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第六話「テスト前なのにJK観光ガイド爆誕!」

テスト週間。

それは学生にとって、一年で最も机に向かわねばならない苦行の日々――

…の、はずなのに。


いつものフェリー

「…楓、参考書どこにやったの?」

みのりが呆れた顔で楓のリュックを漁る。

「んー?昨日コンビニ寄ったときに置いてきたかも!」

「はあああああああ!?」

「まぁまぁ!ほら、今日はちょっと人助けして徳を積んでおけば赤点回避できるって!」

「はああああああああ!?」


楓の机の中には勉強道具の代わりに、なぜか観光パンフレットがぎっしり詰まっていた。


鳥居前で見つけた迷子

商店街を抜けた先、大鳥居前には観光客がいっぱい。

その中で、見るからに困っている外国人夫婦と、泣きそうな子どもを発見。


「わーお、完全に迷子案件だよ!助けに行かねば!」

楓は一瞬でスイッチON。

「いやいやいやいや、テスト勉強…」

「みのりん、これは世界平和の一歩だよ!」

「意味不明…」


自称・宮島観光ガイド、発動!

「ハロー! キャン・アイ・ヘルプユー?」

楓の英語は中学レベルだけど、気持ちは100点。


「あの、ここから神社は…?」

夫婦のスマホにはぐちゃぐちゃのマップ。


「OK! カモーン! 私がガイドするネ!」

気づけば、さくらとひよりも巻き込まれてる。


「ちょっと、さくらもひよりも何してんの!?」

「せっかくだし映える動画撮れるじゃん!」

「外国の子ども可愛いし…写真撮ってもらおっと」


完全に観光客扱いで道案内スタート。


全力おせっかいコース

Step1:厳島神社 本殿

「ここは世界遺産!水の上に浮いてる神社だよ〜!」

「あれが大鳥居、干潮のときは歩けるんだよ!」


Step2:鹿との記念撮影

「No Food!オーケー? 食べ物持ってたら全部取られるヨ!」

「キャー!キュート!」

子どもが鹿に草をあげようとして、みのりが全力で阻止。


Step3:商店街 食べ歩き

「ラストは揚げもみじとカキカレーパン!」

「え、観光ガイドじゃなくて食レポじゃん…」


観光客も笑顔、でもテストは?

一通り案内し終え、外国人家族に「アリガトゴザイマシタ!」と何度も頭を下げられ、楓はどや顔。


「ふふふ…!地元JKとして、今日も社会貢献してしまった…!」

「テスト前に何やってんの本当に…」

「大丈夫!さっきの子どもに『100点取れるよう祈ってて!』ってお願いしたから!」

「人任せすぎる…」


みのりの頭痛はMAXだが、潮風は今日も気持ちいい。


フェリーで帰宅

帰りのフェリー。

楓はパンフレットで復習ごっこ、さくらとひよりはスマホで撮った動画を編集中、みのりは…一人だけ教科書をにらんでいる。


「まったく…赤点取っても知らないからね…」


夕陽に染まる瀬戸内海をバックに、宮島JKたちの青春は、テストよりも観光案内で彩られていくのだった。


つづく

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