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An amatuer detective in the train

作者: 猫ナノカモ

あらすじ的には面白くなりそうだったけど俺の文章力と推理根拠がいまいちかみ合いませんでした(;´Д`)

 彼がクリームパンをこれほど魅力的に感じたことは多分生きてきて初めてだろう。

 朝食になにやらしょぼい菓子パンを食べて以降、大学でも何も食べなかったし、実際自宅に向かうこの電車に乗るまで缶コーヒー以外は何も口にしていない。単に金欠のせいなのだが別にそれはこの話とは関係ない。

 車両が揺れる中、はす向かいの男が電話で何事か喋っているのが聞こえる。

 実際、目の前にはクリームパンがある。自分のクリームパンなら単に袋を開けて食べるだけでいいわけだが、さっき乗ってきた中年男の物な訳で勝手に奪い取れば窃盗だ。なんとかして、食べたいなぁとぼんやり考えている。ここで一つの光明が射す。中年男はカバンの中から本を取り出した。その本は「失楽園」。この手のおっさんが不倫へと憧れを抱いているのはいつの時代でも変わらないのか、などととりとめのないことを思いながら、渡辺淳一に感謝し計画を行動に移すことにした。

「ねえ、すいませんけど、そのクリームパンくれませんか?」

と聞いてみた。彼の推理ではこれは断られる。このおっさんは相当に悋気だ。

「別にケチってる訳じゃないが、売るんならまだしもタダでやるきにはならんね。」

けちなやつに限ってそういう事言うんだよ、と毒を吐きつつも内心ここまでは彼の計画どおりである。

「じゃあ、不倫とか興味ないですか?」

 無論だが若い男にこんなこといきなり言われたら怪訝な顔をするだろう。予想通りおっさんは怪訝な顔をして少し考えた後で

「ごめんな、にいちゃん。俺はそっちのケはねえんだ。」

と言った。くそ、予想通り過ぎるだろ、このおっさん、俺だってそんな趣味ねえよ、と思いながら

「ああ、いえいえ、そういうことではなくて。この車両に不倫カップルが乗ってるんですが、そんな話に興味はないですか?」

こういうとおっさんは急に目を輝かせて辺りを見回し始める。オフシーズンの特急電車ではあるが終点が温泉地の駅なのでそれなりにカップルはいる。とはいえカップル3組、あとはおばさん4人のグループと、中年男と彼の12人である。

 ここで電車と車両内の説明をしておこう。電車は温泉地・城崎へと向かう特急列車の最終で、城崎着8時、途中停車駅はこの後城崎を含め3駅である。よって、おそらくおばさん4人グループは旅行帰りである。これは容易な推理でおばさん四人が8時から片田舎の温泉に行くと言う可能性より逆にバーゲンか何かに行ってきてその帰り道であると考えるのが順当である。問題はここから、男女のカップルは3人。

 おっさんは凄い食いつきぶりで、三組のカップルを全て見回したあとで

「あの中年カップルだろう?手を握り合ってるし」

と安っぽい推理を彼に披露したが

「いえ、残念ながら違います。二人はおそらく夫婦で最近結婚した所のようですね。彼らが愛し合うのは自然なことですよ。でも言っておきますけど、そのクリームパンをくれない限りあと二組のどちらかを説明するわけには…」

おっさんは少し考え、そして仕方なさそうにクリームパンを彼に渡した。

「そのクリームパンを食う前に説明しろ、俺が納得しなかったらクリームパン返せよ。」

なんと言うかクリームパンを人にあげるのが嫌と言うよりは騙し止れるのが嫌なんだろう。プライドだけは随分と高いものだ。

「ええ、もちろんです。まず、さっきおっしゃった中年カップルですが、残念ながら二人とも結婚指輪をしています。それだけ十分な気がしますが、さらに言い足すと、彼らがお土産を持っていることです。つまりこれから行くのではなく、もうすでに行った後で帰り道にもかかわらずペアリングをしている。ならば夫婦である可能性が最も高いわけです。」

と言うと

「指輪なんかここからじゃ見えないぞ」

と文句をいってきたが、実際に車両の端っこに座った人の指輪を見るには視力が必要だ。

「僕はあの人たちが隣を通過した時に見ました。ちなみに全てのカップルについて観察してますよ」

というと

「あんた、いつもそんなことしてるのか?」

と疑わしそうにこちらを見ている。仕方がないので

「そんなに疑わしいなら確認してきてください」

と促した。実際にトイレに行くフリをして3カップルの指や身なりを確認してきた。

「あと一つの不倫カップルでないのは、あの若い女とおっさんの二人です。なぜなら…」

と言いかけた所でおっさんが

「ちょっとまて、じゃあ、あのどう見たって母と息子って感じのあの二人が不倫だって言ってんのか?」

「そうです。その前に若い女とおっさんはですね、」

と言うと、おっさんは

「それはどうでもいい。じゃなくて不倫の二人の話を聞かせてくれ。」

と言う、かなり焦っている模様だ。

「じゃあ、不倫カップルですが、まず引っかかったのはおばさんの方が指輪をしていません。であると結婚していない、あるいは外している。外している理由はサイズが合わないとか普段は付けないのだとかいろいろありえます。もちろん中には不倫もありますがまだ可能性の一つでしかありません。ちなみに男のほうは、左手の薬指に指に指輪の日焼け跡があります。」

だからなんだと言う顔でおっさんは釈然としない模様である。

「次に二人は二人とも車を持っています。車のキーは確認済みで、女はベンツで男はダイハツの軽自動車のようです。しかも、女のほうが2号線で渋滞が大変だったと話していました。二人が夫婦ならかなり不自然です。夫婦で旅行に行きたいなら車で行けばいいし、どうしても電車で行きたいなら一台の車で駅まで来たほうがお得です。と言うことは二人は夫婦ではない。おばさんは未婚あるいは既婚で、男は既婚であるが、二人は夫婦ではない。」

おっさんは小さく頷いた。

「ですが、息子が結婚後、母と旅行に行くと言う可能性はまだ残されています。これを否定したのは二人の携帯電話でした。二人は携帯電話の電源を切っています。さっき電話がかかってきた時に、二人で電源オフにする所を見ました。二人が親子なら携帯電話の電源を切るのはおかしいでしょうから、普通に考えれば知られてはならない関係、つまり不倫カップルであると言う結果に落ち着きます。」

おっさんは頷いて

「まあ、クリームパン一個分ぐらいの推理だな」

と正直な感想を言った。

ぶっちゃけ超イマイチです

我ながら死ねばいいのに。

ここをこうすればいいとかあれば送ってくらさい

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。面白いと思いました。 でも、車のキーというのは、通常電車に乗るときに見えるような場所には持たないと思うので、少し説得力に欠けると思います。 単に、二号線の渋滞の話を男にしていた…
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