第五十九話 次へ
体の中を【死】の力が巡るのを感じる。
「新しい力……使い方、考えないとな」
龍の翼を展開し、降りていく。
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冥界が再構築されたカイロは雰囲気が違って見えた。
下でレン達が手を振っている。
「『ただいま!!』」
地面に降り立つとみんなが寄ってきた。
「すごかったぞ!!」
アルスが俺達の頭を撫でる。
「勝っちまうなんて!!」
フィクスは、はしゃぐ。
「カイロを助けてくれてありがとうございます」
シュウが涙を流す
「うん……本当にありがとう」
ラシプがシュウを抱きしめて微笑む。
そして、レンが涙を流しながら近づく。
「僕、何もできなかったよ、サクラがどんどん遠くに行く。次は、こうじゃ無いから、僕はサクラに負けないから!!!」
「あぁ、信じてるよ。」
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ザマーレクに戻ると、そこは完全なお祝いムードで、サクラ達は宴に巻き込まれた。
そんなサクラ達をカイロタワーの上から伊刻と夢結が見つめていた。
「銃、使ったんだ」
伊刻は夢結の壊れた拳銃を見てそう言う。
「うん……また、争太に作ってもらわないとだ」
夢結の銃は、水越争太の【戦争】の力で作られたものであり、通常の銃では一発で壊れるほどの【夢】の力が込められた弾丸を弾倉交換3回分まで使える様に強化された特注品だ。
「争太に貰った最後の一発、納得できる形で使えたか?」
「うん。最高の一発だったよ」
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【死】が放った攻撃により雲が晴れ、天上の戦いがよく見えるようになった。
カイロタワーの上に座る夢結はその戦いを目を凝らして見ている。
「一回だけ、援護を君に……」
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「あっはは!俺も同じだ」
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【死】の一撃を受けても尚、飛び立つサクラを見届けた伊刻と【王】は両者共に微笑んだ。
『どうやら、【死】は終わりの様だ……しかし、あの【花】の実力がこれ程のものとはな……ここは撤退を選ぼう。妾は賢王である事を心掛けているのでな。しかし、ただ、去るだけでは趣がないな……喰らっていけ』
「は?おいおいおい……」
視界を覆うほどの武器、そして、城。
さらに、数多の兵士。
『絶対王政』
全ての物質が崩れ、再構築される。
「嘘だろ……」
逆光が差し、【王】の表情が読み取れない。
その後ろに構築された圧倒的な物量のエネルギー体に圧倒される。
「槍よ……」
伊刻が周りに槍を無数に浮かべ、その穂先をすべて【王】に向ける。
「燃えろよ、燃えろ……燃えるがいい……」
全ての槍が赤黒く禍々しい炎に包まれた。
「貫き、穿て。全ては神を堕とす為に……」
周囲の槍が回転を始め、一つに合わさる。
これは、槍ではない。
しかし、【槍】の力として内包されていた。
その理由は誰も知らない。
「灼熱神槍!!!!!」
『極刑……だ』
圧倒的な物量と神の槍がぶつかり、爆発し、放射熱が皮膚を焼く。
しかし、この衝突は拮抗せず、神の槍は打ち砕かれ、伊刻湊を圧倒的な物量が押し潰した。
「くそ……まじかよ…」
力量が足りないのではない。
単純に、"国一つ分"の物量を受けて押し勝てる存在などそれこそ、【罪】か【花神】ぐらいだろう。
「……はぁ、まじか」
伊刻は物量の塊の衝突に耐えた。
そして、土煙が晴れる。
「逃げやがった……」
身体中の力がごっそりと消え、【王の怪異】が目の前から消えた。
その瞬間、天上からあり得ないほどの力の奔流を感じた。
【死】の力だ。
「サクラ……!!」
一瞬、焦った。
が、すぐに笑みが溢れた。
「彩花の気配が消えたのに、まだ戦う気か!!」
もう、強力な攻撃を放てる程の力は残っていない。
「最後の力を振り絞ってやる。一回、最高のタイミングで、援護を……」
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「考えることは一緒だね」
夢結が微笑んだ。
「ああ……本当にな」
静かに夜は更けて行った。
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皆が【死】から解放された事を喜んだ。
連日連夜、宴を開いていたが、そろそろ出立する時間だ。
「次はリオデジャネイロか……」
アルトライのモニターを確認し、次の行き先をリオデジャネイロに設定した。
ここは唯一の安全地帯。
【夜の怪異】の領域。
「それで、カイロのメンツはみんなここに残るのか?」
レンに問いかける。
「うん。ここは思っていたよりも不安定らしくてさ、冥界の端っこは歪んでいて、花の眷属がいつ来てもおかしくない。だから、みんなはここから離れられない。」
「まぁ、しょうがないか。」
アルトライを起動する。
別れの言葉は言わない。
「次に会う時は、【花神】を倒す時だ。」
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空に浮かぶ舟が起動した。
カイロの怪人達はそれを見届け、手を振った。
「頑張れよ……サクラ」
「またね〜!!」
伊刻と夢結はカイロタワーの上から手を振った。
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常夜の街、リオデジャネイロ。
「さぁ、おいで。一緒に、神を殺す為に……"言葉を紡ごう"。」
ご精読ありがとうございました
死滅没落都市 カイロ 終わり〜!!
正直、色々とうまくできなかった気がしますが、もし、リメイクをする日が来たらもっと頑張れる気がします。
でもね、俺は頑張ったよ、書きたい事全部書けたし。
だから、これでいい!!
さて、次の話です。
次回から始まりますは、常夜の街、
【悠久極夜冥街 リオデジャネイロ】
スタートです。




