冒険者
お金を稼いだがもう少し小銭を稼ぎたいと思いノーマに聞いてみると、
「依頼は掲示板に書いてあるけどわからないですよね文字が、私が説明するので何が良いですか」
そう言われ討伐とかはもう昼になるので、
「力仕事で、死ぬほど大変だけどお金になるのが希望。」
そう言うと、
「そうね、ひとつあるけど誰も成功しないの、違約金もたまってなんと銀貨3枚」
そうノーマが言うと横から、
「うそ、まだあれ達成してないんだ、一番の力持ちのゴルドフは」
「腰を痛めてなの、ズイセツさん受けるならいいけど失敗すると違約金がかかりますのでご了承ください。」
私は了承すると依頼状を貰い行こうとしたが、場所がわからない。
「私興味あるから場所教えるね。よしいこう。」
そう言いながらミュールが私の腕を引っ張っていく、大通りに出ると右へ曲がりそのまま引っ張られていく。
大通りを外れいくつかの通りを抜けていき、私の目には衛星からの地表図が写し出され現在の場所を表示している。
どうやらこの先に大きな建物がありそれが目的の場所かと思いながら見えた来た石造りの建物に入った。
中は薄暗く、眼の機能であるナイトビジョンを使い奥へと行くとようやく作業場らしきところへ出る。
そこには背丈は私と同じくらいだが腕の太さお腹の太さは比べようもないドワーフがこちらを見ており、ミュールが私から依頼状を取るとドワーフに渡す。
胡散臭そうに私を見てミュールに話しかけると、
「あそこにあるハルバードをそこの台座に置くだけ。」
そう言われ、
「あれをあそこに、それだけ」
「あれは黒陽鉱石で鍛えたもので、重量軽減を付与する前に助手がミスってしまい石の床に落とした。数人で持ち上げようとしたがピクリともしないそう言ってる。」
私は頷くとハルバードの石の床から出ている柄の石突を持つ、全身に力をいれながら体のパワーゲージが上がっていく、100kgをこえすでに200kgそれでも動かずさらに力をいれると400kgをこえ600kgでようやく動き始めゆっくりと持ち上げていく。
両足に重さがかかり床の石にヒビが入っていき、ゆっくりと移動して台へと置いた。
さすがにここまで力を出すとナノイドが発熱しており熱さを感じながら振り返るとあっけにとられた二人がおり、
「ミュール、これでいいか聞いてくれ」
そう聞くとミュールより先に男のドワーフが走りより誉めているのか分厚いグローブの様な手のひらで私の肩を何度も叩いて喜んでいる。
ミュールはようやく気がついて、
「すごすぎます。誰も持ち上がらなかったのにすごすぎます。」
そう何度も繰り返しており、ドワーフは
「ゴルドフ」
そう自分の胸を指したので私も同じようにして、
「ズイセツ」
そう言って握手すると依頼状にサインをしてくれ渡してくれる。ゴルドフは助手達を呼び付与の魔法の細工をし始め、見ていたいが秘密らしく追い出されてしまいミュールとともにギルドへ戻った。
「えーーーー依頼を完了させたんですか、すごいサインもある。」
そう言ってノーマは驚き他の職員も騒ぎを聞いて集まり私が依頼をこなしたことに驚きを隠せずにいる。
カードを水晶に指すように言われ依頼を完了させカードと銀貨を貰うと夕食と宿に泊まろうと思いノーマにたずねると、
「よいどれ酒樽亭と言うのがおすすめです。」
そう言うやいなや、
「よしいこう」
そう言ってミュールは私を引っ張っていき、私とノーマは苦笑しつつ手を振って別れた。
大通りを今度は左におれていくと噴水広場がありその正面によいどれ酒樽亭があり、ミュールは私を引っ張って入っていく。
中は酒場になっており少し時間が早いのか酒を飲んでるドワーフは少い、ミュールが女将さんの所へ引っ張っていき話を始め、
「ズイセツさん、一泊食事つきで銅貨10枚、酒は銅貨3枚、ご飯だけは銅貨2枚です。どうしますか」
「1週間ご飯つきで、ミュールの分のご飯も頼めばいいよ」
