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近日中という名の二夜連続投稿です。
ただ今回の更新は3のみとなっております。
ではどうぞ。
「あかーん!漏れる〜!」
おれがいつものように午前中の見回りを終え、
二丁目に住む駄菓子屋のおばあちゃんに正当な報酬を受け取った後の事だ。
おれの凱旋を祝うように敷かれた座布団で暫しの休息を得ていた時だった。
乱暴に扉を開けたであろう派手な音にもう少しで安眠に至るところで微睡んでいたのに一気に吹き飛んでしまった。
「ト〜イ〜レーーっ!」
「彰人!扉は静かに開け閉めなさい。それと帰ってきたら"ただいま"でしょう。」
(全くもってその通りだ!)
咎めるように一喝してやった。
安眠を妨げられ知りたくもない排泄宣言など聞きとうないわ!
「あら、ゴロちゃん。今日も来てくれていたの?騒がしくてごめんなさいね。」
(ふむ。いつも手厚く迎えてくれるご婦人にそう言われては許してやるしかないな。だがおれはゴロちゃんではない!)
「あらあら、やっぱりゴロちゃんはゴロちゃんてわかるのかしらね。」
だめだ。肝心なところでいつもこれだ。
これが以前に知ったあざといというやつなのだろうか?
あの時は人間なのかチンパンジーなのかわからない焦茶色の生物がキーキー喚いていた。
可愛いは作れるだのなんだのこやかましいばかりだ。
おっと。
おれとした事が無益な思考をしてしまった。
時間を無駄にしては勿体無いばかりだ。
それにしてもこのご婦人はとても美しい方だ。
気が利く事はもちろん、今だって身に纏うエプロンというものでさらに魅力を増している。
おおよそ地味な部類に入るであろう着衣で普段は過ごしているご婦人だが、
どこか輝いて見える優しげな瞳
一本筋の通った可愛らしい鼻
思わず引き寄せられてしまう艶やかな唇
その全てを収めてより一層引き立てる丸みを帯びた小さな輪郭。
そしてなんといっても流れるように左耳のやや下あたりで一つに結わかれた栗色の綺麗な髪。
着飾る必要がない。
いや、着飾らないことでより引き立っていると言っても過言でない。
あまりの魅力に雄としてはくるものがある・・・
だがしかし子を成している。
つまりはそういうことなのである。
恨めしいばかりだ。
狡猾に狙った可愛さをあざといと指すものですが、
そこは猫なので勘違いもする・・
という言い訳を聞いてあげてください。
次回更新は未定です。
一応4の1/3ぐらいは書き進めてあるので5と共に更新するのはだいたい3日後くらいかな?
なるべく早く書き進められるように頑張ります。
では、皆さんお元気で。