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魔族

翌日ナナイが先頭にたち進もうと思ったのだが昨日の騒ぎで周囲に色々面倒なのが集まっているようで衛星からの情報でも確認できる。


「あれだけ盛大にすれば集まってきます。もう少し考えた方が」

ナナイの言葉はもっともだがどっちにしろ試射はしなければならなかったのだからと思いながらナナイの黒いマントの端を持ち上げる。

「こんな朝から、私にも心の準備が」

ナナイは顔を真っ赤にしてマントを脱ごうとするのを止め、私はナノイドをマントにのせて起動させた。


キラキラ光るナノイドの動きに悲鳴をあげ慌てて逃げ出そうとするのをマントを引っ張って押し止め表面全てに行き渡るのを確認した。

お尻をついた状態で私を見上げ呆けた顔でいつまでもいるのでナノイドに命令すると、表面が下の荒れ地に同化して光学免彩が起動した。

「これって」

ナナイが言うのを私はローブをかぶり同じように起動させ姿を消す。

私のいるところをさわり感触があるのを確認したのち同じように被ると、

「でもこれってお互い見えないんじゃ」

「私は見える」

そう言うとナナイは赤い顔だけだして舌を出してまた隠れ歩き始めた。


〈どうやら感情を抑制しすぎたのかもな〉

そういった瞬間スイッチが入ったように自分の顔が赤くなり恥ずかしい気持ちで一杯になる。

〈うぶと言うものだな、魔物の影響と言うのを心配したが抑制しすぎも感性が無くなり危険と言うことだな〉

「抑制の時の自分はロボットみたいだった。してほしくはないな、と言うか何時から」

〈王女と会ってから、動悸などが激しく感情を優先しそうだったからな〉

今考えればあれだけの美しさに見いられてしまいそうなのも無理はないとおもえる。


私はスキャンで前を進むナナイの体を見て肉付きの良い胸とお尻を意識して顔が赤くなる。

〈病気だったから童貞と言うことだな、コントロールできるか〉

「わからないよ」

思わず大声で言うとナナイが止まったので独り言と言って進ませた。


数日のち荒れ地を抜け森へ入ったが、就寝になるたびにナナイを意識してしまいハルも「心の準備が」を再生して、

〈経験しても良いと思うがな相手も問題なかろう〉

「相手は魔族だし問題ないというか、データ収集をしたいだけだろう」

〈それは否定しない、どう受精するのか出来ないのかも考察をしたいからな〉

淡々と返され顔を赤くするしかなく機械とはいえ人工知能なんだから言い方があるでしょうと思った。

途中では色々な魔族が徘徊していたが姿が見えないため匂いで探されたこともあったが見つかることはなく川のほとりにある沼地へと到着した。


「ここです。私の村の場所は」

そう言いながらフードを取り私は光学免彩を止める。エネルギーは背中の羽で補給できるので背中のバッテリーに貯めておける。

羽はダイレクトに衛生との通信も出来るようになり短時間だが振動させれば空中にとどまることもできるようになった。

沼地の何処にと思っているとナナイは口笛を吹く、沼の奥は霧がかかり響き渡る。


しばらくすると霧の中から小舟が進み出ると私たちの前に滑り込んだ。

「€&#%$₩☆∈⊇∪⊂Ň∂」

〈魔族の言葉だろうか、整合性がとれない。データを集めていかなければならない〉

ハルからの言葉を聞きながらナナイとフードを目深にかぶりハ虫類の目だけがこちらを見て頷くとナナイが船に乗るようにと促してきた。


乗り込むと奥へと進み始め霧が深くかかり通信が乱れ始める。

〈この霧は重金属を含んでいるようで通信にノイズが入り始めている。しばらくはスタンドアローンで行動することになる。〉

そう言って始めて通信が切れてしまった。

後は近くにいるボールのみになり、移動できるところは姿を隠して情報を得るが今回は離れれば通信できないので足元で待機していた。


到着して岸に上がると土塀がありみすぼらしい木製の門構えがある。痩せてはいるが目が鋭い門番が槍を構えてこちらを見ている。

姿はそれぞれ違い鱗を持っている者、毛むくじゃら、毛がないピンク色の素肌の者、角が映えてる者、腕が4本生えているなど同じ姿はおらずスキャンしても胃袋や心臓等の数が違う。


