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魔王の中の魔王

「おう、そうかそうか。任せるが来年の春には再度侵攻するからなそれまでにてみあげを頼むぞ」

マリアは美しいかおで何十人目かの使者に同じように答える。

大小合わせれば数百の国々が先の戦いの大敗と蟲毒を大国が使用した不信感で使者を次々と寄越しており朝から謁見をしている。

貢ぎ物の目録を読み上げ敵対するつもりはないと伝える使者にマリアは上記のように答えており何かしらの行動を求め次の謁見を行う。


「ズイセツよ殆どは次の戦いの時間稼ぎと偵察よ、これはここからの距離に比例して好戦的であり、近いほど援軍と不戦を言ってくる」

「どうされるのですか」

これだけの相手をお互い争わせると言うことなのだが、

「先ずは不信感を植え付ける。暴れたりない者もいるからそのもの達に周辺の村を襲わせる。見えるように今回来なかった国の村を襲わせ、見えないように使者を送ってきた国の村を襲わせる」

「襲わせるときは今回戦利品で得た各国の兵士の装備を着させてだ」

マリアはいろいろと説明をしてくれ、

「自滅からの混乱になろう」

嬉しそうに言うと次の使者を通した。


貢ぎ物等を気前良くふるまい敵地での年越しとなったが気勢をあげる魔族達、

奥へと侵入した魔族達は略奪した物を抱えて嬉しそうに戻ってきて国々は徐々にだが互いに疑心暗鬼になっている。

とどめに寝返りを約束したヒューマンに兵士の装備を与えて同じようなことをさせ、数回成功させた後に襲っている国に内々に通報して討伐させ諸国連合を崩壊の手前までにした。


「いつものことだが利益が出ているときには大いにまとまっているが、そうでなくなると崩壊はいとも容易いなマハラジャ」

マリアはつまらなそうにしていると、

「どう転ぶかは最後まで予断を許しませぬ、最後まできを緩めぬように姫様」

「相変わらず固いな、だからこそそばにいさせるのだがな」

「ありがとうございます。それと早々に南央小諸国に攻めこむ手はずは整いましてございます」

春ではと思っていると、

「ズイセツ、北の大国はいま大雪で閉ざされ出兵出来ない」

「雪で助けることができずに威信も落ちることでしょう。あそこは宗教を使い国を操るところのようだから揺さぶりをかけると言うこと、そして国境付近で援軍を求める使者は通して返事の使者は殺害してしまえばさらに不信感が募りましょう」

私は感心しながら

「力でごり押しと言うわけではないのか、魔族ならそんなイメージがあるから」

「何処で聞いたのか知らないが我等の方が数では圧倒的に少ないからな、戦いの前にはできることはしておくというものだ」

マリアは言うとマハラジャが今回は先頭にたち雪がうっすらと積もる道を北上していった。


「さて、あの蟲毒をもちいた場所がわかった。ズイセツ、ナナイとゴルフを連れて向かうぞ」

マリアは自ら向かうとドラゴンを準備させており空へと舞い上がった。

「西方の大国が造り出したと言うことをあれを連れてきた男達がはいたので影法師に調べさせ確証が得られたということだ」

「遠方だから身軽にと言うことですか」

マハラジャ等は同体せずにいるのを聞くと、

「黒い球体が噛んでいるらしく、それも操作をして魔物を産み出しそれを蟲毒の材料としていると言うことだ」

「私に黒い球体を操れということですね」

「そうだ、それ相応の報いをうけさせる」

長い時間を飛び暗闇のなか空き地へ降り立つ、影法師が体を陽炎のようにゆらつかせ待っている。


「案内しなさい」

そう言うと足を動かす様子もなく陽炎が動き森を抜け山の斜面の洞窟へと入っていく、マリアの表情はいつもと変わらず微笑んでいるが先程の話から怒りがあると言うのはわかった。

洞窟を下ると金属の壁があり影法師は隙間から出入りしている。私は手をそえてセキュリティにアクセスすると本来メインシステムと切り離されているはずが簡単にアクセスできてしまい内容を確認していく、

