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初めまして。
六丁目路傍在住野良猫・・となにやら長ったらしい名前ですが、生温かいぐらいでのお付き合いのほどをよろしくお願いします。
こういった書きものの経験は皆無でして誤字脱字はもちろんのこと読みづらい思いをさせてしまうかと思いますがご容赦下さい。
お気づきの点がありましたら感想等でご報告頂けると幸いです。
暇つぶし感覚で書いておりますので不定期な更新ですが完結に向けて鋭意努力いたしますので改めてよろしくお願いします。
「さあ、終わりにしよう。こんな争いの先に何も生まれやしないのだから・・」
「馬鹿な!何故それほどの力が!大魔王である私を超えるなど・・許さん!許さ・・」
プチッ
「あ、おいっ!」
特徴の無い青年がこれまた特徴の無い平凡な部屋で何者かがテレビの電源を切ったことに非難の声をあげる。
「葵だけどなーに?」
非難の声に対して挑発的な視線ながらいざ反抗されようとも勝ちは揺るがないとでも言いたげな微笑みを浮かべながらテレビの前で座る青年を見下ろす。
「・・・」
不満気な視線で見上げるがどこか嬉しげな口元が矛盾を体現していた。
「なによ。なんか文句でもあるの?」
先程の視線とは打って変わってどこか恥ずかしそうに頬を染め目線を明後日の方向に逸らしている。
「いや、葵ちゃんのニットワンピ姿がすこぶる可愛くて・・」
読んで字の如くニットでてきたワンピースである。明るめの茶色いニットワンピースから伸びる脚を黒いタイツで覆っている。実に素晴らしい。
「・・一応褒めてるみたいだからありがとうとは言っておくわ。」
まだ頬は赤いがやや不満がある顔をしている。
なにが気にいらないのだろうか。
「ところでどうしたの?呼鈴も鳴らさないで入ってくるなんて何かあった?」
「これといって用があった訳じゃないんだけど・・」
さて、そろそろ行くか。
ん?おれは誰かって?
(ふむ。吾輩は猫である!!)
すこぶる・・という言葉には"かなり"や"すごく"といった意味で使われることが多いですが、元は"少し"や"ちょっと"という意味で使われていたそうな。