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魔王と天の光

「礼だ」

王子から金貨の入った金を受け取りなにか言おうとする王子を片手で黙らせてそのまま町へと戻り最前線の馬車に乗る。

〈何だかんだまだ若いなズイセツも、権力者とはいつの時も対して変わらない、世直しをしたいわけでもあるまい〉

指摘された事はそうだが割りきれない気持ちがマリアの事を思い出す度にわだかまりを残していく。


ハルを回収して情報を引き出したが興味のあることはなく馬車が出発するのを任せる。

クラス1の馬車であり、戦い慣れした冒険者達が一攫千金を夢見て話をしており、ソロで乗っている私に視線を送るがすぐに仲間同士で話をしていた。


「到着」

冒険者は次々とおりていき最後に馬車をおりる。パーティーはそれぞれに集まり装備の点検をしていた。

私は魔王が住むと言う城に向けて歩き始め、周りはその方向に有るものを考えざわついており、私は気にすることなく森へと入っていった。

魔物が多いとはいえ森自体には変わった様子もなく歩き続けていると、

〈目立つことをするからこうなる〉

私は無言で立ち止まり振り返る。


沈黙が続き私は刀を居合いの要領で抜いた瞬間後の幹を両断する。気が倒れた向こうには黒ずくめの男が立っており口許だけ笑うと後ろへバク転して森へと消えた。

〈反応も良いし音もたてずに、忍者の様だな昔の〉

「忍者とは」

そう聞くと動画が写し出され先程の男のような服装で隠密の仕事や暗殺などもするということがわかり、

「敵対すると言うことか」

〈偵察だろうが注意に越したことはないな〉

そう言いながら衛星で周囲のスキャンを行い知らせてきた。


森を進み続けるとパーティーが壊された遺跡の前で一人の男とにらみあっており、男は化粧をしているのか白地に赤い唇と目を書き込んでおりハルが、

〈情報と一致したのはサーカスのピエロか殺人鬼でこのような顔に姿も一致します〉

ピエロの男はその場でバク転すると、

「観客が多ければ多い程見せたくなるものです」

背中のどこに隠していたのかつきだした手にはカラフルな棒が握られておりバトンのようにくるくる回す。パーティーが声を掛け合い後方から矢を放つと前衛が突撃した。


矢を人間では無理な体をくねらせた回避して攻撃は棒で受け止める。カン高い金属音が響き、耳から刺すような感覚がありパーティーの面々も悲鳴をあげ離れる。

ピエロは笑いながら重さを感じられない跳躍で前衛を飛び越え弓からショートソードに持ちかえた男の腕に棒を叩き込む。

「ぐわ、石化だ」

右手の付け根から石に変わったようでその範囲が広がり横の女性が、

「ガス、腕つきだしな」

そういった瞬間仲間の腕を切り落とす。

「治療を」

そう言いながらピエロに切りかかり、笑いながら飛び上がるともといた場所に戻る。


「石化を腕を切り落とすので止めるとはなかなかの相手」

そう言うと体をまるめて高速で前転しながら前衛の戦士に襲いかかり盾にはねかえされたが気にする様子もなく体をゴムのように伸ばししならせて攻撃を加え、その度に高い音をあげており私はなぜか調子が悪くなる。

〈催眠だな、聴音フィルターをかける〉

そうすると体調がもとに戻るが、パーティーは影響を受けている最中で動きが鈍くなりピエロは大きくバク転するともう一度もとに場所に戻り大きく息を吸い込み始めた。


「ブレスだ、阻止しろ」

普段なら一気に近づき攻撃ができるのだろうが体が反応せずその時をむかえた。


赤く塗ってある口から紅蓮の炎が吐き出されパーティーを包み込んでいく。ハルからはスキャンしたデーターで300度程の噴流が5秒ほど吹き出されこちら側の木なども燃えさせ私は影響がないところまで移動する。

「おお、これで立っているとは中々の者ですが終わりといたしましょう」

そう言うと棒の先端を遺跡の石畳にテンポ良く打ち付けていくと倒れていた後衛が操り人形のように立ち上がりくねくねと動きながら辛うじて立っている仲間に攻撃を始めた。


「フィズ、レガーヌ、オルフィン、おれだわからないのか、操られているなら目をさませ」

悲痛な叫び声で辛うじて仲間の攻撃を避けている前衛の戦士にピエロは笑いながら叩きつけるテンポをあげていくと操られている者は小刻みに動き始め攻撃を当て始め、戦士は悲痛な叫びの後仲間の首を切り落とした。