「なかに入らず操作できるけどどうする」

「見てみたいこともないが本題はどうかすると言うことだが生まれくるものを我らではなく彼らのにしてもらえるか」

そう言われ生産のモジュールにアクセスさせ魔物はデータから消去させヒューマンを生産する。精神的にはバーサーカーであり、そのトリガーはヒューマンの崇めている神の名を聞いたときでありそれ以外は戦士として産み出されるようにした。システムをロックして彼らが操作できないようにして黒い球体の動作を休止した。

「終わった」

そう言って変更した事を教えると、

「ここで産み出される戦士を我々との戦いにと考えるか、そして神に祈ったときにということか」

私が頷くと、

「よし帰還する」

そう言うとドラゴンに乗り町へと戻った。


マハラジャの侵攻は小国相手なので順調に進み1ヶ月程でその一帯の国を滅ぼし戻ってきた。

「わが兵の良い経験となりました。統制はとれつつあります」

前回のような恐怖による暴走は早々に起きないとマハラジャはマリアに伝え満足のいく答えを聞いたマリアは嬉しそうに頷いた。


雪解けももう少しと言うところでマリアは臣下に侵攻の再開を命令する。

「かの国があれを出してきたら盛大に威嚇しろ、そうすれば神に祈ることだろう」

それぞれは嬉しそうに礼を言うと出撃した。


「そうズイセツ、かの国に侵攻すれば神の怒りと言うことが起きる。知っておるか」

私はハルに確認をしたがデータではなにもなく知らないと伝えた。

「ズイセツのあれで何とかできればな、どうだ」

〈探索に引っ掛かればレールガンで迎撃は可能〉

私は頷きレールガンを手でなぞりながら、

「見つけることができれば」

そう言うと嬉しそうに頷くマリアは、

「これで神の国や何やと騒いでいるかの国の者共を地獄へ落とせるな」

大笑いをしているマリアを見てこれが魔王なのかと思いながらも衛星でのデータの収集をハルに頼むとマリアと共に後陣として出発した。


四つの魔戦将軍は各個撃破で進み都市を落としていく、広い領地の点だけを落としてもまだまだとヒューマンは気勢をあげているが都市が補給の重要な地点となるのでそこを破壊されると集積ができず、出来たとしても野盗が壊れた城壁から侵入して奪い去ったりして混沌とした状況であり、魔王と共闘を宣言したりそれを裏切りとして叩くもの、自分達を守るために村では自警団を組織して実質独立したりと国として統一がとれず、北方のかの国とその周辺諸国のみが国としての形を整えており、まんをじしてあの人造ヒューマンを先頭に立て数十万と言う大軍で出てきた。


こちらは数万の魔族と十数万の降ったヒューマンの兵であり、勝つのにはかなり難しいと言うのが認識であった。

「皆のものご苦労、これに勝利してかの国へと攻めこみ叩き潰す」

魔王は笑顔で宣言しており、魔族は喚声をあげているがこちらについたヒューマン達は相手の総兵力に裏切りを後悔しているのか指揮は低かった。

「お前達まず攻めよ、逃げるならまず先に命をもらう」

魔族特有の呪いと言われる儀式でヒューマンと契約しており、魔王の意思で命を奪うことができるので裏切るわけにもいかず数倍の的に絶望しながら構えた。


相手は先方には人造ヒューマンではなく諸国連合をあてており、カラフルな色彩の旗を並べ突撃してきた。

魔法が飛び交い火球や氷の粒が降り注ぎ、鋭い切れ味の旋風が通り抜け命を奪っていく、魔族はドラゴンや魔獣を操り両サイドから諸国連合を攻めた。

数では勝っているが魔獣が諸国連合の隊列を中から乱して崩壊し始め逃げ始める。

勢いをつけ始めたところに高らかと音楽が奏でられ始め相手の先方である人造ヒューマンが動き始めた。

「我等の神アースの為に」

そう叫んだ瞬間その言葉がトリガーとなり人造ヒューマンのバーサーカーが始まった。数は五千ほどであり多くはないが痛みも死さえも感じず暴れる者達がまわれ右をして敵本陣へと斬り込みを開始しており、そこに魔王マリアの号令のもと襲いかかった。