「☆$‡Å∪」

リザードマンに牛のような角を生やした男がこちらをにらんで歩いていく。建物は土で建てられておりみすぼらしい。

広場に入ると霧が晴れハルからの通信も回復した。

〈情報から見るにDNAの欠損が見受けられる。それにより潜在的な太古からの遺伝子が出ているようだ〉

意図的なのかわからないがバランスを崩すことにより進化をしているのか退化をしているのかわからないが広場にも色々な姿のものがおり、その正面には片目の全身剛毛におおわれたゴリラのような男が座っていた。


「∪⊇‡∂∈#ナナイ」

ナナイが男に呼ばれ私の前に立つとピエロの棒をつきだして、

「∂‡〆£$∂∀」

ゴリラは眉を動かし周囲は動揺して声が上がる。ゴリラは棒を受け取り驚きを隠すようすで見つめながらナナイに返した。

ゴリラがしゃべる。

「わしはレグルス、バレグス村の長老をしている。ここまで来るとは何様だ」

ナナイが通訳をしてくれ私は黒い球体を探しており、それの調査でこちらに来たと言うとざわめきがおこり長老は、

以前住んでいたところにはあったがマモンがその場所を奪い去り今はここに居ると言うことだった。


「ここにいても何の収穫もないと言うことか、場所がわかるならそこにつれていってくれ」

ナナイは首をふり、

「古い村の場所なんか知らないよ二百年も前のことだし、知っているのは長老連中だけ」

「聞いて場所を案内してくれ」

ナナイはため息をついて話始める。長老は私を見て目を細めて黙っていると右から外骨格がキャタピラのようになっている魔族が出てきてナナイに叫ぶ、ナナイもやり取りをしていたが悪意をもってこちらを見ている。

「お前なんかが何ができる」

もっと色々いってるみたいだがナナイは悪意の方は訳さない。私はおちょくるように指でかかってこいとジェスチャーすると顔を真っ赤にした魔族は顔を真っ赤にして私に襲いかかってきた。


がっつり四つに組むと相手の力を計りながら力をいれていく。

〈ヒューマンとは比べようもないほどの力がある。これもDNAの欠損による副産物とも考えられる〉

私は気にせず力を入れていき顔を真っ赤にしている相手をそのままちから押しで潰した。

悲鳴と怒号がおこり周りの魔族が襲いかかる。力は今の事でおおよそはわかったのでスピードをあげて襲いかかる相手を回避して広場の外へ出る。


刀を抜くとナナイが大きな声で魔族を制して止める。

「止めなくてもいいのだぞ、私は構いはしない」

「あいつに勝てるあんたにみすみす村の仲間を殺されるわけにいかないんだから」

魔族は結束が固いのか弱い者が集まって身を守るためなのかと思っていると、

「∪∈⊇‡⊇∪£#Å∂∪#∪〆‡」

長老が叫び大人しくなるとナナイが、

「マモンと戦うのか」

私は戦い自体は目的ではないので、

「目的を果たすだけだ、場所を聞き次第出発する」

そう言うとナナイは場所を聞いて、

「食料を準備したら出発するけど今夜はここで寝て良いよね」

そう言われたので同意した。


ナナイの家らしい土をもって造った家に入る。中には藁が敷き詰められたベットが一つしかなく、

「あんたが良いなら一緒に寝てもいいけど」

そう言われて心引かれたが、周囲の消えない殺気にちかいものがあるため壁に背中をつけてそのまま寝てしまった。

翌日ナナイは口もきかず準備ができると村の入り口である渡し場に到着する。そこには昨日のキャタピラ男とその仲間20人がおりナナイから、

「勝手についていくんだ、マモンとどうなろうと俺たちは勝手に行動する」

そう言われて私は返事をすることなく小舟にのって出発した。

魔族も筏に乗り移り後ろからついてきており、キャタピラ男はナナイに声をかけながら霧の中の湖面をわたり対岸へと到着した。


「あたいは仲間と同じで隠れずに進むよ」

ナナイは覚悟した顔で言うと進み始め、私の後ろから魔族がついてきた。

森へ入り突き進む、縄張りの魔族か魔物は何かと歩いているといきなり蔦が無数のびてきてナナイはバク転をしてこちらに避けてくる。

そのままこちらに延びてくるのを手首に取り付けたレーザーで凪ぎ払う。


耳をふさぎたくなる様な悲鳴が上がり蔦が引っ込んだと思うと木々が次々と投げつけられ落ちてくる。周囲の木に当たりながら落ちてくるので下が様子を見るてると投げるものが無くなったのか収まった。

