第七話「宮島JK、対岸ホテルでお泊まり大作戦!」
放課後フェリー、逆方向
ある日の放課後――
楓が突然言い出した。
「ねぇみのりん、今日、島の外にお泊まりしない?」
「は?」
「ほら、対岸のあのホテル!観光客はみんな泊まってるけど、地元民って泊まらなくない?一回くらい泊まってみたいじゃん!」
「いやテスト終わったばっかりでお金ないし」
「大丈夫!親に言ったら許してくれた!『地元再発見』って名目で!」
「それ、絶対お母さん笑ってただけだろ…」
結局、さくらとひよりも誘われ、気づけば4人揃ってフェリーに乗っていた。
対岸のホテルに到着!
フェリーを降り、徒歩5分。
海沿いに建つリゾートホテルに、制服姿のJK4人がちょっと場違いに現れた。
「やっば〜!ロビー広っ!シャンデリア光ってる〜!」
「静かにしなさい、宿泊客に迷惑…あ、外国人に笑われてる…」
「わ〜!カフェもある〜!ケーキ食べたい〜!」
「さくら、まず荷物置いてからな!」
チェックインも、なぜか楓が仕切る。
「えっと、部屋は海側でお願いします!」
「もう予約してるから…」
「え、そうなの!?私たち意外と準備いいじゃん!」
「私が全部やったの!!」
部屋に入った瞬間、大騒ぎ
部屋のドアを開けた途端――
「海がめっちゃ見えるーー!!」
「ベランダついてる!海風最高〜!」
「ベッドふかふか!飛び込みたい!」
「飛び込むな!!」
観光客なら大人しくするであろうところを、全力で満喫する地元JKたち。
遠くには宮島の大鳥居が小さく見える。
「夜はライトアップされるんだよね!楽しみ〜!」
「だから静かに…部屋飛び回るなって…」
夜はホテルグルメに舌鼓
落ち着いた頃、ホテルのディナービュッフェへ突撃!
「海老!牡蠣!ローストビーフ!寿司!あとケーキ山盛り!」
「お皿持ちすぎだから!」
ひよりが言っても楓の手は止まらない。
さくらはスイーツコーナーでTikTok撮影を開始し、みのりは小皿に控えめに選んでいたが、結局みんなの皿から少しずつ強制シェアされていた。
夜の女子会、そしてまさかの…?
部屋に戻ってからは、お決まりの女子会タイム。
お菓子を広げ、恋バナかと思いきや――
「なぁ、明日朝イチで温泉も入ろうな!」
「え、もう寝るの?まだ語り足りない〜!」
「みのりん、寝ないで〜。怖い話して〜!」
「絶対にしない」
「ひよりん、お腹鳴ってる!まだ食べたいの!?」
「…シュークリームは別腹かなって…」
結局、夜中までわちゃわちゃ。
翌朝のフェリーで…
翌朝、チェックアウトしてフェリーに乗る4人。
目の前には、行き慣れた宮島の山と大鳥居が光っている。
「なんかさー、たまには島から出てホテル泊まるのもいいね!」
「島のありがたみわかるよね」
「温泉、最高だったー!」
「…帰ったら宿題やるからな」
「…やるよ、たぶん」
宮島JKたちの小さな脱・島冒険は、こうしてお腹いっぱい&眠気MAXで終わるのであった。
つづく