互いに死力を尽くして戦っており、中央を攻められている敵は辛うじて防いでおり数倍の味方をうまく使いこなせておらず、神に捧げる歌を歌い崩壊を防いでいた。

「どうする援護をするか」

私はマリアに聞くと、

「臣下の手柄を取るわけにはいかない、マハラジャ崩せ」

そう言うと予備兵力として残しておいたマハラジャとその部下が突撃を開始しマリアは歌い出した。


魔族や魔獣で傷ついた者はそれを聞くと傷ついた体が癒されていき雄叫びをあげて再度突撃をした。

数時間たっても決着はつかずヒューマンの信仰心が改めて凄いものだなとマリアが呟くのに同意する。その瞬間、前戦では火球が敵味方関係なく巻き込みながら爆発し始め、中央部は混乱し始めると、

〈ズイセツ、撤退を開始したようだぞ〉

ハルからの知らせでよく見ると旗はそのままだが中心にいるヒューマンが下がり始め、それに続いて次々と撤退を開始し始めた。

「マリア、勝利だな」

本陣を指差して知らせると頷き別の歌を歌い始め攻勢を強めた。

「頃合いだな」

マリアはそう言うと引き上げを命令して馬車へと戻った。


朝から夕方まで休まず戦い続け、バーサーカーは全滅しておりこちら側のヒューマンも半数近くが死傷していた。

しかし諸国連合は壊滅しておりかの国も半数以上をこの場に打ち捨て撤退しておりこちらの勝利と言ってもよかった。

魔族と魔獣はマリアが奏でる声で傷を癒され、倒れた者を餌として喚声をあげている。

マハラジャや魔戦将軍がマリアのもとに集結して次々にお祝いをのべ勝利を祝った。


翌日は戦場に打ち捨てられたものを集め使えるもので装備を整え北方へと進軍を開始した。

バラバラに攻め入り好き勝手に攻撃を行っており、少しだけ心配になりながらも黙っていると、

「ズイセツ、こんなにバラバラでいたら各個撃破でと言うことだろう、いつものことだ。あの神の怒りが使えるところまでは手を出してこない、民もわかっているから逃げ足も早いしな」

