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第三十九話 助ける。そう言ったから


「『助けるよ、絶対に!!』」


などと言ったはいいものの、残された力はあまりにも少ない。

そして、眼前に立ち塞がるのは強大な五大怪異だ。

正直、どこまでやれるのか分からない。


しかも、概念武装の限界が近い。そろそろ動けなくなる。


『一気にぶちかまして、懐に潜り込む……』


「いつものやり方だな!!」


足元に花を咲かせ、そこにありったけの力を流し込む。

太刀だけを残して、残された概念武装の力、ありとあらゆる力を流し込む。


「『終焉を言祝げ!! 龍花炎!!』」


熱線が放たれ、音が消え、閃光が迸る。

火の粉は花弁の様に形を変え、舞い上がる。

放射熱で皮膚が焼け爛れ、その余波で周囲が吹き飛ぶ。


【氷の怪異】は避ける様な素振りを見せるが、熱線は即着。


「ガァァァァ!!!」


氷が蒸発し、蒸気が辺りを包み込む。

運動を完全に止めた絶対零度の大地が震えだす。


次弾を打つ余裕は既に無く、倒れる。


「……どうだ?」

『足りない……』


蒸気が晴れ、【氷の怪異】が見えてきた。

身体が溶け、歪な姿になった【氷の怪異】がそこにいた。


「ゆゆゆ、ゆる、ゆるゆるゆる、許さなァァァァァァ!!」


暴れる【氷の怪異】の胸で輝く核から溢れる火の印、レンの居場所。


「立て。」


優希の声が聞こえ、俺は彩花を切り離し、体を軽くして太刀を吸収する。

そこに残された微かな力を消化して、動き出す。


無理やり足を動かす。無理やり手を動かす。


走れ。


「来るなァァァ!!」


「黙れェェェェ!!』


足に力を込め、飛び込む様に走る。


「レンーーーッ!!』


【氷の怪異】に抱き付き、その胸に据えられた核を握りしめる。


「やめろォォォ!!」


身体中が凍る様に痛い。

胸に、足に、手に、氷の棘が突き刺さる。

それでも、この手は離さない。


「ガァァァァァァ!!!』


手のひらにあり得ないほどの力が流れ込み、核がビキビキと音を立て始める。


『レン!!』


――かっこいいぜ、サクラ!


耳の奥でそう聞こえ、


「ァァァァァァ!!」


核が割れ、手の中には炎に包まれ守られた、一つの宝石が握られた。


宝石をシドニーの境界側に投げ捨て、限界を迎えた俺は磁石が引き合う様に、

切り離した彩花の方へ引き戻される。


「かっけぇよ、サクラ。」


天が焼け、空間が震える。

核が半壊し、限界が近づいた【氷の怪異】は最期の悪足掻きが如く、

周囲の氷が集まり、巨大な氷像へと姿を変える。


『人の怪異ィィィィ!! 希望が、願いが、何もかもが、おまえを、強化するゥ!

許さない、許さない!!

ここまでして、お前の、花の、人の龍のォォォ!!

力に、まける? まける? まけ、まける!?!? 一撃でェェ!?』


「勘違いしている様だが、お前はもう三下だ。神の炎に耐えられない。」


『炎、炎、ほのおおおおおおおおおお!! おまえのせいだぁぁぁぁ!!!』


氷の手が振り下ろされる。


「『ーーー劫火』」


世界を焼く炎。


【氷】はそれを受け、


『また、またか、またかよぉぉ!!! ああああああ!!!』


腕が溶け、消え去る。

優希が飛び、シドニーを出る。

体勢を崩した【氷の怪異】のもう片方の腕を目指す。


「『トツカノツルギ!!』」


灼熱の炎で包まれた刀が振るわれ、腕が切り落とされる。

切り落とした腕が地に落ちる前にそれを足場にしてさらに飛ぶ。


「『終わりだ』」


『いやだ、無理だ!! まだ!!』


「『火之迦具土神』」


原初の炎は氷を溶かし、オーストラリアは暖かさを思い出した。

ご精読ありがとうございました。


オーストラリアさっぱりしてるなー、なーんか、足りないなーと思ったけど、これでいいや!ってなったから仕方ない。


レンを取られても意思があったのは、氷屍人の魂を吸収したからですね。




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