そう言いながら銀貨を出すと100と読むらしい銅貨何枚かをお釣りでもらう。食事が出来るまでテーブルに座ってこの国の事を聞いてみる。
「この国は北の大地に位置するドワーフの国バルトーク、町はここ以外に4つありそれぞれで鍛冶屋が主な産業で武器を輸出している。」
お酒を飲みながらさらに、
「今はヒューマンの国であるソロモン人民共和国と協定を結んでいてオールドニックと戦っております。そのヒューマンの中心に有るのはメシア皇国なんだけど、よくわからない国なのよね」
そんな事を言ってるうちにいつの間にか酒場はドワーフであふれかえる。私はミュールにドワーフの言葉とヒューマンの言葉をそれぞれ教えてもらうと、
〈ズイセツ、翻訳がうまくいかない理由がわかりました。発音にあの不明な成分が影響しておりそれが揺らめきとなっています。それが不可能としているようです。しかし予測で翻訳をしていきます。〉
そう言われ、その成分が気になるがおいおいだなと思いながら酒を飲んでいると、ドワーフ達が私の顔を見ながら噂をしているようでしばらくするとこちらへ来た。
「お前が討伐してなおかつあのハルバードを持ち上げたやつか、こんなにやせっぽちなのにどんな魔術を使い我々を騙したのだ。」
そういちゃもんをつけられたが私は横目で見ながら酒を飲み続けていると、無視されたのを怒りながら私の前に立つと胸ぐらをつかまれる。
面倒と思いながら腕をとって力任せにひねりあげると悲鳴をあげ私はそのままドワーフを床に叩きつけ、
「ドワーフとは魔術で騙されるほど愚かで魔術に勝てないほどの弱い者なのか」
そう言うと叩きつけられたドワーフは私の力にあがなおうとしているが私はそのまま首を絞めあげ落として気絶させる。
そうすると知り合いなのかドワーフが立ち上がりこちらへ来ると、
「馬鹿で恥知らずなこいつと一緒にしないでほしい、バルミウムを討伐してくれたことは町の皆が感謝している。」
そう言うので、
「いえ、私も言い過ぎました。すいません。ところで腕相撲でもしませんか、皆さん力自慢が揃っているようですしいかがですか」
そう言うと次々と男達が立ち上がりまわりに集まる。女将さんが迷惑そうにこちらを見ているので、
「挑戦者は私から一杯ずつ酒を飲み干してもらおう。私も飲みますが」
そう、この際体の機能の1つである毒素などの中和を試してみたくなった。
100銅貨を数枚渡すと酒が次々と運ばれ腕相撲大会が開かれる。
まず最初に目の前の男との初戦、テーブルを向かい合わせに立つと腕相撲が始まった。ミュールが審判をかって出ると私達の手を叩いて始まる。
私側に倒れ始めたので少しずつ力をいれると止まる。眼の表示は180kgを越えており、さすがと思いながら徐々に力をいれていきテーブルが少しだけ悲鳴をあげて倒していく。負けたドワーフは信じられないと言う顔をして横に移動した。
私に対して入れ替わり立ち替わり酒を飲み干しては挑戦して、私に破れてしまい歓声があがつていく。平均で160kg最大で270kgのドワーフもいた。
そして最後なのか他のドワーフに比べふたまわり以上の大きなドワーフが前に立ち、どうやら町一番の力持ちであるゴルドフと言う名のドワーフであった。
私とゴルドフは酒を飲み干して腕相撲が始まる。私は300kgに力をあげてミュールの始めとともに力をいれる。
しかし動かずゴルドフはにやけている。私はすました顔で徐々に力をあげていく。400kgを超えた辺りでゴルドフの顔が歪み、荒くれ者が暴れても壊れないはずのテーブルも悲鳴をあげていく。
一気にと思いながら500kgかけると轟音と共にテーブルが砕けてしまい引き分けとなった。
女将さんに謝罪すると気にしないでいいと言われ、ゴルドフは私があんなに力がありハルバードを持ち上げられたことに納得して大笑いしながら酒を飲んで夜遅くまで騒いだ。