もぬけのからの状況がそれを物語っており、その決戦の日が刻一刻と迫っていた。


「ハル、その地球にとどまっている人々の子孫がいる場所を特定できたかい」

〈大まかにはです。そのラインを越えたときに始まる攻撃でわかると思われます〉

「それなら衛星からその場所にマスドライバーから隕石を発射して破壊することは出来るかな」

〈かなり難しいかと考えられます。主要施設は地下に埋設されておりそこまで破壊できる質量の衛星はありません〉

「攻撃を防ぐことはできるか」

〈予測したポイントに命中させればかなりの確率で沈黙させることができると考えます〉

そう言ってマリアの言う攻撃範囲から武器の候補を選びいくつかシュミュレートしておりそこにマスドライバーからの攻撃を命令した。


最終防衛ラインの奥には万里の長城のような壁が尾根の上に連なり旗がならびこちらが攻めてくるのを待っている。

「ヒューマンを進めよ」

マリアの指示でさらに吸収した人々を含め十数万でラインを越えた。

私はマスドライバーでの落下を確認しながら羽を展開してエネルギーをチャージしてレールガンの発射準備を行う。

〈衛星からミサイル発射を確認〉

視野には全く見えないがミサイルの予測軌道が表示されその進路に標準をあわせハルの自動射撃を始めた。

レールガンではミサイルは止まっているようで初弾を命中させる。

遠くに明るい光点が一瞬だけ見える。しかしハルから次のミサイル発射警報があり撃墜していく、

「どうやらうまくいっているようだな」

マリアが私を見ながらラインを越えたが未だに神の怒りはなく進んでいるのを満足している。

「まだ続いている」

私はそう言うと五発目の光点を確認したときにハルから更なる警報を受けた。

「ミサイルでなく固定設置型の長距離方と思われる発砲を確認」

視認することは出来ないがおおよその着弾時間を表示しており、あわせてマスドライバーからもミサイルの発射場所周辺と砲撃場所に向け発射を命令した。


〈警報、ローブで体を防御せよ〉

先程の攻撃がこちらに来るにしては変な指示であるがあわてて自分を中に密閉する。外はドローンで確認しておりこちらに落下してこない軌道解析を見守るしかなかった。

砲弾は落下はせず電離層で爆発する。

その瞬間ドローンや衛星、マリアの腰にあるモジュールやボール等からの通信が切れ自分自身の意識もブラックアウトした。



「ズイセツ、ズイセツ」

遠くから聞こえる声に意識が戻る。体はだるく動かすことも出来ずに目だけ動かす。

「ようやく気がついたか、空にもうひとつ太陽が出来たと思ったらお前が倒れていて驚いたぞ」

そう言われて現状を把握するため目にデータを出そうとするが反応がない、視野の下にはDEATH12:34と表示され時間は減っており、その下にはREBOOT12:24と表示されている。声を出そうとするが声にならず、目さえも動かすことが出来ない。

私は悲鳴をあげたくなるがそれもできずただマリアを見るしかなかった。


何が起きているのか色々考えると電離層で爆発がおきた影響で電子回路が焼かれたようで病気の体をサポートしているはずのナノイドが停止しており半日しかもたないと出ていた。

システムは10分前に再起動するが瀕死でありナノイドの再構成に間に合わない可能性があった。

体が機能不全を起こした場合のボタンがあるのだがシステムが落ちていてVR状態で押すことができず、胸のネックレスにあるボタンも押すことはできなかった。


「何をどうすればいい」

マリアが私の顔をのぞきこむが見るだけで声は出ず悲鳴もヒューヒューという音を出すだけであった。

マリアはしばらくすると意を決したように私を見つめ、

「意思疏通が出来ないからこれは最終手段としておこなう。すまない」

そう言うと私のおでこに自分自身のおでこをくっつけると私の意識が吸い込まれていくような感覚で気がつけば深淵の底という表現がぴったりの場所に立っていた。

降り立った瞬間に暗闇から艶やかな服を着たマリアによくにた者が現れ切りつけてくる。私は丸裸なので避けるしかなく壁沿いに逃げ回っていると、

「待たせた」

そう言いながら上からマリアが降りてきて攻撃してくる者を呑み込んでしまった。


「あれは母上の思念だ、代々受け継いでおり私の中にいる」

「道理でよくにていた」

「時間がないそれでどうすればいい」

本題に入り私は胸のネックレスを押してくれれば体の再構成が始まる事を伝えると意識が戻された。


目の前のマリアが離れると胸のネックレスを押す。その瞬間後ろのナノイドを入れているポットが開きナノイドが私の体に取りつくと機能不全を起こしたナノイドを表面に出しながら入れ替わりに収まる。

自分の体に何かが這っているような感覚が続いているとREBOOTのtimeが0になり再起動を始めた。衛星経由でシステムのダウンロードが始まり各部機能が回復しはじめチェックのあとにようやく体を起こすことが出来た。

「ありがとう」

率直に魔王であるマリアに礼を言うとマリアは、

「これで貸し借りはゼロになったと考えていいかな」

そう言いながら嬉しそうに手を出して引っ張りあげてくれる。

「命の恩人だからな、手助けはしよう」

あの10分で今のような作業は無理と言うのがわかり改めて礼をいった。ハルを呼び出したが返事はなく沈黙しており、ナノイドを全て使ってしまったので衛星にハル経由ではなく直接命令を行い急いでナノイドを投下するようにした。


