表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼうやのお店(完全版)  作者: につき
2/3

二、

「あの子……こんなに」

ポニーは

そのすこし掠れた声で呟きました

レジには

たくさんの寂しさと悲しみがありました

だまったままで

ジャコウネコは一つ二つと寂しさを数えました

三つ四つと悲しみを数えました

それをあつめて銀行へ持っていくのです

ほのかに光る思い出と交換するのです

「ふう……」

みんなで 思い出を箱に詰めました

たくさん たくさん 詰めました


つぎのよるとあさの間に

ぼうやをむかえにきた人が やってきました

「わたしには ぼうやの思い出がないの」

そういって また たくさんの悲しみと寂しさを置いて

ほのかに光る ぼうやの思い出を貰っていきました

そのひ ぼうやは熱を出していたのです

熱にうなされて

「……。……。」

くりかえし くりかえし 呼ぶのでした

その人には それが どうしようもなく 不憫なのでした

マンボウは その白いかおを曇らして言いました

「たいへんね この思い出を冷やして おでこにのせてあげて」


ぼうやは 夢のなかで 夢をみました

しろい砂浜を 

……たたたた

はしっていました

光に まぶしい おかおがありました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