をしていた」
「友達が森に行ったきり戻って来ないので探していたらこんな時刻になってしまって…」
あれっ? 話を聞いてくれるのなら誤魔化して外に出れるかな? 無事に逃げれたら後でオルを迎えに来よう。
「あぁそう言う事ならさっさと出ていけ」
「あっはい。お邪魔しちゃってすみませんでした」
私は外に向かって歩いて行く。後ろを警戒しながら…
「おい。貴様の足跡それは何だ?」
えっ足跡…? しまった! 魔方陣を爪先で消したんだっけ。爪先に白い絵の具っぽいものがついていた。確かに書きかけの魔方陣を踏んだくらいじゃ爪先にはつかないよね。
「これは先程よろけた時についたんだと思いますが…」
「怪しい奴め。顔も見られた事だしここで死んでもらおうか」
多分そうなるとは思っていたよ。でもこれで前と後ろから攻撃できるって事だよね。私は剣を抜き構える。2対2なら何とかなるかな…。
さっと間合いをつめて斬りつけた。だけど、バリアの様な物に阻まれて剣が弾かれる…なら魔法剣なら! 左手に炎の魔法を生み出し右手と合わせると、炎が剣を包み込んで…これで斬りつける。
バリアの様な物はスパっと切れたけど、レビンとか言う奴には届かなかった。でも切れたんだ! 何度でもヤッテやる。オルはもう1人を相手に切り裂こうとしていたけど、風の魔法に阻まれて上手く攻撃出来ていない…。私たちって経験値が足りてないよね…どうしたもんかな…!
腕に痛みがはしった…痛い…というより熱い…腕を見るとレビンが放った鋭く尖った氷の塊が刺さっていた…クッ…マズイこのままだとヤられる…収納から火炎瓶を取り出して投げつける。怯んだ隙に洞穴の出口に向けて走った。
オルも飛んで来る。もう少しで洞穴から出られると思ったところで、また1人現れた!
「ここから逃げられると思うなよ」
ガタイの大きいローブ姿の男。2対2でもダメだったのに3対2じゃ無理かな…何か逃げられる方法はないか色々と考えてみるけど、こんな状況じゃ何も思いつかない…あぁせっかくこの世界に来てのんびり楽しく過ごそうと思ったんだけどなぁ…って言うかもっともっと修行しておけば良かったよ…まぁ今更なんだけどね…
よし! この状況を無事に抜け出せたらもっともっと修行して力をつけるぞ!
後ろに居たオルが追ってきたローブの男たちに向かいあう。オルの身体が淡く光りだし、そして無数の白い羽が矢のごとく飛び出す。追ってきたローブ姿の男たちにその矢の様な羽が突き刺さる。
私は目の前のガタイの大きいローブ姿に体当たりをかまして逃げようとしたけど、ビクともしなかった。傷ついた腕を握られ叫び声をあげる…オルも私が捕まっているので手を出せない…ここまでか…そう諦めかけた時、
「助太刀致す!」
武士の様な格好の灰色の獣人が現れた。その灰色の獣人は刀でガタイの大きいローブ姿の男の腕を斬り飛ばした…。




