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装備とギルド

船に戻ると装備をどうするかと思い、ナノイドは見た目はチェインメールと小さな盾、刀としており、腰にナノイドの入ったポッドをつける。

食料は味気無いがステックタイプと錠剤を持たされ、水は宇宙旅行用の水を圧縮できるポットをザックに入れる。

医療はナノイドで対応もできるが普通の怪我などに使うシートや薬をザックと腰のポシェットにいれる。

道具はナノイドで作製はできるので雨用にコートを作りテントは緊急脱出用ポットについていた圧縮テントを持ち出した。


〈ハル、やり取りは問題ないのかい。〉

〈ズイセツが野外にいる限りは必ず繋がります。上に障害物がありそうなところはナノイドで中継局を作るのでそれで対応をしていきます。〉

そう言われ私は安心して出発した。船へ続く横穴はナノイドでふさいでしまう。


外へ出ると作業をするためなのか丁度馬車からおりてきており、馬車が戻り始めたのでこっそりと乗車する。

荷台に座ると、御者の子供なのか女の子のドワーフが座っている。

私はばれないように座ると女の子は見えないはずの私を見ているようで、思わず手を上げて消えているのを確認する。特に問題はなさそうなので大人しくしているがそれでもこちらを見ている。

〈ハル、これ気がつかれてるのかな〉

〈いえナノイドの光学迷彩は良好です。外気と遮断されているため音や匂いもしません。ズイセツの気のせいだと思われます。〉

そう言われたが見つめられて落ち着かない。


しばらく見つめていた女の子が、御者の男に何か言いながら私を指差してくる。

馬車が止まり御者の男がこちらへ来る。

慌てずにゆっくり移動して私のいた辺りを手探りで探していたが何もないので男は女の子に何か言うと戻っていき馬車が動き始めた。

私はもとに戻ると不思議そうに相変わらず見つめている女の子が馬車をおりるまで続いた。


町に到着をしたが何も考えていなかったので考えてしまう。ドワーフの町なのでヒューマンはほとんど見当たらないので中で表れると不味いので、外から訪れることにしたのだがどこから来たのかと聞かれると困る。開き直って記憶喪失で行こうか言葉もわからないし、そう思って何故か大騒ぎしている町を通りすぎて街道を下り森へ入るとマントの光学迷彩を解く。

さて、行こうかなと思っていると後ろからぶん殴られた様な感覚があり後ろを向くと、私の身長の五割増しの赤い熊が目を血走らせながら立ち上がって攻撃をして来る。


不意打ちで飛ばされたがナノイドの鎧は傷も付いてないと表示が出ており、次の熊からの攻撃は刀を抜く暇も与えられず左手の盾で跳ね返す。

熊は余計に怒ったようで攻撃を緩める様子もなく繰り返し腕の鋭い爪と噛みつきをしてくるがナノイドで骨格と筋肉を強化されているので盾で弾き飛ばし噛みついてきたところを盾で殴り飛ばす。


殴られ熊がよろめいたところに抜いた刀で十文字に腹を切り裂き、上体が落ちてきたときに首を飛ばした。

ナノイドの刀はバターを切るような手応えがないそういう印象であり、損傷がないか確認すると全然問題ないと表示が出る。


さてこの熊をどうするかと思っていると、後ろから声が上がる。

振り向くとドワーフの戦士がハルバードなどの武器をもって構えており、私の目の前に倒れている熊を取り囲み一人の戦士が熊を指差し私を指差すので頷いた。

ドワーフ達は私を取り囲み私の背中や肩を叩いて誉めているようで、ハルバードでやぐらを作りドワーフは熊をのせて私を引っ張って町へと戻っていく。


町中へ入るとドワーフの民が集まってきて熊を見て驚き私をみる。しかし相変わらずドワーフの言葉がうまく翻訳できない。

ヒューマンの言葉をハルが私の言葉を翻訳して伝えたがわからない様で困っていると、

「私その言葉少しわかります。わかる人は評議会かギルドにいるのでそちらへ連れていきましょうか」

そう言われ見るとドワーフの女性が民衆の中から話しかけてくれ私は、

「ありがとうございます。言葉がわからないで困っていたのです。」

そう言うと女性は熊を担いでいた男達に何かいいそこから大通りを進んだところにある石造りの大きな建物に連れていってくれ、なかに入るとテーブルやイスそして奥にはカウンターが設置されており、そこに連れていってくれなにか話すと、

