第三話「商店街で食べ歩き!お腹いっぱいJKツアー」
学校帰り、厳島神社からの帰り道といえば――
当然、商店街での食べ歩きがセットだ。
「はい!まずは揚げもみじ!これは外せないっ!」
楓が真っ先に向かったのは、いつもの店。
揚げたてのもみじ饅頭をサクッと一口。
「やっぱり揚げると別物!外はサクサク、中はふわふわ、最高〜!!」
一口食べた楓の顔が天使のようにほころぶ。
第二の獲物、焼き牡蠣
「楓、それ一口ちょうだい」
「ダーメ。さくらは自分で買って」
「けち〜!」
ひよりがクスッと笑いながら、別の屋台へ視線を移す。
「じゃ、次は…牡蠣いこっか。焼き牡蠣〜!」
店先でジュウジュウ焼かれてる大粒の牡蠣に、みんなの目が吸い寄せられる。
「これぞ広島だよね!」
さくらがレモンを絞って一口でパクリ。
「じゅわっ…あっつ!でもうまっ!」
「あーん、私も食べるー!」
楓が素早く店員さんに追加を頼む。
突然の誘惑、牡蠣カレーパン
焼き牡蠣の店の隣には、これまた人気の牡蠣カレーパンの屋台が。
熱々のカレーパンを抱えたひよりが、ちょっとドヤ顔だ。
「ここの牡蠣カレーパン、サクサクだし牡蠣がゴロっと入ってておいしいよ」
「えー!一口ちょーだい!」
「さっき楓、さくらに揚げもみじ分けなかったくせに」
「いや〜、カレーパンは別腹ってことで…!」
結局、全員分を買って4人でむしゃむしゃ。
外の衣がカリッ、中はピリ辛のルーと牡蠣の旨味がじゅわっ…
さくらが思わずSNS用に動画を回す。
ついでに、にぎり天とレモンスカッシュ
「お腹いっぱい〜」
「とか言って、まだ行くんでしょ?」
みのりの冷たいツッコミをよそに、楓はにぎり天(魚のすり身を揚げたもの)を見つけて、すでにお店の前に並んでいた。
「わー!今日はチーズ入りのにする!」
「私はタコ入り!」
「私はエビ〜!」
一口かじれば、外はふわふわ、中からチーズがとろり。
さらにお供に、ひよりが提案してレモンスカッシュも購入。
炭酸が弾けて、油ものを流してくれる。
「うまっ…生き返る…!」
「完全に観光客の動きしてるよね、私たち」
「地元民が一番観光客っぽいって言われるやつ!」
夕暮れの商店街
食べ歩きでお腹を満たしたあとは、海沿いのベンチに座ってひと休み。
潮の香りと、遠くに見える大鳥居のシルエット。
「明日もテストだけど…まぁ、なんとかなるでしょ!」
「いや、なるわけないでしょ」
「でも楽しかったからいいの!」
お腹と心を満タンにして、宮島JKたちの放課後はまた今日も平和に過ぎていくのだった。
つづく