「進みますか」

ナナイが聞いてくるので私はレールガンを構えエネルギーを衛星からチャージする。魔族は私のしていることを黙って見ており銅貨を巻いた弾丸を装填して発射した。

パワーを絞る代わりに連射をする。軽い反動と鋭い音が響き、正面の木の山を破壊して吹き飛ばし視界が開けていくと悲鳴が上がる。

そこに向けて悲鳴がなくなるまで連射をしてようやく終わらせた。


「てめえ、⊇∀∪∂#∈$$∀∈・・・」

ハルの翻訳もデータが集積されていたがまだまだ単語でしかないが口から唾を飛ばしキャタピラ男は必死に言っているのでナナイが止めて、

「これは魔術か魔法かどうなんっているんだとゴルフが言っています」

ようやくキャタピラ男の名前を知ったがそれよりも先程の蔦の本体を見てみたいので、

「想像に任せる」

それだけ言うと私はえぐれた地面を歩きながら大元と思われる場所へと向かう。これだけ派手に動いたのだから何かが集まってくると思っていると進行方向左側より何かの大集団がこちらに来ているらしく、情報が表示される。


「何するんですか」

ナナイが私の行動に驚き私はレーザーで左側の森を焼き払いながら歩く。こちらは燃えるものがないため反対側の大集団に向け火の勢いは増していき、情報で見ても地獄の釜に向かって進んでいるのを気がつかずすすんでいた。

