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第三十八話 助けるよ


 数年前ーー


 「だーはっは!!吾輩降臨である!!」

 

 身の丈に合わない喋り方に服装。この少女を俺は知っている。


 「本物の……」『【王の怪異】!!』


 かつて夢の世界で戦った少女、それが目の前に。何度も何度も死んで、ようやく一度の勝利を勝ち取った相手。


 良い感じの拮抗具合だったのに、五大怪異級の化け物の介入とは……運がない


 『見ろ。王の身体……花が咲いてる』

 「ハナの……【花の神】が出した【花の種子】に侵された存在……ってことか」


 ーーーーー


 キングスキャニオンの上空で【氷の怪異】と【王の怪異】と【炎の怪人】がぶつかる。

 

 【王の怪異】は高校生程の姿になって剣を抜き、その剣から放たれる極光で辺りを焼き払っている。


 「ひれ伏せひれ伏せ!!吾輩にひれ伏して、そして、死ね」


 手当たり次第に放たれる極光の隙間を掻い潜り、俺と【氷】は【王】に迫る。


 「吾輩に謁見するつもりか?しかし、それは叶わぬ。許さぬ。極刑じゃ」


 【王】の周囲に木片と鉄屑が浮かび上がり、それらはギロチンに形を変えていく。

 いくつものギロチンが刃を外に向けて【王】の周囲に浮かび出す。


 『まずい!!』

 

 エンがそう叫ぶと共に、紐が切れる音がして、ギロチンが落ちるように発射される。それは、首だけを狙った確実に殺す攻撃だ。


 しかし、俺たちは一度見ている。


 「『神剣鍛造!』」


 炎の概念武装である刀を鍛造し、迫り来るギロチンを真っ向から迎え撃つ。

 刃が触れたギロチンが、焼け、溶け切れていく。


 「吾輩の刑を拒むか!痴れ者め!」


 身に纏ったマントを靡かせながら腰に手を当てて眼下の俺たちを睨む。

 そして、そのマントこそ、【王の怪異】の概念武装であり、そのマントが纏われている間は【王の怪異】に攻撃は通らない。


 しかし、俺たちは知っている。


 「お前に王としての威厳なんてねぇからな!!」『だから、その"マント" は意味を持たない!』


 マントを無効化する方法を。


 「なっ!そんな、そんな……許さぬ。」


 マントがひらりと落ちていく。それと同時に【氷の怪異】がギロチン攻撃の傷を癒して浮上してくる。


 【氷の怪異】には申し訳ないが、付き合ってもらうぞ。


 無敵の防御を取った後、この王様は覚醒する。


 「死ね」


 目にも止まらぬ速さで迫り来る。極限まで強化された動体視力でもギリギリ追いつけないレベルで。だが、予測で刀を振り、【王の怪異】を斬る。


 「ぐっ…」


 【王の怪異】が斬られた腕を押さえ、後ろに下がる。


 『"氷牙"』


 【氷の怪異】が怪我を負った【王の怪異】に攻撃を仕掛ける。それに対して【王の怪異】も反撃し、激しい攻防戦が始まる。


 「都合がいい」


 俺たちは少し下に降りて手に力を込める。


 「『消し飛べ!!"劫火"!!!』」


 出し得る最大級の火力を放ち、【氷】と【王】を二体ごと吹き飛ばす。


 深い傷を負った二体は俺たちに殺意の目線を向ける。


 「『そんな顔すんなよ、恥ずかしい……』」


 二体は肩で息をしながら、各々の武器を構える。


 「『あ、やべ』」


 背を向けて走り出すように逃げる。


 「死ね」『死ね』


 二体は殺気を垂れ流しながら迫る。


 「『それこっちの台詞。』」

 

 唐突に振り返り、手を二体に向ける。


 「『劫火』」


 再び最高火力を放つ。急な方向転換からの急な最高火力放射によって二体は再び吹き飛ばされる。


 そして、俺達のボルテージは完全に上がった。


 しかし、俺たちはやらかした。


 【王の怪異】の力を見誤っていたのだ。


 吹き飛ばされたと思っていた【王の怪異】は劫火に身を焼かれながらも俺達の背後に迫り、その胸に剣を突き立てたのだ。


 「『クソがァァァ!!』」


 体内に蓄積させた熱を放出し、爆発。

 【王の怪異】ごと吹き飛んだ。【王の怪異】はこの攻撃によってオーストラリアでの活動が難しくなり、撤退を余儀なくされた。


 しかし、それにより俺達の力は一気に減少し、拮抗していた冥界は【氷】に押されることになる。


 「諦めねぇよ!!」


 ボロボロの体で【氷の怪異】に食らいつき、なけなしの炎で吹き飛ばす。

 その瞬間、【氷の怪異】は"ナニカ"を吐き捨てていた。


 吹き飛ばしたはいいものの、俺達は力の大半を使い切り、シドニーまで追い込まれたのだ。


 ーーーーー


 「王の介入がなければあの時に倒せていたかもしれない……か?」

 『それはイキりすぎだろ。王の怪異の介入があったから今日まで引き延ばせたんだ。』


 「じゃあ、ここで終わらせよう。」


 シドニー•アイ•タワーから降り、シドニーの、冥界の境界に向かう。


 【氷の怪異】はすぐそこに。


 コイツを目の前にしてやっと気がついた。【氷の怪異】の魂がおかしい。増えている。


 「吸収しやがったな……氷屍人を」


 「気づいたか……あぁ、そうだ。この大地に根付いた生態系を全て凍らせて、全てを自分のモノとした。動物も人間も魂を全てボクに統合した。だから、貴殿にボクは殺せない」


 「喋り方までおかしくなりやがったな?」『今、殺してやるから覚悟しろ。』


 「その線を踏み越えてコチラに来るといい。ボクと戦いながら冥界は維持できるのか?」


 「まぁ、無理だな。だから、」


 「『やれ!!』」


 「『任せろ!!』」


 爆音が響き渡る。


 【氷の怪異】が衝撃を受け止め切れずに吹き飛ぶ。


 さっきまで【氷の怪異】が立っていたそこには、燃える騎士甲冑を纏った男が立っている。


 「援護する!」『ぶちかませ!!』


 【氷の怪異】は立ち上がり、その騎士甲冑を纏った男に向かって指を刺す。


 「しつこい。"コレ"はもう、戻ってこないと言うのに、いつまで付き纏う!!」


 「いーや、俺らは諦めねぇぜ?」『まだ希望はあるからね』


 「そうか、なら、希望を胸に凍え死ぬといい!!花ァァァ!!」


 「『助けるよ、絶対に!!』」

ご精読ありがとうございました!

高難易度の敵って何度も死んで倒すけど、一度倒したら案外やれるよね?そう言う感じで【王の怪異】とも戦えてました。まぁ、花の眷属なので、他の怪異の冥界内では大した力が出せないってのもあるんだけどね。


じゃあ、頑張ってレンちゃんを助けてあげて

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