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第三十二話 炎の縛り

氷屍人の襲撃を優希がぶちかまして終わらせ、俺達はレンと彩花と合流して優希の拠点へ向かった。


「えっと、どこに向かっているの?」


彩花がそう聞く。


「位置的には、オリンピック公園らへんかな…俺の家!」


ーーーーー


オリンピック公園の近くに神社がポツンと一つ。


「ここね、俺の家。なんか、神みたいな扱いされてるんだよね。」『神だからな』


神社の中は昔ながらの日本家屋って感じでとても、心地よい。


「あ、」


手元がぶれ始めた。


彩花と俺はまた一つになった。


「『はい、ただいまー』」


「やっぱりすごいな…俺とエンもあーゆーのできるのか?」『できたところでお前一人で何ができるんだ?』


「まぁ、それもそっか!」


などと優希は軽口を叩いてから、本題に入った。


「さて、お前達が来てくれたおかげで、“【氷の怪異】攻略作戦”が立てられるようになった。礼を言うよ。」


「一人じゃ無理だったのか?」

『そーだそーだ』

「そうですよ!あなたみたいな化け物――いえ、強い人は! 一人でなんとかできたんじゃないですか?」


「うんうん、俺みたいな化け物……まぁ、俺は化け物じゃねぇけどな? とにかく、俺はこのシドニーに“縛られて"いて、どうにもできなかったんだよ」


「どういうことだ?」


「まぁ、この百年の流れを話せばわかるだろう。」


ーーーーー


「まず、100年前、俺達は吹雪荒れるオーストラリアの大地に降り立った。辺りを見渡すと、氷の怪物が空に向かって咆哮していた。

俺達はその氷の怪物…【氷の怪異】に向かって走り出し、連日連夜に渡って戦闘を繰り広げた。

しかし、それでは終わりが来ないと悟り、オーストラリアの人達を救助する方面へシフトし、広がる氷の冥界に対抗して炎の冥界を展開した。

最初は大体2対3ぐらいでオーストラリアを取れていたんだけど、ある日、オーストラリアの外、花の冥界から"侵入者"が入り込んできた。

その侵入者は……


ーーーーー


『マズいぞ!なにか、入り込んできやがった!』


「はぁ!?どこからだ!」


『空だ!!』


空を見上げると、マントを羽織った女がそこにいた。


「見覚えあるぜ、あの顔!!」『嫌な思い出がよぎる…』


かつて、夢の世界で何百回も戦い、命を落としてようやく倒した存在。


古の五大怪異


「吾輩の登場であるぞ!!ひれ伏せ!」


「『【王の怪異】!!!』」


ーーーーー


「俺達は、【王の怪異】と【氷の怪異】――二体の強力な怪異を同時に相手取り、【王の怪異】を辛くも撃退した時には、キングスキャニオンで停滞していた冥界はシドニーまで追いやられてしまった。その結果、この冥界は、結構ギリギリな状態でね、俺が冥界の中で力を注ぎ続けなければ氷の冥界に押し潰されるんだよねー!だから、何十年もここでもじもじする羽目になったんだ」


「なるほど」『まぁ、なんとなく分かったよ』

「僕もよく分かりました」


「それを踏まえて、【氷の怪異】攻略作戦を立てようか!」


ーーーーー


「じゃあ、まとめるよ?まず、サクラ、彩花、レンは【氷の怪異】の本体が鎮座するキングスキャニオンまで向かって、本体が俺の射程圏内に入るまでおびき出してほしい。そうすれば俺の全力火力で【氷の怪異】を削るから、残りは、サクラ達の"龍炎"で溶かし尽くせ。」


「『了解!』」

「……え、やっぱり僕もやるの?」


「もう、部外者じゃないからね?郡山レンちゃん?」


優希がレンに圧をかけるように微笑む。


「ひっ…わかりましたぁ…」


ーーーーー


作戦計画を終えると、外は夜になっていた。


「はぁ…本当に僕はこの作戦に参加しても良いのかな…」


「どうしてそう思うんだ?」

彩花が優希と喋りたいからまた分離させられたサクラくん


「……だって僕…」


「僕?」


「僕は…人じゃないんだよ!?」


「まぁ、だろうな?」


レンはあれ?とでも言いたいような顔でポカンとする。


「だって、【雪の怪人】は嘘でしょ?レンが俺達の刀を止めた力は雪なんてものじゃなかった。あれは、"氷"だろ?」


「……あはは…あちゃー、気付いてた?そうなんだよね、僕…【氷の怪異】なんだよね」


レンは頭をかきながら、とても申し訳なさそうに言う。


「どうして、レンは人の味方についているんだ?【氷の分体】ではなく、【氷の怪異】なんだろ?」


「…うん…そう。僕は、【氷の怪異】だけど、キングスキャニオンに鎮座する【氷の怪異】と違うけど違わない存在…あそこにいる【氷の怪異】は意志を持たない自然現象。対して、僕は【氷の怪異】が捨てた人間性のようなもの。だから、あの場所にいる【氷の怪異】とは違って僕は、愛嬌とか人間性に富んでいるけど、そんなに力は持っていない。」


「なるほどね…まぁ、つまり、レンは人の味方なんだろ?【氷の怪異】なんて強力な怪異が味方なんて、最高じゃん!」


「あ…う…うん!でしょ!僕が一緒でうれしいでしょ!」


レンは物凄く明るい顔で笑う。


ーーーーー


レンとサクラが微笑ましくお話ししている所の上にある展望台で二人を見ている人達がいた。


「あの二人、良いコンビになれそうじゃないか?」


「うん!私もそう思うよ!ただ、私的には、あそこにアベルも居てほしかったんだよね…」


「あー、例の…でも、花の力で吸収したんだろ?だったら、『ああ。花は吸収した怪異を眷属として出せる。花の冥界での戦いで、ハナはかつて吸収した原初の怪異を眷属として出していた。』とのことだ。だから、いつか再開できる日が来るかもな?」


「そうだといいよね…」


ーーーーー


そして、朝日が昇り、俺達はシドニーを出た。


「【氷の怪異】攻略作戦開始だ!」

ご精読ありがとうございました!


さて、永久凍土解放戦、開始です!

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