一通り焼き払い進むと大きなトレントとナナイが言う大木がおり幹にいくつもの穴が開いており瀕死の状態で蔦で辛うじて倒れずにいる。


「トレントは自分の住みかに近づく者を片っ端から補食していく。幹は固く大規模に森を燃やすしかないはずだけどあんなに穴だらけなんて」

そう言うナナイの横にゴルフが来ると、

「トレント⊇$∈∪〆Å〆$∀#していいか」

私を見ながら叫ぶので頷くと雄叫びをあげて突撃を開始した。仲間も次々と走っていきナナイもこちらを見てから走り出した。


体を支えている蔦で攻撃をしたいが倒れそうになるのでトレントは弱々しく咆哮したがゴルフは大きな蛮刀を振りかぶり蔦を切断していった。

蔦を切られ徐々に後ろへ倒れ始め、ゴルフは幹に登り顔へと走る。

〈左側のも炎にようやく気がついたようだが逃げ切れないようだ〉

炎に囲まれた様子をハルが表示しており、その向こうではトレントが倒れとどめをさしたゴルフが大きく雄叫びを何度もあげていた。


〈ほう、犠牲をものともせず左の魔物は炎に突撃してきたぞ〉

言われるまでもなく衛星からの画像で見ているが、トレントの咆哮を聞いたとたん炎に突撃して倒れた上に別のが進んでおりこちらにやって来る。

「左から魔物の集団、炎を突っ切ってくる」

私は声をかけながら魔物が進んでくるゴール地点に進みレールガンを構えると羽を展開してエネルギーの供給を受け砲撃を開始した。


距離が未だあったが衛星からの画像で先頭から攻撃により貫かれて吹き飛ばされているが歩みは止めない、

「レニグス、トレントに住む昆虫で襲われているのに気がついて向かって来ている。誰も止められない死の行進、逃げた方が」

ナナイやゴルフ達が慌ててこちらに来たが私は構わず打ち込んでいくが、

「きたー」

「∂〆∪ー」

悲鳴が上がり正面から体はアリで脚はクモの様に八本の足がはえており私達を見ると威嚇のためか口の前にある顎を鳴らして向かってきた。


「やるしかないぞ」

ゴルフの言葉が同時翻訳され響く、私はレールガンを止めるとレーザーに切り替えて凪ぎ払った。

ミドリ色の表面はレーザーの光を少しだけ溶けながら反射しており、足に命中すれば焼き切れて前のめりに倒れる。

〈表面が硬質の硝子でおおわれているようだな〉

ハルは他人事のように発言して私は連射の利かないレールガンに戻すか一瞬だけ考えたがレーザーで攻撃を続けることとした。


前に進みながら足だけをレーザーで凪ぎ払い動きを鈍くしていく。ナナイやゴルフは悲鳴と罵声をあげながら戦っているようで私は試しに刀を抜きながら横一線に凪ぎ払う。

「キン!」

硝子のはずが金属を切った音であり手のひらにもその感触が残ったが頭を横に二つに出来た。

〈ナノイドの欠損はない、硬いがそれほどでも無いでしょう〉

進みながら切り捨てていく、レールガンでの攻撃を生き残った個体なのでたいした数ではなく始末をおえた。


「お前は何者だ」

ゴルフは叫び顔は恐れを抱いている。私はそれを無視してトレントの上に乗り調査をすると、

〈外見は木だが巨人のDNAからの物と見受けられる〉

後ろでは未だ騒いでいるがナナイにさっさと進むことを伝えた。


それからは先程の戦闘を察して出てこないのかレニグスの集団がいたと言うことで出てこないと言うのがナナイの意見だった。


いくつかの丘をこえ進むと山があり斜面を上る。峠に出る直前ナナイが止まると、

「ここを越えたら村だよ、どうなってるか知らないけどね。どうする」

私は衛星からの画像でカルデラに石で出来た神殿のような建物があり、

「黒い球体は地上にあったのか地中か」

「長老は地下にあったって」

私は座ると衛星からのレールガンを指示して座った。

「さっきから無視すんじゃねえ」

ゴルフは顔を真っ赤にして私の顔の前で叫ぶのを無視してフードをかぶり外部と遮断して仮眠した。


時間になり起き上がるとゴルフがすねて何かを言っている。

その瞬間に轟音と共にカルデラに大きな巨塊が高速で落下した。衝撃波が尾根の影から土砂を巻き上げナナイやゴルフの悲鳴が上がり視界は無いが私は爆風が収まるとカルデラの中へと入った。

衛星との通信も回復せず、したとしても砂ぼこりで見えないと思いながら赤外線と超音波でスキャンしながら降りていく、建物があった場所は吹き飛びその中心にたたずむ魔族がいた。


「なんだというんだ」

視界が少しだけ晴れてきてそこには阿修羅の仏像が建っており声の主はと探すと像が動き始めた。

「貴様はだれだ、わしのエリアに入ってくるとは」

「大人しく黒い球体を調べさせてくれれば何もしない」

淡々と言い返すと仏像なのに顔を真っ赤にさせ、

「貴様かこのような、見せるわけなかろう」

こちらへ進み出たのでレーザーを放つ、直前で屈折して体を沿うように光のラインが消えていきダメージは少しだけしか与えていない様子で、

〈表面に何かしらの磁場がありそれでダメージを減らしている〉

実弾ならと思ったが、まだ上空は埃まみれでエネルギーも発射できるほどは残ってない、刀を抜くと阿修羅へとダッシュした。


怒りの形相の阿修羅の次々と繰り出される攻撃をかいくぐり通り抜けながら刀で切り裂く、

〈磁場で切っ先が押し返されて深くはダメージを与えていない〉

切り裂いたが柔らかい感触で押し返され皮膚一枚を切った感じでしかなく阿修羅は攻撃を続けてくる。

〈エネルギー供給を受けるには一時間後、ただし塵が多く射てるまでチャージできるのは二時間〉

何も考えずレールガンで決着をつけることが仇となり肉弾でしかないと思いながらようやく現れたナナイに、

「棒を投げろ」

ピエロの棒なら何とかならないかと思いながら攻撃を刀でいなしてナナイが投げた棒を拾った。

「うをりゃー」

何を考えたかゴルフ達は雄叫びをあげて突撃してくる。ナナイも続いており倒されればこの土地での行動に制約を受けてしまうので私はフルパワーで投擲した。


阿修羅は武器で撥ね飛ばそうとしたが撥ね飛ばして顔に刺さった。

「ペルメドの錫杖だと、貴様があいつを倒したやつか、ぬかったわ」

顔にめり込んでいる錫杖を抜こうとしながら膝をつく、私は駆け寄りながら阿修羅の武器と体を利用してかけあがり肩口に達すると刀で真っ直ぐ人間で言う延髄へと突き刺した。


ぴくんと体が跳ねたあとゆっくりと崩れ落ちる。私が飛び降りると阿修羅はそのまま地面で動かなくなった。

「すんげえ、すんげえぞ」

ゴルフがやって来て私にてをつかむと上下にふって嬉しそうに何度も頷く、私は恥ずかしいのもあってフードを目深にかぶって黒い球体以外は勝手にしろと言うと崩れた瓦礫のしたに入った。


