第二十二話 コンテニュー
龍が灰となって消えた。
「結界の再構築だ!!」
八上が大鉈を地面に突き刺し、崩壊し始める龍の冥界を鬼の力で支える。
冥界が崩壊したら、花の冥界に包まれて皆が死ぬ。だから、俺は、冥界を――
「おかしい…龍の冥界が…崩壊しない…?」
「どういうこと…だ…」
影神が膝をつく。
深影装衣の効果時間が終わり、反動が来たのだろう。
「影神さん!」
サクラが影神に駆け寄る。
「待て、何かおかしい…」
影神が辺りを見渡す。
その時、小さな足音が聞こえた。子供の足音だ。
「『え?』」
そこには、アベルがいた。
「『アベル…』」
「待て! お前は何者だ!」
八上がそう叫ぶ。アベルに向かって――
「気付いたか…」
アベルは聞き慣れない声で喋り出した。
「サク…ラ…すまない…戦えそうにない…」
衝撃で影神が気絶する。
「冥界構築の式を展開し始めたら、もう止まらない…ごめん…先走りすぎた…アベル君は、契約してしまったようだ。俺たちの責任だ…」
八上の言葉が届かない――だって、そこにいるのは、
アベル――。
「『アベルだよね…?』」
「察しが悪いな…【花】ァ? 俺は、【龍】だ!!」
アベルの体がビキビキと音を立てて成長していく。
「十歳の身体だと違和感あるからな…無理やり成長させてやるよ」
アベルは十八歳から二十歳ほどの体に成長した。
「『アベル!!!やめてくれ!もう、やめてくれよ…』」
「やめない…俺は…諦めない」
アベルはケラケラと笑い、こちらを指差す。
「花を殺し、世界を我が手に!!」
アベルの周りに鱗のようなものが現れ、それが身体に纏わりつき、騎士の甲冑のように変化する。
「“龍剣”、 “龍盾”…」
そこに、ファンタジー世界の龍騎士が現れた。
「さあ…コンテニューだ、【花】! 俺がお前を殺す」
「『もう…失うわけにはいかねぇんだよォォォ!!』」
ご精読ありがとうございました
アベルー!!!!