「おやまあせっかくの見世物を、興醒めいたしますね、もう少し楽しませてからでもよかったのでは」

ピエロは高らかに笑い振り向いた男の胸に棒を突き刺し生き残った者にも同じように始末する。

ピエロは棒を天秤のように肩に担ぐと、

「そこで私の華麗な躍りをいつまでも見ておらず出てきてはどうかな」

私はばれていたのかと思いながらもここで出ていくのもなと思っていると三方から長い何かがついている棒が次々と地面に刺さり呪文が唱えられる。


左右や左前の茂みから次々と騎士や兵士や戦士が飛び出してピエロへと走り、その後ろから矢が次々と打ち込まれていく、

〈この場でひたすら待っていたようだな〉

焼き払われた部分にも潜んでいた者がいたのだろうが悲鳴もあげない統率で、先程のパーティーを餌にしたのかと思いながら戦いを見つめた。


ピエロは見えない何かの力で殴られ圧迫されているのか動きに切れはない、

「こんなに観客がいるとは私の技も切れが増しますぞ」

そう言いながらカクカクとした動きで騎士や兵士の攻撃を受け流し避けていく。


騎士が手を上げると戦士が金属で出来た縄をピエロにかけて動きをさらに封じる。

表情が元々笑うしかないのか、それとも余裕なのかわからないが左右から引っ張られ動きが制限されて入るが攻撃をカクカクとした動きで避けまくりピエロの笑いだけが周囲に響いた。


「さすがにこれだけでは芸が無いと言うもの、観客が多数いるのに申し訳がないですね」

そう言いながら棒をまた同じように石畳にぶつけてテンポをあげていくと、先程倒したパーティーが操り人形のように立ち上がり、首が落とされたのも立ち上がった。


森から兵士が飛び出してきて無言でパーティーに斬りかかる。後衛の冒険者はブレスで焼けただれた体を切りつけられていくが気にせず反撃をしており兵士に負傷者も出ているがお互い沈黙を続けていた。

前衛の戦士は兵士を物ともせずピエロと戦っている兵士に切りつけていき、声が響かないがそれがかえって不気味であり複数の槍で刺し抜かれた戦士は最後に刺さっていた棒の1本を破壊した。


「なかなか面白い余興でしたが単調で面白味にかけましたね、それでは私からのプレゼントを受け取っていただきましょう」

そう言うなり棒を石畳に突き刺し歌を歌い始め、ピエロ一人のはずなのに周りから声が聞こえ始めたので騎士は、「退け」それだけ言うと周囲に散らばり始めたが見えない壁でもあるのか逃げることができずにいた。

「場所を設定しましょう」

そう言うなり周囲の景色がかわりはじめ私は光学免彩で姿を隠す。森に隠れていたクレリックも丸見えで逃げることも出来ず騎士は「突撃L」そう言うと一斉にピエロに向かった。


