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第六十一話 夜を言祝ぐ


 【罪の怪人】からの襲撃……あれは襲撃なのか?まぁ、いい。

 あれを受けて俺達は気を引き締めながらリオデジャネイロに侵入した。


 初めて見るリオデジャネイロは暗く、静かに沈んでいた。


 「ここが、リオ?」『みたいだけど……』


 あまりにも静かだった。


 「ねぇ、リオデジャネイロって、人が住んでない地域だったの?」

 レンが頭を傾げる。


 『ちがう。たしか、人口的に言えば、シドニーと一緒ぐらいだったはず……』


 「え?じゃあ、なんでこんなに、静かなの?」


 不思議に思うのも仕方ないぐらいだ。

 リオデジャネイロはサンパウロに次ぐブラジル第2の都市。それがこれ程までに静かなのだ。それは、悪辣なる龍に支配されていたパリの方が賑わっていた程に。


 「どうして、こんなに……」


 サクラがふと、モニターを覗くとそこには大きく、nightの文字が映し出されていた。

 

 「なんだ……これ……」

 『これじゃあ、もう、私達は【夜】の……』

 

 その時、再び誰かが甲板に乗り込んだ。


 しかし、モニターには何も写っていない。というより、写せないのか。まだ、ミケが乗り込んできた影響でカメラがイカれている。


 しかし、モニターのセンサーは正常に動いていて、甲板に居る者をこう示していた。


 「…………琴乃葉」


 『忍!!!!』


 彩花が無理やりサクラの体を動かし、甲板に向かった。


 「え?……なに?」

 レンは何も分からないまま管制室に取り残された。


 ーーーーー


 甲板に出るとそこには、すらっとして可愛らしくとも凛々しい人が立っていた。

 その人は一見すると女性みたいだが、俺はこの人を知っているから分かる。


 この人は男だ。

 そして、彩花と優希の幼馴染、

 

 最後のヴァルフォールメンバー、


 【言葉の怪人】琴乃葉忍だ。


 「久しぶり!!えっと……彩花…で、いいんだよね?」


 忍の顔を見て、彩花は俺の体から分離して、飛び出す。


 「忍!!久しぶり!!!!」

 

 「ああ、良かった!!彩花だ!!」


 ーーーーー


 アルトライの中に忍を招き入れ、管制室で状況を確認することになった。


 「そっか……パリに、オーストラリアに、カイロに……頑張ってきたんだね。じゃあ、ここでは……」


 忍が立ち上がる。


 「どうしたの?忍……」

 彩花が首を傾げる。


 「え、なに?なに?」

 レンが困惑する。


 嫌な予感がする……

 そして、その予感は的中する。


 「もっと頑張ってもらうよ?」


 アルトライがありとあらゆる警報を鳴り響かせる。

 ミケが来た以上の……緊急事態を知らせる警報だ。


 「ミーク……殺しちゃダメだよ?じゃあ、僕は、《拠点にて休憩しているよ》」

 忍が消えた。


 それと共に、アルトライから"俺だけが"弾き出された。

 「なにが!?」


 気付かない内に、空に飛ばされた俺は、夜の街の中に落ちていく。

 彩花と分離していた影響で花の力は無い。つまり、龍の力を使えない。


 「久しぶりに【人】の力だけかよ!!」


 まぁ、いい……落ちたところで死ぬことはない。だから、今は"なんでこうなっているのか?"についてを考えよう。

 

 「まぁ、言葉の力によるものか……」

 

 だが、なぜ?忍は敵に回ったのか?


 『敵に回ったわけではないさ。俺の、仲間になっただけだ。君達を、鍛える為にな』


 夜が口を開いた。

 

 「お前は……【夜の怪異】だな?」


 星々の羅列が移り変わり、笑みを浮かべる。

 『その通りだ。俺の名前は【夜の怪異】ミーク。東京の帝に成り上がりやがった【月】の親友にして、人類の親友だよ』


 星が光る。

 そして、俺はそれを知っている。


 それが何を起こすのか知っているのだ。


 『星の光よ、【人の怪異】を焼け』


 星から光が差し、身体を焼く。

 「知ってるさ、俺も使ったからな!!」


 身体を四散させ、飛び去る。


 『へー、やるね。じゃあ次は……』


 夜空の星が更に煌めく。

 「あ、これって……」


 【死】を抑える為に使った光の……にげないと、


 そう思った瞬間に、光が落ちて、まるでカーテンのようになった光がサクラを押しつぶすように包み込んだ。


 「ぎゃあああああ!!!!!」


 広範囲をカバーするその光に四散した身体全てが押しつぶされ、やがて限界を迎え、身体が一つに戻る。


 「くっ……そ…」


 逃げ場がない。【人】の力だけではどうにもならない。


 「いや、諦めてる場合じゃねぇだろ……だって、俺は……水越サクラだ!!!!」


 光の中で立ち上がり、身体を変質させる。

 

 彩花が気絶していた時、俺は花の力を使えなかったのに、龍の力を扱っていた。

 つまり、俺自身に龍の力が宿っている可能性がある。

 未来の体だったからなんとも言えないが……


 可能性があるのなら、俺は!!


 「力を、貸せ!!アベル!!」


 返答はないが、体のどこかで力を感じる。


 「翼を、広げるんだ!!」


 龍の翼が生え、光の重圧を抜ける為に羽ばたく。

 

 龍の鱗が体に纏わりつき、甲冑となる。


 「あはは!!まじかよ!!」


 どうやら、俺の体はいつの間にか花の力が染み付いていたようだ。

 

 光の中を痛みに耐えながら、人の力で翼を補強しながら突き進み、やがて光から脱した。


 満身創痍になりながらも得た力を持って、空を睨みつける。


 「出てきやがれ……クソ野郎!!」


 『やるな。流石だ』


 【夜】の気配が消えた。

 

 「くそがよ……」


 「流石だね、サクラ」


 気がついたら、近くの建物の上に忍が居た。


 「裏切ったのか?」


 「え?なんのこと?」


 「は?」


 リオデジャネイロ侵入直後、サクラは新しい力を手に入れた。

ご精読ありがとうございました


リオ編に突入!!

休憩の章だけど、濃密に頑張っていくぞ!

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