「〈ギルド職員のノーマと言います。バルミウムを討伐されたのですね、ギルドカードをお持ちでしたらお願いします。」

そうノーマと言う職員が話したヒューマンの言葉をハルが瞬時に翻訳してくれる。

「〈ありがとうございます。実は記憶喪失になってしまいカードも所持をしていたかわかりません。〉」

そう思ったことをハルが瞬時に翻訳してくれる。


「あら、それは大変ね、それじゃあ登録してるか確認するから水晶に手を置いて」

そう言われ手を置くとノーマが端末を操作しながら水晶を見ており、

〈ハル、これはどんな物なのかな〉

〈これの動作は不明ですが、大気中の不明物質を取り込んでいます。〉

〈ファンタジーて考えれば魔道具とかかな、物質はどこかの物語に出てきたマナとかエーテルとかかな〉

〈理解不明ですが昔のデーターにその様な記述があります。〉

そんな事を頭のなかで話をしていると、

「すいません該当がないと言うか、お名前をうかがってよろしいでしょうか」

私は頷き、

「ズイセツと言います。なにか問題がありますか」

そう言うと言いにくそうに、

「年齢が一万才と出ているのです。種族もオールドヒューマンといずれにしても登録がないのでそのまま登録しましょうか」

「お願いします。なにもわからないので」

そう言うと、

「わかりました。登録料は銀貨一枚になります。」

そう言われ、所持金なんていっさい無いので返答に困っていると、連れてきてくれた女性がノーマに話しかけると、

「バルミウムの討伐依頼があるので、その代金とバルミウムの素材を売るのに任せてもらえれば十分払えるのでよろしいでしょうか」

「お願いします。助かります。」

そう言うとノーマは他の職員に指示すると水晶を見ながら端末を操作し始め、水晶から銅色のカードが出てきて渡してくれる。

カードには、ズイセツ、男、オールドヒューマン、一万十八才、ランクG、冒険者と表示されており

「ズイセツさん、水晶のをそのままカードに転写されるのでこうなってますが、登録は問題有りません。それといまバルミウムの査定をしているので後ろのイスに座ってお待ちください。」

そう言われてイスに座ると案内してくれた女性が、

「私はミュールよろしくね。ところでカードを見せてもらっていいかな」

そう言われたので渡すと、

「ズイセツって言うんだ、年齢がドラゴンだってあの澄まし顔のハイエルフだってそんな年齢じゃないって聞いたけど、これ返すね。」

そう言いながら返すと今度は私の刀に興味があるらしく、

「私、鍛冶屋の娘なんだ、その武器見せてくれない」

そう言われ腰から刀をさやごと外すとテーブルの上におく。

ミュールは刀をとってさやから抜くと、

「こんなに反っている武器始めてみた。片刃で刃紋が浮いてる。材質は始めてみるなあ、これ何でできてるのかな見た目以上に軽いし、聞いても記憶喪失だからわからないか。」

そう一気に言うとさやに戻して返してくれる。

「しかしいまの武器は何て言うの」

そう言われ刀ですと言おうとすると、

「刀、村正と言う名前がついている。」

そう私の思考を読み取ったハルが発言してしまい思わず苦笑してしまう。

「村正か、しかしすごい切れ味だね。バルミウムは表面を硬い毛でおおわれていて普通の武器だと弾かれるから、町の近くに現れたと言われみんな大騒ぎで討伐の準備に入ったから、それを一人で倒すなんて」


そう言っているとドワーフが数人入ってきて、私を見つけてこちらへ来る。

私の前にリーダーらしい若いドワーフが立ちなにか言っているが相変わらず翻訳してくれない。

ミュールが若いドワーフに怒りながら何かを言うとドワーフの手が延びて私の襟首を持つと持ち上げられる。

ミュールはさらに怒っていたが気にする様子もなく私を引っ張るので、つかんでいる手をもってひねりあげると、悲鳴が上がり少し強すぎたかなとも思ったが気にせずねじり上げて転がす。


取り巻きがそれを見て次々に殴りかかるが、避けながら転ばして積み上げていく。

ノーマと職員が慌てて飛んできて止めに来たが、すでに全員私の横に積み上げられており、ミュールが事と次第を説明してくれているようで、衛兵を呼ぶと全員を連れていってしまう。

ようやく査定が終わったらしく名前を呼ばれカウンターに行くと、

「ギルドカードを水晶に差し込んでください。」

そう言われ青色の水晶にカードの端をつけると吸い込まれていく。すごいと思いながらX線等を使ってみたが中は真っ黒と言うことは物理的には何もない、感心して見ているとカードが戻ってきて、

「ズイセツさんランクがひとつ上がってFになりました、普通は2年くらいかかるのですが、バルミウムをお一人で倒されたと言うことでこうなりました。それと褒賞金は評議会からも出ていた分もありましたので、バルミウムの素材代、ギルドからの報酬をあわせてカードの代金を引いても金貨2枚です。」


そう言われどのくらいの価値なのかわからないで受けとると、

「すごい金貨だ、お店にいても早々お目にかかれない。バルミウムってすごいけど倒すともっとすごいんだ。」

そう言われ、

「金貨ってあんまり見ないんですね。というかバルミウムってそんなに強いの」

そう聞くと何度も頷き、

「この辺だとランクCのパーティーじゃないときついね、倒せれば一攫千金位の強さ食物連鎖の頂点だね。」

そう言われ、ナノイドの鎧はすごいと改めて感心した。


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