ピエロの前にはパーティーと倒された兵士がおり、クレリックがアンデットを解呪するために唱えたが効き目はなく操り人形のように攻撃を仕掛ける。

数で押しきろうとするが命がない人形は体で押さえつけ前進を阻んでいるとピエロは息を吸い込み人形ごと紅蓮の炎で焼き払った。

悲鳴があがりその瞬間に沈黙が破れて悲鳴と罵声が入り乱れており、ピエロは嬉しそうな顔をすると火傷でのたうちまわる騎士や兵士を軽く叩き石化を促していった。


恐怖で狂わんばかりに転げまわり次第に石になり動かなくなる。

〈ズイセツ、あの石化が持っているものなのかそれとも武器なのか知りたい〉

ハルの探究心は戦えと言うことで私はこの場所を吹き飛ばすために衛星からレールガンで弾丸を打ち出すように指示をした。


カウントダウンで落下する時間が減少していく。その間にもピエロに石化されていき生き残った者がいなくなった状態で遺跡と共に周囲を吹き飛ばした。

衝撃波と爆音がこだまして私はコートの中で耐えて落ち着いた頃に中心部を見てみる。


中心には球体が転がっておりしばらくすると手足がのびてピエロが立ち上がる。

その顔は笑いではなく憤怒の表情で私を見つけると目が窪み黒くなり中心は赤い点が光り、

「お前か、お前か」

私は無言のまま刀を抜いて一気に走りより切りつける。


「私の舞台を破壊してこのように汚すとは許さん、どうしてくれよう」

口が裂けていきさらに真っ赤な口のなかを見せてくる。普通の神経ならそれだけで気が狂いそうだがハルのフィルターで気持ちの変動は押さえられ気にすることなく切り裂く、

「きさま人ではないな、何者だ」

切り落とされた左腕を見て後ろへ飛ぶのに合わせて私も飛んで首を切り落とした。


首は綺麗に飛んでいく。しかし体が動いて右手の棒が私のマントにかするとその部分が石化していきハルがその周辺ごとパージして被害をふせいだ。

「石化を止めるとは、これはどうだ」

落ちた頭から声がして鋭いものが飛んできてマントに刺さり体にも当たった。

〈麻痺と毒だな〉

ハルがナノイドを使い無力化をしてくれ私は気にせず体ではなく頭を両断した。


「ぐわっ、こんなところでやられるとは、だが良いだろう」

そう笑うと頭が消えてしまい体は糸の切れた人形のように倒れた。


私はピエロが使っていた棒を拾う。茶色だが金属で出来ており表面はでこぼこしているがスキャンした結果は特別な作りはしていないとでておりピエロが石化を行ったのではと推測した。

〈しかし先程の戦い、感情を押さえさせてもらったが迷いもなく速攻で倒すとは感情と言うものは戦う場合は不要と考えるのも無理はないな〉

先程の戦いは自分の意思と言うにはあまりにも違い夢の中で倒すことだけ考えていていたようで沈黙するしかなかった。


「さてこのまま進むかな」

棒を片手に持ちながら進むと周囲から10人程のパーティーが出てきた。


先頭の戦士は舌打ちしつつ私の前にくると、

「漁夫の利を得たようだがその得物を渡してくれないか」

丁寧にだが威圧的に私に言ってくる。私が黙っていると苛ついて、

「俺達より到着が早かっただけだろうハイエナ、金貨をやるからそれを置いていけ」

戦士は金貨を数枚投げて寄越してくる。

私は感情をハルに制御されている名残で表情は出さず無視して歩き始めた。


「なっ」

無視されたことに怒った戦士はロングソードを抜いて私の前に立ちふさがる。左の革の鎧を装備している男が笑いながら、

「ログの野郎無視されてやんの、だからとっとと殺害して奪えばよかったのによお笑いだぜ」

ログと呼ばれた戦士は顔を赤くして、

「優しくしていれば」

そういわれた瞬間にパワーと瞬発力を最大にしてもうひとつやってみたかったことを行う。


戦士の懐に飛び込みながら棒を突きだし戦士のプレートメイルに突き出した。

金属の当たる高い音と共にいとも簡単に戦士の体に埋り、戦士は信じられないように自分のからだと私を交互に見て声がでないほど驚いた顔をして膝をついた。


私は戦士の胸にけりを入れて棒を引き抜く、周りでは悲鳴と罵声があがり私は一番近いクレリックと思われるメイスを持った男のお腹をフルスイングで吹き飛ばし後の木に当たり崩れさり、驚いて動けない戦士等の頭を棒で吹き飛ばしていき最後に戦士と先程の仲間を笑った男がおり、男は戦士の後ろに隠れ、私は槍のように持ちかえ投擲する。