金属の扉があり開閉させるためハルがシステムのハッキングを始める。上では喜びの雄叫びをあげており村の復活を喜んでいた。

スライドドアが開き通路の奥へと続く、その先はエレベーターで地下へと下りた。

〈小型の物でユニットと一緒にこの部屋にあるだけだな〉

新しいものは見つからず接触して中のシステムを見てみたが新しいものではなく落胆をしてしまいながら地上へと上がった。


「すげーすげー武器だ」

ゴルフは阿修羅の自分より長い武器を振り回して仲間と大騒ぎであり私は次にいきたいがと思っていると、

「村の人に知らせにいくのと、黒い球体について情報がないか長老に聞いてきます」

ナナイから言われて待つのはどうかと思ったが情報がほしくて頷くしかなかった。


翌日からその場で待機することになり新しい武器で仲間同士で戦いの練習をしており、

〈面白い、あの魔族は地下からのエネルギーをもらい体が少しずつ大きくなっている〉

昨日との比較でも10%も大きなっており、どのくらいになるのかも見てみたくなる。


数日過ぎても成長は鈍化しているが大きくなり様子を見ていると、

〈南側から接近してくる。ナナイではないな〉

ゴルフに、

「侵入者、南側だ」

そう言うと起き上がり騒ぎ始めるのを手で制して羽を展開してレールガンを準備する。

「フォッフォッフォ、それが例の武器か。物騒だが争いに来たのではない」

山の斜面から足を組んだ、そう物語に出てきた僧侶の格好をした男が空中を浮いたまま降りてきた。


「すっかり変わったのう、これもお前さんかい」

ゴルフは現れた瞬間に怯え私は静かだが威圧されている現状に焦りながら目をはなさない、

「フォッフォッフォ、どうすれば警戒をとくかな、寝ればいいのかな」

どんな格好でも見せかけにすぎないと感じさせる魔族であり私は、

「死んでもらう以外はない」

「それだけの物を持ちながらノミのような心臓よな、まあよい魔王よりの招待状だ」


そう言うと金属のプレートを投げてよこし、

「その数字、お前なら理解できよう。待っておるぞ」

そう言われてカードを見ると緯度と経度らしい数字があり衛星では少し斜めになるが写し出せる。

名前も名乗らず気がつくと消えており衛星からのデータで王城と都市が写っており待つ理由も無いので出発することにした。


「ナナイは待たないのかよ、相変わらずなに考えてるかわからない勝手なやつだな」

ゴルフは立ち上がると仲間にここで長老達を待つようにいい、ナナイにも方向を伝えるように言うと私の後をついてきた。

「なあ、魔王に会いに行くって危険じゃねえのかな、あれは長老が言ってたマハラジャだしあぶねえよ、ほんとにいくのかよ」

体は大幅に大きくなったが心配そうな顔で私の顔をのぞきこんでくる。

「ついてくる必要は無いんだぞ、頼んだ覚えもないし」

「ばかいうな、村を取り返してくれた恩もある。一人でいかせられるか我らのながすたる」

ゴルフは胸を張り拳でたたく。大きいがなんかかわいく見えてしまい思わず笑ってしまい、

「すまない、楽しくて笑っただけだ。なんか昔を思い出して」

少しすねたゴルフは頷き、

「ゆるすよ、恩人だしな。じいちゃんからも心は大きくもてて言われてるし」

「ズイセツだ、姿はヒューマンだが違うかな」

手を差し出すとゴルフは大きいてでつかみ、

「ゴルフだ、魔族はいろんなのがいるからな姿ではどうのはないよ」

嬉しそうに言いながら本来ナナイが持っているはずの錫杖を物欲しそうに見ているので放り投げ、

「ナナイが戻るまで使ってていいよ」

そう言うと体が大きいのでこん棒のような長さの細い棒にしか見えないがゴルフは振り回したりしており首を捻って、

「ナナイはすごいって言うけどただの棒じゃないか」

そう言うとほって寄越してきた。


途中でお腹が空いたゴルフのためにレーザーで魔物を取ったりしながら進む。魔族の領土にはいると何故か襲われないので聞くと、

「そのカードからすごい力が出てる。逆らえばマハラジャがやって来る。わかる」

ゴルフは怯えながら何度も頷き返す。

その瞬間木の上からゴルフの頭になにか落ちてくる。


「俺じゃねえよ、マハラジャが来たからだよ、勘弁だよ」

私は気がついてきたがあえて黙っていると怒ったナナイがゴルフに詰めよりゴルフは弁明している。

「ならなんであんたがついていってるのよ、嫌いじゃなかったのズイセツのこと」

ナナイをのせたまま私に向かって、

「今はブラザーだよ、前は確かにいけすかないやろうとおもったけど、今は違うよ」

ナナイが私の顔を見たので笑いながら、

「ブラザーだ」

そう言って錫杖を差し出すと首をかしげながら降りてきて受け取った。


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