「ズイセツ、いい加減になにか着ないと風邪を引くぞ」

体の構成分しかナノイドがなかったので装備一式は黒い山になっており裸だった。

「ズイセツ殿これを」

マハラジャから手渡されたローブを身に付けたが下は真っ裸、犯罪者だなと思いながらも衛星からの落下が明日以降にずれ込み予定がたたない、

「それと動かない間にかの国の方で光とキノコ雲がいくつか上がったと上空から知らせてきた」

マスドライバーから打ち出された隕石が立て続けに落下したことだが、衛星の機能もまだ全部復旧していないため情報を得るには時間がかかるということだった。


「やはり影響が出たか」

マリアはそう言うと私に鏡を見せる。そこには顔の色が肌色ではなく少しだけ紫がかった自分の顔があり瞳も薄く紫色が見えた。

「思念を呼び込むと呼ばれた方は影響を受ける。あの短時間でもこれだからな」

私を助けてくれた行為でこうなったということだがマリアを見続けてきたこともあり違和感はなく気にすることはないと伝えた。


衛星からの攻撃により神の怒りは沈黙したようで侵攻を再開した。神を讃える歌を歌い必死に抵抗を続けており民兵が高らかに唱和をして親や子供が倒れても戦い続けていた。

「母の記憶にもあるが不毛なことを繰り返すものだな」

あるときは大きな街の大聖堂に人々が避難して最後の抵抗をしている。魔族は敵対行動をやめ武装解除をすれば街から放逐だけで済ますと伝えたが神の御心のままにと言い抵抗を続けている。

「ズイセツどうにかならないか」

唐突に聞かれ少しだけ考えたが、

「我々を神の敵である悪魔の卷族としていますから、降伏しても助からないと教えてるでしょう」

「神の使いが言えば良いということか」

そう言われ確かにその通りと思い、

「彼らが言う神の使い天使と言いますがその姿を借りれば聞くことがあるかもしれません」

「そうか、すぐにとりかかってくれ」

そう言われたがナノイドがまだ衛星から来てはいないので現状は無理なことを言うとマリアはため息をはくと手を上げ降りおろした。


ドラゴンや魔獣がブレスを吐き大聖堂を呑み込んでいく、

「決めた、全てを灰にしてしまえ」

マリアが言いきるとマハラジャが止めようとする。

「狂信者としていきたいと言うならそれ相応に対応する」

そう言うと行ってしまいマハラジャが、

「力を使いすぎてしまい先代の思念に影響を受け少しずつ短慮に凶暴化しつつあると考えます。ズイセツ殿どうかおみすてなきよう」

黒い球体はこの都市にもあるが、微妙に放出されるエネルギーに違いがあるのか吸収量は少ないようで私が作ったマリアの腰の機器も先の電離層での爆発により動作していないためマリアは母親を押さえられずにいると言うことだった。

「腰の機器はいつ頃直るのでしょうか」

マハラジャから聞かれたが衛星の機能もまだ回復できておらずマスドライバーが機能を停止しているので私もはだかでしかいるしかないと言うしかなかった。

「1度王都に帰還すれば良いと思うが」

「難しいでしょう、自らが殲滅を行わなければ気がすまない性格でしたので先代は」

マハラジャは自分の子供を見るようにいとおしい顔で見送った。


翌日はマリアが、

「私が先頭にたつ、皆の者ついてこい」

影響がさらにでたのか最後に立て籠る城に攻撃を開始する。マリアはマハラジャ配下の芋虫の魔族を片手で持ち上げると何事か呟き息を吹きかけると芋虫は手のひらで丸く縮まる。

「あれが先代の得意技である命を触媒とした攻撃にございます」

マハラジャが私の横に来ると教えてくれる。

マリアはそれを城門に向けて投げつけると閃光と轟音がおこり、城門が一瞬で破壊された。

「殲滅せよ」

掛け声と共に魔族が侵入する。意図も容易く突破されたヒューマン側は大混乱で必死に城門で魔族を押し返そうとしたがマリアが周りの魔族を捕まえ触媒として吹き飛ばしていった。


「マハラジャ」

魔戦将軍が苦渋の顔で集まりマハラジャに言おうとしたが、

「わかっている。封印したはずが出てこようとしているが止める手段はない」

そう言うと沈黙してしまう。

「それとズイセツ殿はここから離れた方が良いと思う、魔族でない者を周りに居させるほど寛容なかたではないからな」

私はそう言われてしまい現状なにも出来ない自分はここから離れることになり、簡単な装備を見繕ってもらい馬をもらうと都市を出ることとなった。

「何から何まですまない、王都に戻れば先代の思念を押さえることも出来ます。それまでは隠れていてください」

マハラジャと握手をして北へと馬を進めた。


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