金属音はしたが綺麗に突き刺さり、後の男も一緒に貫かれ悲鳴が上がった。


〈特に特殊な素材ではないと思われるがこれ程の硬度とは、どの様な加工がなされているのか〉

ハルもだが私も全力で殴り付けたが曲がった様子もなく驚かされた。


棒を抜こうともがいている男達、

「てめえふざけるな、これを抜きやがれ」

貫かれたが致命傷を受けなかったのか男がこちらを睨み付けてくる。

私は気にすることなく棒に手をかけた瞬間、

〈右だ〉

ハルからの声に私は後退しながら顔の前に右腕を持っていった瞬間衝撃を受けた。


右手にしびれを感じながら黒ずくめの男が次々と連続攻撃を仕掛けてくる。

「フェイ、やっちまえ首をはねろ、それ以外お前は使い物にならないんだからな」

男が声援をあげており私は下がりながら連続攻撃が途絶えるのを待つ、しかし連続攻撃は途絶えることもせずハルが、

〈驚くものだなスキャンでは人でない、ピエロと同じような魔物だが〉


私は左の手のひらにナノイドで防御層を形成して細身のショートソードを受け手前に引くと潔く手を離して後ろに下がり、すぐに喉元を狙って切りつけてくる。

奪ったショートソードで跳ね返しながら体を寄せて左手で捕まえると体を寄せてナノイドを送り込む、必死に動き回っていたが力が抜けて崩れ去った。


〈同じ様に操ることも出来るようだが面白い、抵抗して体を動かそうとしている〉

黒ずくめの男が体を動かそうとしてうめいている。私は被り物を剥ぎ取るとほっそりとした男性なのか女性なのかわからないほっそりとした顔があった。

私は立ち上がり棒が刺さった男達の前にいくと棒を引き抜き何か言っている男達を黙らせると戻った。


「目を開けて声は出して良いぞ」

そういった瞬間猫のような瞳で私をにらみ、

「きさま何をした、魔族である私を操るとはだれだ」

「魔族であるお前がパーティーに混ざっているのはどうしてか聞きたいのだが」

しかし私をにらみつける。


「答えろ」

私が言うと口が開き、

「なっ、魔族では下等な私の両親を捨てて人間に潜り込んだのだ、ばれたのは始めてだがな」

勝手に自分の口から言葉が出て驚き私を見つめる。

「案内をするなら命は助けよう」

興味があるとは言わずに命の保証をするとにらみながら、

「わかった、案内はする」

納得はしていないが現状を見れば従わなければ命はないと考えたのだろう。


体を自由にすると確かめるように起き上がり、

「ナナイだ」

「ズイセツだ」

それだけ言うと仲間を見ており何か言いたそうなので促すと、

「戦利品は取らないのか」

「面倒だ、ほしければ勝手にしろ」

そう言うと仲間の懐や腰袋を探して私のもとへ戻ってきた。

「自分の物にしろ」

そう言うと少し嬉しそうな顔をして頷いた。


「向こうにいくのに道案内を頼む」

そう言うとナナイは歩き始め森の奥へと進む、衛星からのGPSで衛星からの画像に重ねながら進む、

ナナイは時々私を見ているので、

「言いたいことは言え」

そう言うとあのピエロはピッコロという名前らしく機嫌が良いと横笛を奏でておりその楽器の名前で呼ばれており、魔族でも上位の者で気まぐれに一人で出てきては冒険者を操り人形のようにして他のパーティーを襲っており、今回いくつかの国が抱えるパーティーが向かった。

ナナイのところもその一つで、他のパーティーの上前をはねようと近づいたと言うことだった。

「ピッコロは誰が倒したのですか」

最後に聞かれたので、

「私だ、石化と毒や麻痺を食らったが倒した、と言っても頭を二つに割られていたが逃げた」

「だから私の攻撃が届かなかったのも納得する」

ナナイは頷きながら棒を気にしているので渡すと、綺麗に振り回し速度を増していくと最後に私の喉元に突きつけ私の瞳を見る。


沈黙が流れナナイは息を吐き出すと棒を一旦引いて私の前に突きだした。

「使わないから持っておけ」

ナナイは驚きと戸惑いを浮かべながら、

「これは魔族で上位の名のある武器です。これを持っていればピッコロが復活すれば必ず現れます」

ピッコロと名前を出すと恐怖の顔を浮かべナナイは沈黙する。

「出てきても倒せばいい、それだけだ」

感情を何時まで押さえられているのかとも考えたがナナイが歩き始めその後に続いた。


「ここからがあのお方の領土です」

怯えた様子でナナイは話す。

「あのお方とは」

「直接見たことはありません、しかし容赦なく上位でも畏怖で大人しくなると両親が教えてくれました」

「姿はわからないか」

そう言っているとハルが、

〈衛星の一部修理が完了したのでお知らせします。完了内容はハイパワーウェーブです〉

ハルが説明をしていく、衛星でソーラーエネルギーを蓄積してそれを私にハイパワーウェーブで送信することで大容量のエネルギーを使用できると言うことで、用途はナノイドがあるかぎり何にでも出来ると言うことだった。


