~選択の責任~
【目に見えるもの】だけを信じて、自分の【心の声】に耳を塞いで、【偽りの愛】を手にして、それであなたは幸せですか?
心ではもう【どうしようもないくらい愛している】のに、第三者の目や言葉に惑わされて正しい価値観が見出せなくなっているのではないでしょうか。
好きでもない・愛してもない人との生活程苦しいものはありません。
どうか一人でも多くの人が【真実の愛】に気づきますように…
そして必ず今生で【運命の二人】が結ばれますように…
『強くなるんだ。』
赤信号で止まった車の中で俺はそう自分に言い聞かせた。
窓の外に目をやるとコンビニの駐車場に見慣れた水色の車がとまっていた。
『まさか⁈』
そこには俺が守らなければならなかった女性と息子になるはずだった少年が乗っていた。
『どうして最後まで目にしなければならないんだよ、』
その時【運命】という二文字がふと頭をよぎった。
「ほら見てみろよ、あの女だよ」
俺はその二文字を打ち消すように、助手席に座っている妻に言い放った。
「どれ?」
笑いながら2、3回覗き込むように身を乗り出すと、後ろにいた息子が急に立ち上がった。
「ほら、危ないから座って」まだ4歳になったばかりの彼に諭すように言うと
足をバタつかせて腰を下ろした。
「あっ、青よ」俺は妻に促されるとアクセルを強く踏み、音楽のボリュームを上げた。
バックミラー越しに水色の車が俺たちとは真逆の方向に走り出して行くのが小さく見えた。
【俺たち】は今、背中合わせで離れた。
『もう戻らない』そう心に固く誓った初夏の日曜日の午後だった。




