表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼうやのお店(完全版)  作者: につき
3/3

三、

「あれ……」

ぼうやが目を覚ますと

ゆきの模様と鹿の絵の 大きな箱がありました

かたわらに 倒れるように眠っている人が いました

なんだか いつもより 体が軽くって

なんだか いつもより こころも軽くって

なんだか いつもより 楽しかったのです

ぼうやは その小さなぷっくりとした手で

眠っている その人の髪の毛にふれました

やわらかくて やさしくて

ぼうやは なんだか 涙がでてきました

ぽつりと 涙がその人のほおに落ちました

「あれ……ぼうや。どうしたの」

「……だっこ」

ぼうやを あたらしいお母さんは ぎゅっと抱きしめるのでした

なんとも甘い 子どもの匂いがします

めをとじて ほおを寄せて

「ぼうや……さがしたのよ」

「うん。だいすき。」

よるが明けようとしています

まいにち まいにち 新しい日がやってきます

すこしずつ すこしずつ 昨日は とおくなっていきます 

だから ぼうやのお店は年中無休です

幼子の夢の中には、こんなお店があって、寂しさと悲しさを楽しいことに交換してくれたらいいな、と思って書きました。誰にでもあった幼き日に。純粋な光を失わないままに生きることの切なさをこめて。(しかし、最初に書いた自分に追いつけない。あのころ相当追い詰められていたのでした。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