「武器と防具では何が出来る」

〈レーザー、レールガン、ショックウェーブ、電磁場による防御となります。その場合ナノイドを補充しなければならず衛星からの補給をですがどうしますか〉

私は周辺の地図を見ると左手の方には荒れ地でありここを指定場所にして夜回収できるようにハルに伝えた。


「そっちはなにもないはずだけど」

ナナイが私が指差した方にたいして疑問で答えるが肩をすくめて歩き始める。森を抜けるとここで待つように言って私は指定場所へ急ぐ、夜空の星は昔と変わらずと言いたいが千年もたてば星の位置も違っておりデータで表示される味気ないものだが地平線から予測軌道道理コンテナがやって来るのが確認できた。


後二時間程で予定地点に落ちてくるのがわかり進んでいくと着地地点に明かりが見えた。

どうやら魔族の一団であり焚き火のまわりで騒いでいる。このままほっといて落下の爆風で吹き飛ぶからそのままでいようとしていると暗がりから巨人が現れ咆哮と共に襲い始めた。


素早いとはいえ逃げ回るしかなく見つめ続けた。

〈ズイセツ、あの巨人排除しないと面倒なことになる〉

「吹き飛ばされないと言うことか」

私は弓を取り出して巨人の顔に向けて矢を放つ、暗闇を切り裂き巨人の眼に命中して狂ったように暴れ、闇の中を走り抜け刀を抜いて巨人のアキレス腱を切り飛ばし倒し、倒れこんでくる巨人の首をはねると倒れて動かなくなった。


周囲には魔族が取り囲む、容姿はおでこに螺旋の角が1本生えており、色黒で髪は紫で痩せて背は私よりも低くエメラルドグリーンの目でこちらを見ていた。


長老なのか髭を生やしている男が進んできて、

「なぜ我々を助けた、それとお前はだれだ」

警戒しており周囲を取り囲んでくる。

「助けたつもりはない、ここにいてもらっては邪魔なだけだ、敵対するつもりがないならここから移動してくれ」

私を見て頷き巨人を見る。巨人をどうするかと言うことらしいのでいらないというと周囲を取り囲んでいた魔族は巨人を解体し始めた。


「言っておくがもう少しすればこの当たりはめちゃくちゃになる。離れることをすすめる」

そう言うと長老は礼を言ってばらした巨人をそれぞれが担いで暗闇へと消えてった。


私は岩を探してその裏に座り表示されているカウントダウンを見ながら星を見上げる。

衛星からの情報で先程の魔族は衝撃波の範囲外に出たらしいとハルが表示してきたが私はなにも答えず時間を待った。



爆風と爆発音がおこり背中の岩に色々なものが当たり私はマントで体をおおってやり過ごす。

しばらくして落ち着くと落下した中心部に向かい大きなバックパックのコンテナを担いで光学免彩で姿を消すと走り出した。


〈ここまで盛大にすると周囲から接近している。ルートを表示する〉

周囲から魔族が移動してきており見えないのも含めればかなりの数だが、周囲に溶け込んでいるため気がつかれず離脱することができた。


森へ到着してナナイの目の前で現れ驚きながらショートソードをかまえ、私と認識するとホッとした顔で、

「さっきのはズイセツ様と言うことですね」

私は黙ってコンテナを下ろしてロックを解除するとナノイドを起動させる。

まずはハイパワーウェーブの受信アンテナを作る。昆虫タイプの薄くて丈夫な羽を4枚とその間に薄いアンテナを展開して受信を試してみる。

衛星からの送信が始まり、背中に薄く全面に作られた蓄電用のセルに充填されていく。

その間に手の甲にはレーザーを両手に制作して、背中に脇の下から前方にのびるレールガンを作製した。


両手をのばしてレーザーを射つ、反動もなく青色のレーザーが岩に当たり瞬時に穴を穿つ。レールガンを腋で押さえると銅貨を握り潰して巻物のようにして装填する。何か目標はと探すと高高度を飛んでいる魔物か何かをレーダー射撃で試し射ちを行った。

射ち出した瞬間、強烈な反動と共に後ろへ後退した。10mは下がりナナイは驚いて耳をふさいで座り込んでいた。


レーダーからは命中したのか落ちてきて範囲から消えてしまう。出力を調整しないと反動がきつすぎるので出力を押さえて発射を数度行った。

「それは何なんですか」

目を血走らせてナナイがレールガンを見ている。私は黙って背中の方に砲身をたたんでしまうと、

「飛び道具だ、これから必要になるから試射をしただけだ」

色々聞いてきたが説明をしても理解ができずにおり就寝した。

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