第六十話 鎖
アルトライがカイロを出発して数時間、旧大西洋を渡っていた。
「ここが大西洋……」
と言いつつもそこに海は無く、
水平線まで続く花畑があった。
「海、見てみたいなぁ……」
レンが呟く。
「俺もそうだよ。」
『ハナを倒してみんなで泳ごう!!』
他愛のない雑談を繰り返しながらアルトライは南大西洋の中心を通過した。
その時、アルトライが警報を発した。
敵対怪異からの襲撃だ。
「なにがあった!?」
サクラが叫びながらも冷静にレーダーを見る。
そこに写されていた怪異の反応は……
「なんで……」
『全速力でリオに逃げろ!!』
「なにが来たの!?」
そう聞くレンの為に、モニターにその反応を映し出す。
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「しん……?えっと……」
「【罪】だ。」
伊刻からの情報で、【罪】が神の領域に踏み入っている可能性を踏んでいたが、【花の冥界】でもお構いなしに突撃してくるとは……!!
「ん?……甲板に誰か乗り込んで……」
甲板を写すカメラの映像を表示すると、そこには鎖を身に纏わせた女の姿があった。
「『……ミケ•アルテミスッ!!!!』」
じいちゃんから聞いていた。
じいちゃんが、水越争太が勝てなかった存在!!
ミケはカメラを見つけたようで、手を振る。
「なんか、喋ってる?」『音声をつけよう』
ーー「ハロー!きゃはっ!!こーんにちは!!」
ーー「今日は、ご挨拶にきました!!」
ーー「せいぜい、抗って死んでくれる?」
ーー「私はニューヨークで待ってるから!!」
ーー【原罪神】として……ね?
どこか高揚感を感じさせるような声色で告げられた神としての自己申告……
サクラ達は何もできずにその映像を見ることしかできなかった。
そして、プツンとカメラの映像が消え、鳴り響いていた警報が鳴り止んだ。
映像は消え、音声も切れたというのに、頭の中でいつまでも鎖の音が響いていた。
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アルトライはリオデジャネイロに到着、【夜の怪異】の冥界に突入した。
ご精読ありがとうございました
短いけど、ようやくミケが出てきましたね。
悠久極夜冥街 リオデジャネイロ、始まります




